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この湯呑み
いま目の前にあって・・手に持つこともできる
手に持った瞬間
何の違和感もなく・・ただただ手に心地よい
大きさも重さも手触りも
そして目に映る姿も色合いも・・見事に自然である

高台周りに見える土味は極めて滑らかで
すっきり切られた高台脇に・・印が押されているが
字画の多い文字もしっかりと読める
絶秒のタイミングで押されたに違いない

作為の無作為・・無作為の作為
いずれにせよ・・たかが湯呑みと思う勿れ
作者の言葉によれば
「この土よく暴れる土で扱い難いし
釉も月白・・一筋縄ではゆきません」
無作為に向かって・・作為はどこまでもその足跡を消す
そこに残っているものは・・自然な静謐であり
品格とはかくあるべしの佇まいなのである

この湯呑みを手にするのは・・私にとって
ただ茶を喫するためではない
遥かなる憧憬の世界に
一路の筋を求める仕種なのだと思う
だからこれに限って・・まだ一度も使っていない


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2001年 第16回日本陶芸展の図録
私の初出品が初入選を果たした年だった

このとき会場で・・初めて見たのが
福島善三さんの・・鉄釉掛分鉢で
痺れるほどに感動したのを覚えている


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遅ればせながら・・今朝
福島さんが人間国宝に認定されたのを知った
少しも驚きはしない
作品同様・・来るべきものが
とても静かに・・来るべき名工に来たのだ
こころからお祝いの気持ちで一杯である

福島善三さんのことについては
2015年11月3日のこのブログで
その時・・工房にお邪魔した話しを書いた
リンクしようとしたが上手くゆかない・・お手数だが
日付のインデックスで引いていただけたらである




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個展最終日が終わった翌日から
追加注文の制作にかかって早や一ヵ月
ここでも「歳月人を待たず」・・です

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夜明けから日没までの・・工房は
今では日没から先・・深夜まで
必死に糸を貼りまくっております

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ロクロを挽いては・・乾燥の頃合いをみて
削ったり・・素焼きしたり
複雑に入り組む作業の流れを整理しながら
出来るだけ効率よく進めるようにしているのですが
何しろ劣化しつつある脳細胞のせいで
「今どこらへん?」
年中居場所を見失っています

追作は・・お客様の識別カードをつけて
会場で伺ったご希望を思い出しながら作りますが
窯に入れる直前に・・カードを外します
焼きあがったらまたカードをつけてですから
結構記憶力がいるので・・そこが問題なのです

大分進んではきましたが
もう少しお待ちいただけますよう
ここでもお願いしちゃうことにします


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この浅さ目の多面鉢・・追作で作ったのですが
気に入らないところがあって・・再追作にしました
古い友人ですので・・事情は電話でお許しを願うことにします

そこで妻に渡し・・自宅で使って
その使い勝手を調べることにしました


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この鉢と逆に
口縁部が茄子紺の紋様で・・見込みに白
その方が・・普通かもしれませんが
盛りつけてみれば・・これもあり
サラダを食べ終えると・・紋様がみえてきます
陶工は・・シャイなのです(笑)




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いつものように・・外が明るくなるまで
工房ではテレビを点ける
余り静かすぎると集中しにくいからだ

何やら食べ歩き番組だろうか
レポーターが妙な食べ物の感想を話していた
そのやりとりは・・こうだ

「微妙な味ですね」・・表情も怪訝そうな女性レポータに
「そんなこと言わないでくださいよ・・人気メニューなんですから」
とご店主の女性の・・不満顔

この手の番組では珍しい展開だ
どんなもの食べても・・「美味しい!」が定番
「そんなに何でもかんでも美味しいわけないだろ?」
と思っても・・タダで取材してりゃ不味いとは言えないもんだ

いつだったか
「だとしたら・・不味いときはどう言えばいいの?」
あるレポーターが・・裏話を話した
「そういうときはね・・」
「好きなひとには・・たまらん味でしょうね!」
けだし名言である
微妙さが実に上手く表現されてる

この微妙はともかく・・食レポ番組の
レポーターたちをみてると・・一口食べて
途端にびっくり顔をしながら言うのは
判で押したみたいに・・「美味しい~っ!」だ
たまにつけ足しゃ・・「甘い」か「いい香り」
それ以外のセリフを聞いたことがない
「もっと勉強したらど~ぅお!」

何かに例える・・何かと比べる
あれが入ってる?・・これが効いてる?
そう言えばあの人が・・これ絶品って随筆で褒めてたっけ
色々な切り口で・・料理を評価する力がないと
見てる視聴者に向かっては・・説得力がない

