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桃青窯696

touseigama.exblog.jp

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

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「結構頑張って長生きの桃次郎だから
これからは・・何でも好きなものを食べて
美味しいなっ!・・って暮らせばいいよ」

彼にとってはパトロンであり主治医でもある娘の意向で
それまでのドッグフードにこだわらず
家族の食事の分け前をもらって
嬉しそうに食べるようになった

やがて・・ダイニングのこの部屋が
彼のお気に入りの場所になった
自分専用の食事を後回しにして
家族の足元をウロウロしながら
おこぼれを催促するのだった

ヨーグルトや珈琲ミルクを舐めるのが大好き
フルーツも好きだった
嬉々としてパクつく姿が目に浮かぶ


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昨日・・荼毘にふして
お骨になった彼の居場所を・・ここにした
私が作った骨壺が・・終の棲家である
互いに・・少し慣れるまで
しばらくは・・みんな一緒がいい
地に戻るなら・・それからにしよう


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夕方からの外出までの間
昨日挽いた筒茶碗を・・粗削りした

誰にも・・「生きていてこそ」はある
桃次郎にだってあって
溢れるほどに癒してくれた

ものづくりが・・物を作る
それも・・生きていてこそである




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by touseigama696 | 2016-10-31 01:48 | ●愛しきものよ・・ | Comments(4)
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さすがに・・寂しさのつのる一日
時々・・身じろぎもしない桃次郎の
冷たい頬を撫でてみたり
名残りを惜しみながら
明日・・荼毘にふすことに決め
いつものように工房で過ごした


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考えてみれば
16年つきあってきたが
人間と犬の間に・・言葉の会話は一度もない
「ワン!」と「キャン!」と「ウゥ~!」だけで
それでも・・間違いなく家族同様の
強い絆は生まれていた

できるだけ・・犬らしく暮らせるよう
行き過ぎた擬人化のライフスタイルは避けたが
そうした全てを受け入れて
家族の手の中で過ごした一生だった

旧居時代・・ベランダに扉はなく
若いころの元気なら・・脱走だってできたのに
まるでエアードアがあるかのように
決してそこから一歩もでなかった

それだけの知能と言ってしまえばそれまでだが
しかし・・誠実とか忠実とかなら
どんな言葉より説得力があった


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一度だけ
散歩の途中でリードを手放してしまい
勢いよく走り去ったことがあって
慌てて自転車に乗り換えて・・探したが
自由奔放な走りにはついてゆけず
もしかしたら・・そのまま
県道の車にはねられたかもと
不安に駆られたころ・・
後ろから私を追い越して走り去る桃次郎が
まるで・・からかうように
我が家の玄関に飛び込むのを見て
笑ったことを思い出す

散歩の都度・・おしっこをかけて
マーキングしてたのは・・この日のためだよ
言葉にすれば・・そんなこと
決して裏切ったりはしなかった


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言葉はひとつもなかったのに
エピソードは沢山ある・・だから
思い出も沢山ある

桃次郎の骨は
私が作った骨壺に入れよう
そして・・桃次郎の思い出は
我々家族の胸に
深くしまっておこうと思う

夕方まで仕事を続けた・・そして片づけて
妻の部屋の桃次郎を覗いたら
朝のまま・・眠るがごとくだった




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by touseigama696 | 2016-10-30 08:29 | ●愛しきものよ・・ | Comments(10)
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元気なころは・・
こうしてじっと抱かれてるような
おとなしい桃次郎ではなかったが
昨日の朝食後・・膝の上に抱いたら
こんな具合に・・体を預けてきた

身じろぎもせず
力の抜けた体は・・温かいが
力なく・・弱々しかった

そして・・いつものように
妻と交代しながら・・様子を見ていたが
午前1時半ころ・・「ちょっと来て!」
妻の部屋からコールがきた

「ついさっきまで・・呼吸音がしてたのに
おしっこの始末してる間かもしれない・・」

まだ温かいが・・鼓動は止まっていた
ずっと目を離さずにきたつもりでも
桃次郎には桃次郎の矜持がある
僅かな時を選んで・・独りで逝った

16歳半の・・生涯は終わった
無駄吠えもせず・・朝晩の散歩道で
近所の子どもたちが撫でてくれば
嫌がりもせずされるがままだったし
野良の猫だったミーに
自分の小屋を取られても・・そっと
遠くから見てるだけの優しい桃だった

