<   2017年 05月 ( 17 )   > この月の画像一覧

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かれこれ半年を越え・・夜明けから日暮れまで
一日中工房に籠って暮らす日々が続いた

毎朝・・工房に入って最初にする仕種は
意外にも・・テレビのスウィッチだ
別に見たいわけじゃないが
世間と隔絶された時間の中で
多少なりとも世情と耳でつながる
それに・・夜明け前の暗がりは
静かすぎても・・少々不気味
音だけのためのテレビみたいなもんだ
だから
ドラマとかドキュメンタリーは不向き
目が画面に惹きつけられても困る
筋書なしで・・聞くともなくがいい
そんなわけで
極めて大雑把な情報番組を点けっぱなしにしてる

横綱白鵬が優勝した翌朝だったろうか
部屋でメディアに話すのが聞こえた

「優勝したの一年ぶり・・懐かしかったなあ~!」
横綱はそう言った

久しぶりに・・競技者が自分の言葉で
自分の思いを話してるのを聞いた
これがいい・・これでいい!
そう感じた

近頃・・色々なアスリートたちが
優勝会見などで喋るのを聞くと
まるで挨拶用例集の決まり文句みたいなのが多い
みんな優等生である

「支えてくれた人々のお陰で勝てたから
 将来は・・子供たちが憧れるような選手になって
更に次のメダルを目指して頑張るので
これからも応援よろしくお願いします」

優等生が悪いわけじゃないが
自分のことばで自分を話す個性を大事にしてほしい
北島康介の・・「チョーきもちいい」も
長崎恭子の「今まで生きてきたなかで・・」も
用例集には見かけない・・
だから・・心に残るのだ

「懐かしい」
たった一年前のことが懐かしいのは
それまでに37回も優勝してきたからだ

優勝が当たり前だった横綱の・・勝てない一年は
生涯二度だけの優勝力士が
最初の優勝を思い出すときの一年とは違うし
まして
一度も優勝できない力士が圧倒的な世界であれば
懐かしさなど無縁な言葉でしかない

白鵬だけが知る「懐かしさ」の意味が
じわっと伝わってきて
自分の言葉の強さを感じたのだった

勝てなかった一年が・・途方もなく長かったこと
きっと人生には・・そうしたことがある
それをどう受けとめて・・新たに生きてゆくか
人それぞれだが
タイガー・ウッズは・・今どう思っているのだろう?

このドアーの向こうに
個展のために準備した作品の全てがある
5年前の個展を懐かしむ余裕などないが
正直に自分の言葉で・・書くなら

「陶芸に飽きちゃったかも・・」
そんな気分になるほど没頭したのに
それでいて
決して十分な満足を得ているわけじゃない

「足りないものは‥いつまでたっても
やはり‥足りないままだ」

これも正直な自分の言葉なのである



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ほぼ出揃った作品を
数えて洗って整理して
いよいよ・・まとめにかかった
総数は200個近いが
これから吟味して半分程に減らすつもり

傷や汚れを観察して判定してゆく
気をつけていても・・見逃す
茄子紺は・・焼くまでは淡いので
うっかりしてしまうのだ

このカップ&ソーサー
別々に作ったものだが・・合わせて使えそうだ
大き目のカップに・・同じく大き目のソーサー
やや威張ってる風でもあり
じゃ・・吾輩をもじって吾杯と名づけようか


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マグサイズカップでハンドルなし
だから・・珈琲でも茶でもいい
ビールや酒でも使えそうだ
ソーサーも大きいから
ケーキ皿にも・・酒肴皿にもなる
吾輩は・・吾杯でアール!
お客様の好みで組み合わせてもらうことにしよう

明日も・・引き続き整理して
データーを起こしてゆく予定
搬入のための車の手配もついて
手伝ってもらえることになった

とうとうあと1週間である
そろそろ俎板の上に乗ることにするか



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この展覧会のコンセプトは
とてもユニークだと思っています

出品できるのは日本工芸会正会員だけなので
俗称「正会員展」と云ってますが
その趣旨は・・権威的な意味ではありません

本選の日本伝統工芸展では
正会員といえども
鑑審査にアドバンテージがあるわけでなく
応募者全員横並びで凌ぎを削り
通ったり通らなかったりします

その厳しさは・・ずっと続きますが
難関の正会員に認定されると
思い切り自分らしい試みに挑むことを求められ
その意欲を買って・・選外なしで展示されます

更にユニークなのは
選外はないけど・・受賞はありで
しかも・・この展覧会での受賞は
工芸会の内部での評価ポイントが高いのです

つまり正会員になって怠けず
一段と研究に努める者を評価するという
将来への展望が用意されているわけです

本選とは違った技法・モチーフを駆使し
新しい方向を模索する試作が生きるのも
この展覧会のお陰でもあるわけです

本選4回入選が・・正会員資格ですが
難関突破の苦労には・・それなりの意味があった
毎年出品しながら・・そう思っています

今・・日本橋三越本店で開催中です
昨日・・見ました
サイズ制限があっての応募なので
やや小ぶりが・・また別の魅力を醸し
大作の多い本選と違って
なお求め易い価格設定にもつながるようです

