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数年前に作った極く小さな一輪挿し
野の花一輪のため・・

大きな器よりも小さな器は易しい・・
・・ってわけじゃない
大きいってだけで・・
何とはなしに華やかさが漂うが
小さな器に・・それなりの存在感を・・って
こりゃ案外難題なのだ

わずかしか動かせない小さな土に
大胆な力と・・技を・・
大皿のほうが易しいかも・・って思う一瞬

一輪挿し・・ぐい呑み・・水注・・茶入れ・・香盒・・
名品の多い世界でもある
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結局のところ・・ロクロは数挽くことだ・・と思う
とりわけ・・同寸同姿を並べようとしたら
手数を揃えて・・できるだけ短時間で・・がコツだ

千本ノック・・
往年のミスター長島が学生時代にこなした稽古
ヘトヘトになった900本から先にこそ
身につくものが多かった・・と述懐していた
数は力なり・・その継続が更なる力なり・・である

最近・・Sさんに課した稽古
一日100個の茶碗挽き・・累計で千個をできるだけ短期間に・・
理屈でなら・・10日で千個のはずだ
数日前・・昼食をはさんでおよそ7時間・・100個を達成した
繰り返すことで・・時間はどんどん短縮されるだろう
終れば全てつぶして土練器行きである

口もきかずに熱中していた
一番厄介なのは・・集中力の持続
技と一緒に・・その集中と体力が養われる
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2キロ半くらいの粘土を菊練りして
板一枚に8個を並べる・・1個が300グラム
これを繰り返して13枚目の板で104個ってわけだ

Sさんの場合・・道具は牛ベラ一枚
この道具を使いこなすにもいい稽古になるに違いない
この日以降も続けているが
見る見るうちに形がしっかりしてきた
既に500個は挽いてるようだが
千本ノックが終れば・・
その達成感がきっと大きな自信になると思う

『・・この後に・・向勢と背勢について
加藤唐九郎さんの話を引用して書いたが
うろ覚えで心配になって・・調べました
やはり・・私の理解が少し違っていたみたいです
従って・・削除することにしました
お許しを・・7/27・・』


近々・・Kさんも千本ノックに挑戦する
しかし・・こちらはSさんとは別の意味の千本ノック
始まったら・・またご紹介してみよう
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ほぼ昨日一日かけて加飾した大鉢だけど
どうしても気に入らなくて・・
全部剥がしてやり直すことにした
ピンセットでつまんでは剥がしてゆく

細かいこといえば・・
時間もコストも勿体ないが
気に入らないまま焼いて・・
それでいて気に入った仕上がりに変貌したことは
・・一度もない
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延べ延長200メートルほど貼ってあるはずだが
どうせ剥がすならと・・途中を抜いてみた

全面貼ってあると波状紋だけど
こうして中抜きしてみたら・・
意外と面白い帯状になるではないか・・
何やら波に動きを感じるし・・それに
少々色っぽささえ漂う

中抜きの剥がし方はもっと工夫すべきだが
もしかしたら・・面白いかも
別の皿で試してみようかな・・

失敗は失敗なのだが
転んでもただでは起きない「根性」とでも・・
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全部剥がした後・・改めて加飾を始めた
ご覧のように下絵があるわけじゃないから
ここら辺に波を作って・・ここら辺で分岐させて・・
一本一本糸を貼りながら・・考える

荒れた海・・穏やかな波・・
波に表情を作るための技法に
また新しいコツを探さねば・・と思いつつ・・
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古窯気まま旅から戻って・・あっという間の一ヶ月
締め切りの迫った展覧会を目指して
大皿に加飾しながら・・あのゆったりとした数日を反芻している
・・古窯に流れるあのゆったりした時間を・・
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昨年春の・・日本陶芸展大阪展に出向いた帰路に寄った丹波立杭に続いて
六古窯のひとつ・・常滑
やきものに関わりながら・・訪ねるのは初めてである
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観光客相手の陶芸散歩道・・
昔ながらの常滑の風情を知ってもらおうという試み
江戸のやきものづくりをそのままにした
あの小鹿田の里とは・・少し意味はちがうが
古き常滑が垣間見える
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観光だからといってしまえばそれまでだが
この陳列は・・少し寂しい
かつて出かけた信楽でも似たようなことを感じたものだが
由緒ある窯場が・・その由緒を輝かしくかかげるのは
もしかしたら容易ではないのだ
伝統と観光は・・簡単には融和しない
伝来の常滑焼き・・をそのままに・・が
時代の風にさらされた「みやげもの」になれるのか・・・?
難しいところだ
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「ちょっと入ってもいい・・?」
前方に座して仕事している女性は手を振って断った
断られたけど・・この工房の風情は好きだ
照明にゆとりのなかった時代に
まるで木漏れ日のような光りの下で
いつもの営みが繰り返されているのだろう
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既に火のくべられることのない窯跡が
町の随所にあって・・昔日を偲ばせているが
しかし・・ここは今でも由緒ある窯場なのだ
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この散歩道のあと・・常山窯を訪ねた
数年前に他界された人間国宝山田常山さんの窯である
急須の名人だった・・見るからに美しい急須・・
常山さんのロクロを収録したビデオは・・
いつでも私の大切な教科書でもあった