我が家の愛猫・愛犬の歴史は
桃次郎で終わりだ
この写真が・・最後の思い出
「いろいろ・・ありがとね!」


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我が家に来た日の・・桃次郎
まるで・・豆たぬきみたいだった

乗せた膝から降りられなくて
おずおずと後ずさりしてたのに・・
膝の上で始まり・・膝の上で終わった




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by touseigama696 | 2016-10-29 04:20 | ●愛しきものよ・・ | Comments(6)

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制作メモに書いておいた
新柄を貼ってみました

イメージ的には・・小さな滝の流れ
何本かか交差して・・散ってゆきます


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貼り終えたら・・
白化粧泥を・・霧吹きで吹きつけます
むらが出ないように
吹きつける場所と回数を同じにします

今回は間違えずに
内側の釉掛けは・・既に済ませてあります


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養生テープを剥がして
黒の顔料を筆で塗り
最後に・・糸を剥がします


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裏面は・・こんな感じ
面を変えれば・・景色も変わり
雰囲気が・・違ってきます



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by touseigama696 | 2016-10-28 06:35 | ●工房便り | Comments(0)
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昨日の続きで・・糸を貼り
この上に・・下地の化粧泥を吹きつけます
混色の効果を期待するのと
筆跡を残さないためです

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筆差しで彩色し・・糸を外そうとして
段取りのミスに気がつきました

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内側の釉掛けを・・忘れていたのです
ルーチンは
マスキングの段階でしておくべきことで
そうでないと・・彩色し終えた
外側を汚してしまう恐れがあるのです
やむなく防御して・・ジョウロで釉を入れました


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養生テープを剥がして・・黒を塗り
最後に・・模様の糸を外して完了


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こんな感じの花入れですが
余り大きな壺ではないので
ちょっと派手でも・・大丈夫かな?

焼くと・・下地色と混色して
もっとくすんだ色になるはず
採用・不採用は・・それを見てからにしよう

気に入らなければ・・不採用だけど
その割には・・時間と手間がかかるから
できれば・・無事にと願うばかり

百個の重圧が・・使ってる時間の中で
段々重くのしかかってくる時期です



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by touseigama696 | 2016-10-27 05:21 | ●工房便り | Comments(4)
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昨日も・・独っきりで
↑↓こんなことしながら
静かな工房での一日は終わった
それはそれで・・私には好いことだが
してることと言い・・過ぎてゆく時間といい
世間とかけ離れた・・ゆるさのようだ

ニュースを見ていると
世界中が得体のしれない・・大きな変化を目にし
戸惑いと不安を感じている
そして
これまた得体の知れない格差の中で
いつの間にかおいてけぼりを食った
我が身を・・何故?と怯えもするのだ


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「勤勉」に働き
「堅実」に生きていさえすれば
資本主義という言葉を知らなくても
穏やかに暮らせた・・かつての社会は

その勤勉と堅実をあざ笑うかのような
形なき「知識」と「情報」が
まるで化学反応のように膨張し
それを自在に扱う巨大資本が
国家さえ凌駕して・・世界中の人々の
ささやかな安寧を奪おうとしてる

今までとは違う!
それは天候だけのことじゃないのだ
政治も経済も
天変地異のように様変わりするから
指導者を選ぶのだって・・混乱の極みのようだ


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人間は・・人間が作ったもので滅びる
もしそうなら・・壮大なパロディーだ
だが・・今感じてる怯えは
それがパロディーではないのかも
そう思えて仕方ないからだ

