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桃青窯696

touseigama.exblog.jp

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

<   2011年 08月 ( 30 )   > この月の画像一覧

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新しい総理大臣の話は・・泥鰌と金魚だった
分かりやすいといえば・・分かりやすい
今までが今までだったから・・
国民のために・・今度こそ何かしてくれそうだと
期待も広がってるみたいだ
「駅立ちしてたから・・演説は巧い」
コメンテーターもそう言ってた

彼の地盤は・・私の隣り町
その意味でなら・・親しみもないわけじゃない
できれば・・いい総理大臣になってほしいが
ひとつ気になることがある

あるエピソードを思い出すのだが・・
それは・・こうだ

大分前・・私は親友のひとりを亡くした
製造業を営む会社の社長をしてたが
仕事が好きで・・会社が好きで
そして・・社員が好きだった
だから・・社員も彼が好きだった
男っぽくて・・人情に厚かったからだ
そのせいか・・酒も大好きだった
そして・・それが命取りになったかもしれない

ある日・・そこの古い社員さんと話してたら
その社員さんが・・こう言った
「うちの社長・・閑があるとここに来て
一緒に旋盤やフライス盤を回すんですよ
好きなんですね・・おれたちの隣りで・・
おれたちも嬉しいし・・いい社長です・・」

そのとき・・私はこんなことを話したのを覚えている
「・・確かに長いこと・・あんたと一緒にやってきた現場だ
そりゃ楽しいだろさ・・懐かしいだろさ
創業のころを思い出しもするだろうからね

でもさ・・ちょっと違ってやしないだろか
会社として・・更に飛躍しようってんなら
社長は・・ここでのん気にしてられやしない
君らと一緒の時間が嬉しいからって
君みたいな古い社員がさ・・
一緒になって懐かしがってたら
会社の将来は・・危ういかも・・

社長の気持ちは判るけど・・
社長の仕事は・・ここじゃない
ここは俺たちに任せて
お得意さんでも・・銀行でも
社長しかできない仕事してくれよ!

それ言うのが・・
古い社員のあんたの役目だと思うよ」
30年近く前の話だが・・今でも覚えてる

社員の気持ちを束ねて
会社に活気を作るのは
社長の大事な仕事には違いない

だが・・それは社員の傍にべったりすることじゃない
社長が・・社員にできることは任せて
社長にしかできないことを・・上手くこなすことだ
それが・・社長のカリスマだからだ

「この社長についてゆけば・・間違いない」
その信頼なしの・・社長と社員の仲良しクラブは
企業に盤石の基盤にはなり得ない

旋盤は・・社員に任せ
広い未踏の荒野に突き進む信念と勇気
その背中が・・社員にとって
一番頼りになる・・リーダーシップなのだ

泥鰌と金魚の話・・よくわかった
でも・・少々失礼な言い方かもしれないが
日本の総理大臣は・・
泥鰌でも金魚でも・・それじゃ困る
会社なら社員みたいな国民に・・
耳障りが悪くないとしても
お得意さんや銀行・・つまり国際社会は・・
その程度ですか?と言って
失望しかねないことでもある

コンバットのサンダース軍曹は
決して部下を・・死なせない
その卓越した戦略戦術が・・
リーダーに不可欠の資質だ

目の前に・・疲労困憊した国民が沢山いる
サンダースに登場してほしいのだ
戦場の厳しさを十分に理解し
時に強い言葉で・・現実を説明し
どこに向かうべきかを・・示唆すべきなのだ

泥鰌は・・金魚になれない
だが・・イナダはブリになれる
それが出世・・進歩じゃないか

総理大臣が・・一言しゃべれば
株価が動き・・金利が動く
その筈が・・そうでもない日々が続いた
駅頭で話せることは・・小さい
これからは・・
株や金利が動くほどの・・画期的な政策を
全国民に向かって・・話してほしい