そうした意味では
「微妙な味ですね」は・・稀な正直で好し良しだった
こうした視点で言えば
今は亡き俳優・・渡辺文雄さんは
抜群の食レポーターでもあった

滅多なことじゃ・・「美味しい」を言わずに
美味しさを言い尽くしていた
「食いしん坊万歳」などが懐かしい
古き良き時代の東大生
該博な知識だけでなく・・相当な食道楽で
夫人が赤坂の料亭口悦の女将だと知ったとき
むべなるかな・・だった

束の間の話題で・・ちと行列ができた店に
美味しいしか言えない未熟なレポーターを送り込み
それでもグルメ番組だなんて言ってると
視聴者も気の毒だが・・店だって可哀そうだ
三日もすれば・・テレビ人気で来た客は遠のく

世の中が不景気なとき
テレビは・・旅と料理と寄席でもつ
私が携わっていたころも・・同じことが言われた
安直に制作できるからが・・理由だった

総理大臣が幾ら壁を糊塗しても
テレビ番組を見てりゃ
アベノミクスの来し方もしっかと写っているもんだ
やたら食レポ番組が目立つじゃないか

どんな仕事でも
安直で一世を風靡できた歴史はない
本物が尊ばれる社会
景気が良くないからこそ・・本気でやれだ

そんなことを考えさせられた朝だった



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医師だった親父に連れられて
聖路加病院で心臓内科を受診したのは
私が27歳・・1969年のことだった

北太平洋上の機内で心臓発作を起こし
アラスカのアンカレッジで一ヵ月も入院し・・挙句に
パリでの取材を断念して帰国したが
予後が思わしくなくて
亡父に専門医の受診を勧められてのことだった

その外来ブースでお目にかかったのが
日野原重明先生だった

「君の病名は・・心臓神経症ってやつで
今アメリカでも課題になってるほど多いんだよ
治すには運動がいい
恐がらずにスポーツしてごらん」

それが始まりで
暫らく聖路加病院に通院し
大分時間がかかったが
どうにか神経症から脱出できた

今朝のニュースで・・日野原先生の訃報を知った
1911年生まれ・・105歳の天寿
死んだ親父は1912年の生まれだったから
生きてれば104歳かぁ・・と思いながら
半世紀も前の・・あの受診の日を思い出していた

この聖路加病院に通院していた時のこと
もうひとつ忘れられないエピソードがある
旧屋時代の聖路加病院の待合のベンチが
思いがけないほど質素な木製だったことだ

何かの折りに・・看護職員に
その意外さに触れて訊ねたら

「お尻が痛くなるほど・・
この病院は患者さんを待たせませんよ!」
と云って笑った

この言葉は・・ずっと後まで頭に残った
長い心臓神経症の後遺症から逃れ
40歳を過ぎたころ・・病院新設事業に誘われ
初代の事務長に就任したが
什器備品を買い揃える仕事の度に
あの言葉を思い出したのだ

病院の居住性は贅沢な家具調度ではない
一時も早く診療を受け・・手続きを済ませて
病院を出る・・それが一番の快適なのだ

フカフカの待合椅子に大きなテレビ
診療や調剤の順番を知らせる告知板
それらは・・待つ苦痛を和らげる仕掛けでしかない

30数年も前の・・あの開院のころ
いち早くコンピューターを導入し
ドクターに専従のPCセクレタリーをつけて
同時進行で調剤・会計の業務を進行させたのも
患者を待たすな!・・あの聖路加病院の木製ベンチが
教えてくれたことだった

この世の中には・・敢えて硬いベンチを置き
その上で何が一番大事なのかを考えないと
本質を外れた方向違いの過剰サービスに
うつつを抜かすことになると・・知るべきなのだ

言うまでもなく
日野原先生は長生きだけのドクターではなかった
聖路加病院の根本に流れる医のヒューマニズム
忘れてはならないことだと・・思う



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日本橋三越本店のお隣りに
三井記念美術館がある
ここに開館してそう長い歳月ではないが
収蔵してる美術工芸品は・・歴史的である
三井家の歴代が蒐集したコレクションは
ここに安住を得て
後世の我々を楽しませてくれているわけだ


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日曜日の朝・・既に開館待ちの鑑賞者が並んだ
昨日から・・新しい企画展が始まっている


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夏の日の地獄絵ワンダーランド
猛暑に似つかわしい企画
いきなり水木ひろしさんの
地獄めぐりの原画が出迎えてたが
ファンにはこれだけでも垂涎の企画かもだ