「長寿社会」・・長生きできる社会
にぎにぎしくお題目にするなら
まずは
この巨大な皮肉と風刺に止めをさしてからだ

どんなに賢くて人間に勝るとも
人間が制御できないものを
人間は持ってはいけない

万物の霊長たる最大の所以は
持たざる勇気・・そんな気がするが

そうだとすると
最も制御できない・・富と権力を持つ者が
一番臆病な人たちかもしれないわけだ
それこそとんでもないパロティーじゃないか

少々の貧乏は・・持たざる勇気!
そう思うことにしよう



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by touseigama696 | 2016-10-26 09:11 | ●工房便り | Comments(2)
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正確な日付を覚えていないが
7~8年前のことだろうか
日本陶芸展でのこと
私が会場にいた・・ある日

覗き込むようにして熱心に
私の作品をご覧になる外国人女性がおられた
ご挨拶のつもりで声をかけたら
流ちょうな日本語が返ってきた

暫らく質問に答えたりした後
名刺を交換すると
それがアーグネス・フスさんだった

ハンガリー生まれで・・故国の
国立美術工芸大学の陶芸科を卒業した後
長野県に築窯しての作家活動の傍ら
県内の大学で教鞭もとっておられた

ひとしきりして・・別れたが
再びお目にかかる日があるか・・定かではなかった
ただ・・第20回日本陶芸展で
彼女が・・二部の自由造形部門で
賞候補になったとき・・私も
一部の伝統部門で・・同じ賞候補に名前がのり
「あぁ・・あの時のフスさんだ」・・と思い出したが
再会までには至らなかった

だから
今回の柿傳ギャラリーでの陶展を知って
是非にもと・・今日お訪ねしたのだった

初対面でないことと・・作品名を伝えたら
彼女も覚えていてくださったようだ
途端に会話も楽になり
彼女の口から関西弁が飛び出して・・笑った

銅版画作家のご主人も同席されていて
暫らくは工芸論に花が咲いたのだった


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このカップと皿を頂いたのだが
「私の陶芸は・・普通の手順とはまるで違うの」
好意で聞かせていただいた手順のことは
許可なしには・・ここには書けない

常識を裏返してしまう・・思考のフライ返し
伺えばなるほどで・・盲点を突かれる思い
実に分りやすく・・勉強になったのである


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この配色と色のさばき
わざとらしさがなく・・とても自然である
肩の力を抜いて・・はこういうことだと思う

「ビアカップに・・つまみの皿にしようかな!」
(私の場合・・ノンアルコールのことだが)
そう言ったら・・フスさん曰く
「いいじゃん!・・いいじゃん!」・・だと

横浜あたりの方言だと思っていたが
調べたら・・長野でも使うらしい
そういう日本語を話す・・端麗なハンガリー女性
それもいいじゃん!・・である


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by touseigama696 | 2016-10-25 07:36 | ●コレクション | Comments(4)
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何をするにしても
滅多なことでは・・一日で終わらないこの仕事
いつでも
今日は・・昨日の続きで
代り映えのしない毎日が続きます

公募展や個展の予定が入れば・・なおのこと
明日が今日に続いて・・作品につながらないと
それこそ困ったことになります
一年なんて・・ほんとあっという間
まばたきしたら半年過ぎた・・みたいな感覚なのです


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先日来の・・続きの仕事
茄子紺の顔料を吹いて・・糸を外せばこうなります
焼かないと茄子紺にはなりませんから
今は・・この雰囲気で
上がりを想像するしかありません

途中経過も・・焼き上がりの状態で見られる
絵画の世界が羨ましいのが・・そこです

今は気づかぬミスを・・窯から出して
初めて気づかされることがないように
ここまできた作品を点検しながら
いつも・・そう思います


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顔料を吹いた後
糸を外し・・マスキングを剥がしますが
糸は・・一本一本ゆっくり真上に外し
バリがでないよう細心の注意を払い

マスキングテープは
隙間から顔料が漏れて汚していないか
見逃しそうな色の似た顔料に・・目を凝らします

こうして写真にすると気づくミス
この数枚にも・・今気づいています
あとで修正しなきゃ・・です


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点検も済んで・・釉掛けを待つだけ
これは・・抹茶碗です



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by touseigama696 | 2016-10-24 02:46 | ●工房便り | Comments(0)
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昨日の花入れの一本
早速・・今日糸を貼りました
出来るだけ細かく間隔を詰めて貼りましたが
終いには・・目がぼっとしてきました

さて・・ちょっとしたクイズですが
この貼り方・・どうすりゃ一周して最後になるまで
同じような垂直線紋で描けるでしょう?