甘い言葉はいらない
厳しくても・・
希望を見つけてほしい
希望を語ってほしい






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by touseigama696 | 2011-08-31 03:01 | ●世相あれこれ | Comments(4)
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日本工芸会主催の研究会でのこと・・
審査講評の中で
「・・これって形もきれいだし・・模様もいい・・
でも選外って結論・・こういうこと結構あるんですよ」
「形も模様もどちらもいいんだが・・合ってない
それが選外になった理由だとか・・

別の講評・・
「これで・・もう少しサイズが小さければ
きっと全体が締まった・・だろうな」

どちらも・・
印象的な意見だったから・・忘れない
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造形も装飾も・・
誰だって懸命にベストを尽くす

どちらもベストだったとしても・・なお
両者に調和が欠けてはいないか・・?
言い換えれば・・
この紋様を打つに・・この形でいいのだろうか・・?

ともすると・・大きさは
技術のバロメーターでもあって
大きなものが挽けることは
より上位の技術のように思えるが・・

折角の大きさが・・
全体の緊張感を奪ってしまうかもしれない懸念を
吟味しておく必要がある

公募展では・・茶陶を除けば
大抵は・・大きな皿や壺だ
大きさが魅力を引き出すことも多いが
しかし・・なお大きければいい・・
とも言い切れないわけだ
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                        昨日・・外出から戻った夕方から・・↑の三点 彩色しました

つい先日・・伝聞だがこんな意見も聞いた
鑑審査に携わる機会の多い方の話

「広い会場に一杯作品が並んでいる
その中を歩きながら・・ひとつひとつを吟味するけど
真っ先に・・目に映るのは何?・・
と言われれば・・それは・・形だ
作品はすべて立体・・だから
さまざまに工夫した装飾は
姿を借りて・・目に飛び込んでくる
形なしに・・模様が目に映ることはないね

そうしてみると・・当然のことだけど
まずは・・姿・形の良いものを作るべきだ
形が良くないものが・・加飾で良くなる
そりゃ・・まずないだろな」

造形の不満・・欠点を
装飾で隠そうとする姑息を戒めている
「形良きものに・・加飾すべからず」
古い教えだが・・同じ意味だ

自作を・・冷静に客観的に見つめる
決して簡単なことじゃない
形と模様の関係は・・
毎年の課題であり・・
永遠の課題なのかもしれない





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by touseigama696 | 2011-08-30 07:30 | ○陶芸雑感 | Comments(2)
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東日本伝統工芸展を含め
日本伝統工芸展の入選者で
千葉県に在住する陶芸家の集まり・・
それが・・「陶葉会」である

年に2回の展覧会と・・幾つかのグループ展
そうしたイベントを通して・・切磋琢磨しながら・・
交流が深まってゆく

伝統窯業地を持たない千葉県だから
とかくバラバラになりそうな・・陶芸環境を
集まることで・・集約されるこころのつながり
とても大事なことだと・・思えるのだ

総帥に・・
益子出身で東日本支部の幹事長を務める
神谷紀雄氏がいて・・傍らに・・
有田出身の上瀧勝治氏がおられる
陶器の神谷・・磁器の上瀧・・
思えば贅沢な・・コンセプトである
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34名の陶芸家が・・参加し
招集がかかると・・
豪壮な神谷会長の自宅工房に集まる
都市部なのに・・深山幽谷の趣き
武家屋敷門をそのままのサロンに・・
昨晩も・・みんな集まった
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仲間のひとり・・和田的さんの
「第6回パラミタ陶芸大賞」の受賞を祝う会である
陶葉会の総会を済ませた後・・サロンは賑わった
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「パラミタ陶芸大賞展」は・・
三重県のパラミタ・ミュージアムが主催している
東日本では・・広くは知られてないようだが
独特なスタイルの展覧会なのだ