眼鏡が合わなくて・・やや照明の暗い会場で
軸物の地獄図を克明に見るのは難しい
改めて目の手入を急がねばと思いつつ
閻魔大王の顔は・・しっかと覚えてきた
遠からず三途の道を歩く羽目になったら
是非ともお目にかからずに済ませたいものだ


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この美術館を久しぶりに訪ねた理由は
もうひとつある
ここのミュージアム・ショップを訪ねることだ

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昨日の初日から
ここで私の小品が展示販売されている
オファーをいただいて10日
個展追作の作業の中に混ぜ・・大急ぎで焼いた
お目にとめて頂いたご縁に多謝である

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担当の女性ともご挨拶し
作品を通して・・また一期一会が生まれた
新しい舞台を与えられた作品が
多くの来客の目にどう映るか
それも試金石なのである


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このショップで
「森川如春庵の世界」を見つけ・・購入した

特別の意味があって買ったのだが
それは長い話・・別項でにしよう



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今朝は・・夜明けに工房に入り
朝飯前に・・那須紺の顔料を調整したが
いつも何気なく使ってる・・このフィルター
たまにはスポットを当ててあげることにした

ホームセンターの塗装品売り場で買ったものだ
簡易濾過フィルター・・多分一枚数十円のもの
だから・・ついでの時にまとめ買いしてある

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大量に釉掛けするなら別だが
少量・小物であれば・・このフィルターが便利

小さな湯呑みやぐい吞みなら
このメジャーカップのままでも掛けられる
少量の釉薬を濾過するには
後片付けも簡単な・・こいつが便利なのだ


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オリベの併せ流し掛けだって
このまま流せばいい


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もしも・・もう少し大目に濾したければ
このソフトバスケットが・・重宝である
これは確か・・百均で買った


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このソフトバスケット
何が好いって・・文字通り柔らかい
使ってるときはバケツでも
釉薬を戻そうとしたら
自在に口の細さを変えられる
だから
 狭い口のボトルにだって・・楽々と戻せる
これも実に有り難い便利グッヅなのである

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そのせいもあって・・この伝統的な濾し網
滅多に出番がない
埃だらけだったので・・洗ったが
名実ともにどうやら「壁の花」なのである

大甕に大量の釉で
次から次へとズブ掛けする陶芸とは
すっかり疎遠になってしまった

一日に5~6個作れば終わってしまう昨今
時代もさることながら
たった自分ひとりの作風でさえ
いつの間にか・・大きく様変わりしてる

少し老いてだろうか
世の中の時の流れの早さを
しみじみ感じるのである




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個展を済ませてから一ヵ月
追作に追われる日々は・・まだ続いています
空調の整った工房で
じっと一日を過ごしていれば暑さとも無縁
僅かな閉塞感はあるものの
贅沢を言えるものではありません
ただただひたすらに糸を貼り続けています

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ロクロを挽いたり・・それを削ったりは
大した手間ではありませんが
この糸貼りは
幾ら慣れても・・やはり相当な時間が必要で
ともかく・・身動きせずに続けるしかありません

天気に左右されることもあって
湿度の多い日・・空気が乾燥してる日
作業の感触には・・微妙な違いがあります

貼ってる傍から剥離する日など
気温の暑さより・・空気の乾燥を恨みます
だからといって器面に水分を含ませれば
こんどは糸が滑って貼りつかなくなったりもします

決してイライラせずに
その日の加減を感じ取って
合わせるようにするしかありません

そんなことをしていて
段々にリズムが生まれてくると
どうやら・・糸は言うことを聞いてくれるのです
「やったぁ~!・・どじゃ?」

他愛ないことですが
こんなことにでも・・本気でないと
思い通りにならないのを
しばしば思い知らされながら
時間だけは・・さっさと遠のいてゆきます

全ての作品を・・総てのお客様にお届けするまで
もう暫らく・・独在工房の日々が続きます



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先月・・個展が終った直後に
75歳の誕生日が通り過ぎていった
一瀉千里のごとく・・時は流れるが
だからといって
仕事は・・一瀉千里に走ってはくれない

今年になって半年
その殆どを工房に籠って暮らしてきたが
個展の追作を終えるまで
緊張を緩めるわけにはゆかず
依然として夜明けから日没までと
更に・・30分のマッサージを受けてから
残業と称して・・10時くらいまでは工房である


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昭和17年生まれの・・75歳
身長183センチ(多分少し縮まっている)
体重78キロ(少し増えてる)
肺活量5.000cc(昔は6.000cc超だった)
握力50キロ(昔は60キロ強だった)