そのせいか・・売却の赤ポチも結構あって
やはり嬉しいものです
小さい声で書けば・・私の作品も赤ポチでした
どなたか存じませんが・・多謝です



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昨日は明け方から・・個展用最後の窯焚き
泣いても笑っても・・ここで時間切れである
しっかりと窯番をしながら・・でも
向かい合わせの大物用ロクロに
この土を乗せた

今年は・・もしかしたら間に合わない
そんな気もしていた「第64回日本伝統工芸展」
まだ応募要項が送られてきてないが
工芸会のHPで読む限り・・ぎりぎり間に合いそうだ

なら・・挑戦を諦めるのは早い
突然・・そう決めて
大鉢を挽く気になったのだった
とはいえ
朝飯前にしては・・決して朝飯前じゃない
楽な筈もなく・・力仕事で息があがった
嫌でも筋力の低下を実感させられる
いつまで挽けるんだろう?


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やってみようと思うモチーフは
皿よりも鉢の方が似合いそうで
少し径を減らして・・深さに使った
50㌢ほどの鉢になった

二の矢に・・もう一枚
今日明日にでも挽いておかねば
朝飯を食べてから・・そう決めた
次は・・食後にしよう





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いつものように・・玄関を出て数歩
工房の鍵を開けながら
何となく見上げた東の空に
月に寄り添って・・明けの明星が輝いていた
一昨日の朝のこと

金星はヴィーナス・・美の神さまで
芸術の擁護者である

個展準備として最後の窯に
火を入れようとしている私には
願わくばご加護を・・である


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昨日・・どうやら窯詰めも済んで
今朝の4時半には火を入れた
無事に焼きあがってほしいものである

明後日からは
焼きあがりを待って・・全ての作品を検品し
舞台に並べるキャスティングを決め
研磨などをして見栄えを図り
更に・・サイズを記録して写真に撮る

6月4日の初日前日・・柿傳ギャラリーに搬入して
6月5日から11日までの一週間
新宿通いが・・始まることになる

今朝も夜明けに工房に入ったが
東の空に・・明けの明星は見えなかった

もっとも・・神頼みでは済まない世界
先ずは人事を尽くして・・である




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さしづめ柔道の試合なら
「ハイ!・・そこまでぇ~っ!」
時間切れで試合終了である

明後日を目論む最後の窯で
久しぶりの個展の準備は終わる


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1年半の準備期間は・・あっという間だった
だから・・これを繰り返せば
それこそあという間に・・寿命が尽きそうだ


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今朝から尺皿2枚に糸を貼って
白化粧を吹いた・・最後は
私のアイデンティティー
「糸抜き波状紋皿」に収斂させたのだ


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10数年で・・何枚貼ったろう
一番厄介だが・・一番手慣れた紋様である

これを手がけたために
それ以前とそれ以降・・作風は明らかに変わった
エイヤッ!で挽いていた乱暴なロクロも
息を詰めて丁寧に挽くし
破綻のないシルエットを削りだし
滑らかに糸を走らせもする

ことによると
作風は・・私の意志そのものではなく
追いかけたものの残像なのかもしれない
否応なしについてくる影が
やがて私の行方を決めてしまうのだ

こんな筈ではなかった・・と思いながら
それでも・・これでいいとも言える
きれいなシュプールは・・きれいな斜面が生む
糸を貼りながら・・いつもそう感じるのだ


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ここら辺を窯に詰めて・・準備の全てが終わる
1年半に見合う成果が・・形になるだろうか
自信など到底ないが
長くて短い歳月は・・まもなく終るのだ



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私の地元・・松戸の伊勢丹の中に
「みつや」さんという甘美屋さんがある
この店のオーナーは・・古い友人である

全国ブランドの『玉三白玉粉」を作る会社が親会社
将軍家光のころの創業・・老舗中のしにせである
オーナーは・・この会社の社長というわけで
自社の製品で・・私の好物あんみつなどを
食べさせてくれる・・それがみつやさんなのだ

数年前から
このお店の一角に・・私の作品が置いてある
季節ごとに・・模様替えをしながら
甘美を楽しむお客様に・・ご覧いただいてる

きっかけは・・オーナー社長に出会った折り
この時代物の和ダンスの上を
やきもので飾れないかな?
そう申し出があったからで
私の作品を見ていただく機会でもあり
早速・・持参して展示したのが始まりだった