全国の美術館 画廊 学芸・評論家によって選ばれ
ノミネートされた少数精鋭の作家の作品を
来館した鑑賞者の投票で大賞を決定する

ノミネートされることも大変だし
専門家ではなく・・一般の鑑賞者の
主観にアピールする魅力を評価するのだから
受賞には・・特別な喜びがあるに違いない
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今年の受賞は・・和田的さんだった
千葉県にとどまらず・・
今最も注目を浴びている作家だから
その若さに加えて・・
ストイックとさえ思える作陶姿勢からは
やがて・・日本の陶芸を背負う作家だと
密かに(おおっぴらに・・笑)・・期待もしているのである
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大勢の仲間に祝福されたが・・
彼のための祝賀会は・・これで何度目だろ?
ここで開かれる祝賀会は・・そのまま
厳しくも苦しい日々への・・仲間の温かなエールなのだ

お互い作家同士・・しのぎを削って競うのも当然
そして・・結果がでれば
こうしてこころから祝うのも・・それも仲間なのだ
孤独な作業だけに・・こうしたつながりは
大事にされるべきだと・・思うのだ
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10数名を数える女性会員さんの
心づくしの料理が・・テーブルに溢れた

陶芸家には・・料理上手が多い
器を作ることは・・料理を学ぶことでもある
上手くても不思議ではないのかもしれないが
美味い料理には・・こころがこもってもいる
仲間・・そのこころとはこの絆のことかと・・

宴も済んで・・いつもの4人
一台の車で・・下戸ならではの特技の運転で
ひとりひとり・・送り届けて帰宅したのだった





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by touseigama696 | 2011-08-29 07:16 | ●畏友交遊 | Comments(0)
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♪君こそ~~いのちぃ~♪
そんな唄・・あったような・・
今日の話題は・・唄の文句じゃない
「地味こそ・・いのち」・・こっちだ

どういうことかっていうと
ロクロを挽いたり・・加飾したり
窯を焚いたり・・いろいろ仕事はあるけど
こうした表向きの・・如何にも陶芸家らしい
そういう作業だけで・・器ができるわけじゃない

好んでやりたいわけじゃないけど
これなしには・・表向きの仕事も進まない
そういう・・地味な仕事がいくつかある
化粧土作りも・・そうしたひとつだ
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計量した材料と水を・・
ミキサーに入れて攪拌する
大した作業ではないけど
計量を記録し・・データを残す
再現可能のために・・
抜かりがあってはまずい

面白くも楽しくもないが
助手がいるわけじゃないから
自分でやる・・今夜もそうだった
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ボトルにたっぷり・・
二種類の色化粧を作った
土も釉薬も・・そうだが
こうした材料が・・たっぷりある
そのたっぷり感は・・気持ちにゆとりを生む
表向きの仕事がはかどるための・・
潤滑油みたいなもんだ
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早速・・霧吹きで吹いた
そこまではよかった
その上に彩色を始めて・・
事件が起きた

気持ちにゆとりはあったはずだが
少し疲れてたのかもしれない
茶碗ひとつと・・湯呑みひとつ失敗した

茶碗は糸の貼り方を間違えてたから・・
剥がして洗い・・湯呑みは・・
糸を貼り終えたが落として壊れた
こんな日もある・・2時過ぎに止めた

思い通りにならないときは・・
潔く撤退して・・寝るのがいい
明日・・気を取り直して・・




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by touseigama696 | 2011-08-28 03:58 | ●工房便り | Comments(4)
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数日前のこと「・・挽くけど・・見る?・・」
そう言って・・自分の作品を挽いた
グループ展に出品予定の小品だったから
参考になれば・・と思ったのだ

何人か・・居合わせた生徒さんが見た
やがて・・それぞれのロクロに戻って
それまでの稽古を続けた

背中越しに・・みんなのロクロを見た
そして・・びっくりした
改めて挽きだした器に・・強い力を感じたのだ
「・・変わった!」・・それが実感だった
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見せるために挽く・・それまでも時々はしていた
「センセイ!・・丸い壺作ってみたいけど・・
どの時点で・・丸くするんだか・・?」
「・・どいて・・やってみるから」
そんな調子だった

「・・そうなんだぁ~・・
そんなに高く上げてから・・膨らませるんですか!」
理解してくれたのは・・判る
でも・・それが実技に反映するには
ちょっとタイムラグが必要みたいだった