ついこの間まで
25㍍のプールなら・・潜ったまま泳げたし
結構大きな皿でも鉢でも
高台を摑んだまま釉瓶でずぶ掛けもしていた

大して威張るほどのことじゃないが
要するに図体がでかいというだけでの
幾つかの利点を重宝してたってこと
それが
それこそ一瀉千里に衰えてゆく様は
いささかめげるものがある

かかりつけの主治医の言によれば
目下・・命に係わる動力系の病はなさそう

どんなに緊張しても
ストレス性腸症候群にはなっても
食欲不振になったことはないし
不眠で悩んだことも・・75年一度もなしだ
そこら辺は・・真に頑丈にできてる

しかし・・一方で
躯体系の仕掛けは・・かなりボロボロだ
両肩の肩腱板は断裂したままで
それでもイテテッ!とわめきながら
両手を掲げて棚板の上げ下げもしてるが
左足は・・他人に気づかれるほどに不自由
前屈しても・・指先は膝までしか届かないし
正座は勿論・・胡坐さえかけなくなった
だから
畳に寝ることと・・落ちたものを拾うのが大嫌いだ
それでいて・・よくものが落ちる
誰もいない工房のときは
何処かの女性代議士のごとく
わめき散らしながら・・必死で拾ってる


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体の劣化は・・まだ仕方ないと受け入れてるが
頭の劣化には・・かなり怯えている

直感的に不安になるのは
全体をまとめる力が衰えてきたことだ
ひとつの仕事を・・企画して計画をたて
作業の進行をチェックしながらまとめ
きちんとした結果に落ち着かせる

それが仕事の殆どというような人生だったから
これの劣化は・・一段と厳しく自分に迫るのだ

若いころと比べてみても意味ないが
「たったこれだけで・・こうも手間取るのか?」
ついつい比較してみじめになってるようだ
そして・・当然の帰結のごとく
疲れを感じる日々になってきた

妻も言うが
「疲れたとかだるいって・・言ったことないのに」
今ではしきりに口にする・・確かにそうだ

目が覚めて
「今日はどうして過ごそうか・・あそこに行ってみるか
それともじっとしてるか?」
そんな朝に・・微かな憧れを感じる

老いが・・段々それらしくなる
それが・・一番の「老い」なのかもしれない



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一番上の一本を貼って
「糸抜き波状紋皿」の加飾が始まる
最初の一本が水平線で
その上は・・更に細い糸で空を作る

そして
一番下の一本を下端まで貼れば・・終る
下絵は描かないから・・どんな海になるのか
その日の気分次第である

この紋様が・・糸抜き技法では
私の「一丁目一番地」
そのせいもあってだと思うが
尺皿の波状紋・・三枚ほど追加依頼があった


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昨日の午後から
久しぶりに一丁目一番地に立ち
夕食までに貼り終えた

波は1.0㍉・・空は0.5㍉で貼った
素焼きした皿の器肌には
決して強いとは言えない糸の接着力
力で引っ張ると・・貼ってる傍から剥がれる

軽く持ってワルツを踊るかのようなリズム
そこら辺が秘訣のようだ
10数年繰り返してきたが
上手く貼れたり・・貼れなかったり
その都度
皿と糸に嘆願・懇願しながらだった

この皿一枚分
ステンシルシートにしてペッタン出来上がり
そんな具合にいかないだろか?



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昨日もこんなことをしながら
一日を工房で過ごしていましたが
聞くともなく聞く報道の
限りなく規範なき社会のうごめきに
いささか怯えもします

独創や個性や自由が尊ばれ
手垢に塗れた常識にこだわる勿れ
理解できなくもないのですが
昨今の世情は・・いささか度外れな気がします

自衛隊を背負って選挙しちゃう防衛大臣もさることながら
「こんな人達に負けるわけにはゆきません!」
政敵野党議員に向かってではなく
批判する自由をもった国民の一部に向かって
「こんな人達」・・そう言い放つ総理大臣
使える言葉さえ見失う動揺が見え
これはもう埒外の暴言としか言えません

社会的に・・然るべき立場のひとが
然るべき常識や規範に基づいて物言わぬと
世の中に秩序は失われ
憲法が保証する安心して暮らせる社会は
どんどん遠のいてしまいます

いつの時代でも
政治家に最大の命題は
「堅実』と「斬新」を矛盾なく
世の中に混在させる知恵を生み出すこと

例えば
斬新な政策を・・時間をかけて丁寧に説明し
ゆっくり理解を促す堅実
これだって混在のひとつでしょう

「おだやかだが・・のびのびとした」世間
平たく言えば・・そういうことだと
思うのだが



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