例えば・・ダメな方法は
最初の一本を垂直に貼り
次は・・一本目と平行に貼って
最後まで・・一周する

お分かりでしょうが・・この花入れ
僅かですが真ん中が膨らんでいます

ですから
前の一本に平行に貼り続けると
段々「くの字」になってしまいます
ですから何本も貼らないうちに
垂直線でなくなってしまうのです

ヒントは・・上の写真の下の赤線マークです
円周を四等分でも6等分でも・・適当に分け
その赤マークの上に垂直線で糸を貼る
次は・・大体で大丈夫だけど
二つの赤マークの真ん中を二等分して垂直に
これを次々に繰り返し
いつも二線間を二等分で垂直に貼る

延々とやり続けて・・これ以上は隙間がない
そう思ったらやめればいいのです

肝心なことは
ラグビーボールのような膨らみに
常に垂直に貼る・・ということなのです

俗にいう麦藁手の湯呑みなども
膨らんでいたら・・この原理で
線を筆差しすれば・・全体が同じ線紋になりますよ

参考までに・・でした

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どんな仕上がりにするつもりなのか
コメントでお尋ねがありましたので
一応の予定は・・これです

自作の茄子紺の藍染めの上に
不透明な石灰釉の薄掛けで・・焼きます



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by touseigama696 | 2016-10-23 03:25 | ●工房便り | Comments(2)

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「姿」と「形」・・似た意味だが
どう使い分けるのが適当なんだろう
姿は容姿で・・形は顔
そうとも言えようが・・だからといって
違いの全てだとは思えない

ここでは・・国語的な正確さは棚に上げ
私の気分で仕分ける使い方で言えば

「形」になくて「姿」にあるのが・・有機質
つまり・・命の動きとか温みを感じさせるものとでも
そうなると・・一方で
「形」に強く感じるものは
微塵の揺らぎもずれもない・・極めて規則的な形状
言い換えれば
鉱物的な無機質の冷たさみたいなものだ

ロクロが上手くなりたくて
夢中で稽古してたころ
追っていたのは・・形だったような気がする

十分に殺した土塊をロクロに乗せ
均質にして芯を出し
静止した独楽のように同心で回転する器
それができるようになった時
結構嬉しかった
今でも・・基本はそこだと思う

しかし・・やがて
姿の好いものを作りたい・・そう思い始めた
そして
それが何と難しいことかと
思い知らされることになった

ふと思い出すのは
武原はんさんや・・井上八千代さんの
上方舞での舞姿である

穏やかで動きの少ない所作のひとつひとつが
姿のよい実に綺麗な人形のように見えた
あれは「形」ではない・・生きた「姿」だった


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今密かに願っているものは・・形ではなく姿
極く僅かなずれの中に・・命ある温みを感じさせる「姿」
ユークリッド幾何学では描けない形だからである

ロクロで挽くとき
ほんの一瞬・・止めていた息を緩めて
回転するロクロの上の器に
ノックするような僅かな力を入れたみた

削るときは・・歪みに逆らわず
走る馬の背に尻を合わせる騎手のように
シルエットをなぞってカンナを走らせた

そして
不十分な部位は・・手で削った
おそろしく手間がかかるが
これも・・続けていれば慣れるだろ
そう思うことにしている

この二本の花器
昨日の素焼き窯から出た
少しづつ願いは叶っているような気もする

「端正なルーズフィット」
キャッチフレーズは・・これがいい



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by touseigama696 | 2016-10-22 06:15 | ○陶芸雑感 | Comments(5)