でも・・この日は違っていた
実技に反映する時間差が・・殆どなかった
つまり・・すぐに効果がでた・・そう思ったのだ

それまでと・・その日と
何が違っていたんだろ・・暫く考え込んだ
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思い当たることは・・ひとつだけ
もし・・違いがあるとすれば

「教えるために・・挽いたんじゃなくて
自分の作品を作るために・・挽いた」

教えるために挽くロクロには
自分の作品を作る時のようなリズムはない
手を止めて・・話したり
もう一度・・と手を加えたり
それが・・見せて教えることには違いないが
自然な手順とリズムは・・ない!

いつも・・言葉では説明してたことだけど
ロクロで一番大事なことは・・「リズム」だ
身体全体で表現しようとする・・
オーケストラの指揮者のように
流れるようなリズムが・・大事なのだ
必要な力は・・その強弱を含めて
リズムの中で・・最も適当なバランスになる

これは・・説明では難しい
挽いて見せるのが一番いい
教えるのではなく・・
自分のロクロのままに見せる
多分・・この日のロクロは
そこを伝えることができたのだろう

教室の最中だったけど
少し時間に追われてもいたので
自分の作品を・・挽いておきたい
なるべくなら避けてきたこと
それが・・逆に効果的だったのかもしれない
技だけでなく・・リズムが伝わった
・・そんな気がしたのだ

教えるに・・これしかないという手法はない
日によって・・ひとによって
作品によって・・キャリアによって・・
一瞬とて・・同じはずもない

「上手くなってもらう」・・目的はひとつだが
方法は無数・・改めて難しさを思い知る
とどのつまり・・
先生としての自分の総てを・・晒すことだ

自分がもっと上手くなる・・
多分・・このあたりだろうか・・



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by touseigama696 | 2011-08-27 00:55 | ○陶芸教室 | Comments(8)
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教室の小〇さんが・・受賞した
このブログでは・・BBQ奉行で有名だ
受賞作が・・これ
見事な「青泥搔き落としアラベスク紋大皿」である

前回までは・・白化粧で搔き落としたが
今回は・・半磁土に青化粧して搔き落とした
この色決めるのに・・テストを省いた
白絵土にコバルトを何%か入れて
いきなり・・この大皿に吹きつけた
コバルトの発色能力の凄さを知ってたら
多分・・いきなりはできない

恐いもの知らずの強みだ・・
これはこれで・・強いアピールが見える
この次に作業する分は・・「テストします・・!」だと
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窯から出たとき・・
「もしかしたら・・受賞するかも・・」
私はそう言った・・そしてほんとにそうなった
初受賞である・・おめでとう!
今・・この展覧会で展示されている
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最初のころ・・紋様は紙で切り抜いた
今は・・フリーハンドで描いてる
ひとコマを描く・・ひとコマを搔き落とす
繰り返して・・技は手に根をおろした

最初から上手いやつは・・いない
だが・・
最後まで下手なやつも・・いない

肝心なことは・・恐れず始めること
始めたら・・諦めないことだ
ある日・・気がついたらこうなっている

そして・・ここに見える僅かな欠点
それが気になって・・消しにかかる
それを・・完成度というのだ
受賞は・・そこを見られる

おめでとう!・・道は確かだ
隅々に気を配り・・正確で精緻なもの作り
それは・・決してゴールではないが
しかし・・確かでない技に豪放磊落はない
ほとばしるものを・・手の内で制御できねば
偶然の奔放に翻弄されるだけだ

もう次の挑戦に向かって・・走り始めた
大皿も挽いた・・コバルトも調整できた
目的がはっきりしてきて・・
何をすべきかが・・しっかりと見えてきたのだ




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by touseigama696 | 2011-08-25 23:45 | ○展覧会 | Comments(8)
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羽田から大分まで・・1時間半程のフライト
僅かな時間だけど・・窓から雲を眺めていた