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このところ・・個展の準備で慌ただしくて
終わったら・・模様替えするつもりを伝え
DMを持参して・・久しぶりに訪ねた

このシリーズは
今回の個展では使っていない
桜を思わせる風情の淡彩器
いつの間にか・・春は通り過ぎた


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これはこれで
別の機会に・・色々作ってみたい

写真を撮り忘れたが
饂飩とあん蜜のランチをいただいて
あと2週間後の初日のために
最後の窯を焚く準備に戻ることにした



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試合の決まったボクサーなら・・誰でも
3ラウンド・ノックアウトで決めたい
そう願って・・練習に没頭する

拮抗した力なら・・勝つだけでも大変だ
ましてKOとなれば
その練習は並みで済むはずもない
それを承知で突っ込むのは・・苦しい試合を
少しでも楽に勝ちたいからだ

長い時間を走って跳ねて打っ・・だけど
試合の10日も前に仕上がって
温泉で英気を養ったって話は・・聞いたことない
ぎりぎりまで体を絞ってパンチを磨く
リングに上がる直前まで・・緊張は解かない
試合ってそういうものなのだ

万全という言葉は知っていても
これが万全と確信した者などいない
瀬戸際まで自分を追い込んで
試合開始のゴングで・・自分を解く

「練習に比べたら・・試合のほうが遥かに楽だ」
あるボクサーが・・そう言うのを聞いた

あとひと窯焚きたくて
ラストスパーリングに息を詰めている
流石に苦しくなってきてるが
このひと窯がもたらすものが
結構大きいってことは
きっと誰でも同じなんだろうな



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あれは・・60年代の終い頃だったかもしれない
真夏の暑い日のゴルフ場だった
その日は・・翌日からの試合に備えた練習日

当時の女子プロがそれぞれに組んでラウンドしてた
今となっては懐かしい一期生たち
記録によれば・・40人ほどが一期生とある

猛暑だったせいもあるし
練習は試合と違って・・念入りにチェックする
だから流れが悪くて・・ティーグラウンドで
時間待ちするパーティーもあった

ベンチに座ってぼんやりする者
仲間とのお喋りに夢中だったり
日陰を捜して涼む者
思い思いに楽を決め込んでいた

その中のひとりが
水道の蛇口に手を当て・・水に勢いをつけて
長いこと辺りに散水していた
黙々として撒きながら
目につくと・・枯れた芝を摘まんでみたり
陽ざしを避ける様子もなかった

カメラマンと一緒にそこに居た私は
「暑いだろ・・休めばいいのに」と声をかけた

目線は芝に向けたまま
「この暑さじゃ芝も大変・・届くとこは
少しでも撒いてやれば元気になるかもね
私たちには大事な大事な芝だもん」
蛇口から離れずに・・彼女はそう言った

そこにいたのはみんなプロたち
毎日ゴルフをして・・俗に言えば
そこで飯を食ってるわけだが
芝に食わせてもらっていると
自覚する者は・・当時でも
そうは多くなかったのかもしれない

手入れは・・専門のキーパーの仕事
私たちはプレイヤーだから
打つことに専念すればいい
確かに・・それで悪いわけじゃない

優勝して喝采してくれるのは
ギャラリーであって・・芝や木ではない
だがそれでも
この時の彼女が誰で?
その後どうなったか?・・を知ると
自分たちは何で飯を食ってるか?
その中に・・芝があることを
やはり放ってはおけない気がする

日曜日にいつものように
テレビを聞きながら仕事していた
珍しくゴルフの番組で
往年の名手・・樋口久子さんが解説していた

声を聞くだけで・・誰だか判る
あの日の水まきは・・若き日の彼女だった
僅かにトーンは低くなったようだが
語り口の声質は・・少しも変わっていない

圧倒的な強さを見せた当時の樋口久子さんのゴルフ
もしかしたら
ギャラリーにだけでなく
ファンにだけでなく
芝にも愛された彼女の生き方のせい
それもあったんじゃなかろうか

何処で?・・何で?
自分がよって立つ基盤を
しっかりと自覚することが
プロの第一歩だと
彼女は教えてくれたのだった



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見開き裏表の・・大判DM
昨日の午後・・届きました


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願った通りの写真になりました
無地のように見えて・・それでいて
寄れば糸の紋様が・・浮かびあがる黑の器
茶の器は・・このシリーズが軸です


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一方で
食の器は・・茄子紺で染めました
昔からの麦藁手を主に
その変化を糸で貼りながら
現代に生きる器になってほしいと願っています



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6月5日から一週間
全日・終日・・在廊しますので
どうぞ声をかけてください
お目にかかれる機会を楽しみに
お待ちしております



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