四代目を襲名した絵夢さんと・・三代目の未亡人におめにかかり
しばらく話を伺った
常山さんの急須といえば・・それはもう羨望の道具なのだが
しかし・・その陰に潜む急須つくりの歴史的な悲哀
安穏な道ではなかったことを・・
しかし・・三代目の強い信念に一目も二目も置いて
言葉の端々に限りない尊敬の思いを計り知るのだった

伝統とは・・時代とともに変化すべきとしても
しかし・・生涯を貫く信念なしには継承できないものでもあるのだ
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先日のぶらり旅の報告もまだ済んでないのだが・・
久しぶりに・・窯を焚いた
毎年のように・・花のお稽古の一環で
花器を作りたいという活け花教室の
体験陶芸を焼いたのだが
窯にゆとりがあったから
自分の作品も・・入れた
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何の変哲もない白土で挽いた花入れに
線象嵌を施して・・色を差したもの
土に含まれた僅かな鉄分が引っ張り出されて
ほんのりと紅色を呈している
そうなら・・色を差す必要はなかったかなぁ・・?
引き算陶芸・・の視点からだと
余計なことをしたんだろうか・・ちと悩ましいところかも
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定番の黒泥で挽いた30センチほどの深鉢
このブルーが好き
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灰釉の厚掛けだが・・意図的に掛けはずしてみた
この黒素地に・・何か加飾するかどうか・・
これも悩ましい・・
金を使ってみようかな・・?・・やっぱり悩ましい
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この仕事が終ったら・・
暫くどこかへぶらり旅に・・と決めていた

先週の水曜日の深夜
愛用のワンボックスの後部座席に
快適なベッドを設え・・寝袋一枚に枕をひとつ
適当に着替えと日用品を積み込んで
中央高速に乗った

この夜から・・結局5日間
何一つ予定も予約もない・・ひとり旅が始まった
古い窯場を訪ねて・・その空気を吸ってみたい
それだけで・・出発したのだった
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諏訪の辺りで・・2時間ほど仮眠して
あとはひたすら走った
夜明けには多治見に着いた

ナビゲーターは・・こうした旅にはなくてはならない必需品
音声ガイドを頼りに・・人気のない古窯跡にたどり着いた
大萱 牟田洞古窯跡である

かつて・・荒川豊蔵さんが
志野が・・瀬戸ではなく美濃のやきものと発見した
あのドラマティックな歴史の書き直しの舞台がここだ

魯山人のもとを去って・・この牟田洞に窯を築き
志野の再現に生涯をかけた荒川豊蔵の人生が
ここの空気の中に流れている
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ひっそりとして・・雨に打たれた色濃い緑だけが
溢れるほどに覆いかぶさってくる
朽ち葉を踏みしめながら歩いた
黙って・・ゆっくりと・・歩いた
やきもの・・って
そんな風に歩く地味な仕事だと
しみじみと思った

荒川豊蔵氏の薫陶を受けた志野の人間国宝鈴木蔵さんに
お目にかかったのは・・この日の午後のこと
突然の訪問でご迷惑だったろうに・・
こころよく通してくださり暫くお話を伺ったが
「ゆっくり焼いてゆっくり冷ます・・志野って・・それだけだよ・・」
そう言えるまでの長い時間・・途方もない試作の日々
静かなもの言いの・・静かな迫力
ゆるぎないものが伝わって・・気をいただいたようだ

旅は・・多治見 瑞浪 可児 土岐 瀬戸 猿投 常滑・・と続く
気ままなリラックスの独り旅・・ほんとに久しぶりのことだった
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Oさん得意の掻き落とし・・
どうやら素焼きも無事に通過
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正確で丁寧な仕事の面白さと自信が生まれ
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次の素地を作り始めている
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裏だって・・大事だよ!
表面とは一味違うデザインが生きてくるはずだ
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Kさんの出品準備も始まっている
この大皿に魚が泳ぐ日も・・遠くはなさそうだ
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皿を挽くひと・・
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鉢を作るひと・・
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皿を削るひと・・あれば
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カップつくりに勤しむひと・・あり
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素焼きもたまり・・
この2週間は窯焚きの夜が続く・・
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私の皿も・・加飾待ちでひっそりと・・
締め切りが迫ってくる
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みんなが銘々・・思い々に
じっとロクロに向かっている姿を眺めながら
集中の心地よさを・・感じた午後でした
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これ・・子どものころ息子が使っていた卓球のラッケト
いつだったか・・昔の息子の部屋で見つけて
爾来・・工房の便利な道具に変身した
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こうして持つと・・まるで卓球してるみたい・・だが
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ボールの代わりに乗ってるのは・・器
削り終わったあと・・
姿の良し悪しを確かめるのに便利なのです
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手首を回せば・・
色々な面から眺めることができる
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ゴムのラバーが適度な滑り止めになってくれるから
下から見上げたり・・傾げて見ることもできる

器を直接手にするより
はるかに安全に姿を確かめられて
意外に・・スグレモノ・・ですよ・・笑
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器には・・
削っちゃ身もふたもないものもあれば
削らなくちゃ・・身もふたもないものもある
仕上げが何かで決まるが
私の「糸抜き波状紋大皿」の場合
削らなきゃ・・の方である

波状に貼る糸がしっかり定着して
吹きつけた顔料を糸の下に潜らせないために
丁寧に削って・・表面を滑らかにしておかねばならない
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間違えば・・指一本くらい切り落としてしまいそうな
この超鋼カンナ・・鋭利で強靭な優れもの
カラカラに乾いた土の硬さにもめげず
綺麗に削りだす
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だから仕上げ削りは・・このカンナの独壇場だ
様々な形状の刃を使い分けて
思い通りの表面を作らねばならない
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土の乾燥に応じて道具を使い分ける
いつの間にか・・道具が増えて
デリケートな表情づくりを目指すことになる
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この一年ほど・・
いつも出向く益子や笠間の道具屋さんに
超鋼カンナの姿が減って・・手に入れにくくなっていた
なくてはならない道具だけにちょっと不安だったが

先日・・このブログでもお馴染みの藤井さんに相談したら
いっぺんに解決した・・道具屋さんを紹介していただいたのだ
早速注文して・・12本ほど補充できた
これで安心して削れる

私の仕事は・・私独りで作っているようにみえるが
しかし・・なくてはならない材料や道具を調達できなきゃ
何も進まないわけで・・そこらへんのありがたさを
忘れてはなるまい・・と・・ふと自戒でもある
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この数年・・
シルバー人材センターに派遣を依頼して
年配の希望者さんに土練機を回して
粘土の再生をたのんできたのだが・・
そのAさんが急に辞めた

改めて教えるのもやや面倒で
だから久しぶりに自分で再生することにした
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荒練りした土を輪切りにして
その一段づつを横に混ぜ合わせて
土の水分と粘性を平準化してゆくために
何度も土練機をくぐらせる
地味で面倒な仕事だが・・大事な仕事でもある
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基本だから・・しばらく湯呑みを挽いて!・・と言ったら
三個作ってやめた生徒さんがいた
「だって・・そんなに沢山湯呑みがあっても困るんです」

それじゃ稽古にならないから・・
沢山作って・・そこから三個選べばいいさ
そういうわけで失敗土が増える

15キロの大皿を・・一日で四枚挽いて
四枚とも失敗した生徒さんもいた
全部で60キロの失敗・・土練機が忙しい
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ロクロの稽古に失敗はつきもの
避けては通れないから
土練機が忙しいのは仕方がないのだ

教室を終え・・素焼き窯詰めを済ませてから
土練機に向かった
5キロの棒が16本・・80キロが蘇った

誰もいない工房で・・独り静かに・・
地味な仕事で過ごした夜だった
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