離陸のころには・・小雨みたいな天候だった
当たり前だが・・雲の上は快晴
地上が嘘みたいな快晴である

「・・今日は雲が多いので・・揺れそうです
ですから・・いつもの航路をはずれて
今・・四国の沖合を飛んでいます・・」

軽食をサーブしてくれたアテンダントが
片づけながら・・そう説明してくれた
やがて・・着陸態勢に入るとアナウンスがあって
雲中に入った飛行機は・・ガタガタと少し揺れた

眺めている分には・・雲はきれいだ
その姿や形で・・さまざまなメルヘンも生まれる
遠くから見ていれば・・純白の綿あめだ

だがその雲中に突っ込めば・・ときに
飛行機をガタガタに壊してしまいかねない
そんな危険な水蒸気の塊だと・・誰が思うだろうか

見た目には想像つかない・・その厳しさ
それが狭間で・・地上と天空が分かれている

雲の上は・・いつでも快晴
雲の下は・・日々に晴れたり曇ったり
そこを行き来しようとすれば・・
否応なしに・・雲の中を
上がったり・・下がったりするしかない

ベルト着用のサインが出て・・
その雲の中を・・降りはじめた
離陸の時と同じように・・
今にも降りそうな滑走路に滑り込んだ
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きっと・・人生にも似たようなものがある
日々の出来事に右往左往して

「・・あぁ・・どうしてこうも思い通りにならないんだろ・・?」
地上は・・雨だからだ
「・・通った!!・・入選できたぁ~!」
たまには・・地上も晴れる
でも・・どうしたって落ち着かない毎日である

雲の上はいつでも晴れ・・暗示的ではないか
あくまでも見た目の世界でしかないが
光りに満ちて明るく・・どこまでも広々と
澄みわたった空気・・天空を満たす青い空
全ての悩みは・・
文字通り「雲散霧消」に違いない

天空の楽園・・但し
そこに辿りつくには・・雲をくぐらねばならない
息もつけず・・びしょ濡れになって寒さに耐える
気流に飲まれて・・上にも下にも出られず
そこで果てるかもしれない・・苦しい雲中
きっと人生だって・・同じだ

もしも・・少しでも「いつでも晴れ」を味わうには
この試練抜きに・・扉は開かない
多分・・叶わぬ夢だろうが
日々の努力は・・そこに向かう

飽きずにロクロに・・座るのも
細かい加飾に・・息を詰めるのも
窯を前に・・徹夜を厭わぬのも・・
全ては・・「いつでも晴れ」への憧れなのだ
雲中に・・身もだえて活路を探す
「いつでも晴れ」は・・遠い空だ

叶わぬものと知りながら
それでも・・憧れる
きっと・・それが「ロマン」というものだからだ

帰りの飛行機は・・夜を飛んだ
これも・・当たり前のことだが・・
夜の雲の上は・・真っ暗
楽園に・・道しるべはなさそうだ

地上でうごめく無数の人生
例え思い通りにならないことだらけでも
すきっ腹に漂う美味そうな匂い・・
ほっとする赤い灯
人々のざわめき・・ふれ合う袖
きっと・・ここが楽園なのだ

「いつでも晴れ」への憧れと夢を捨てず
それさえ心がければ・・
やはり・・雲の下で生きるがよさそうだ

無垢な孫の可愛さを・・思い出しながら
気ぜわしい工房に・・戻った
月曜日の夜のことだった






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by touseigama696 | 2011-08-25 06:25 | ○陶芸雑感 | Comments(10)
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3時に・・目ざましで目が覚めました
一瞬窯焚きの朝かと・・思いましたが
すぐに思い出しました・・毎年恒例の朝です

そっと家を出て・・新聞販売店に向かい
いつものように・・朝日新聞を二部買いました
去年の同じ朝を・・思い出します
あのときの緊張に比べると・・今年はちょっと違います

去年は・・正会員認定がかかった4回目の出品
今年は・・正会員になって最初の出品
決して楽になったという実感は・・ありません

「・・正会員になると・・
審査員もまた一段と厳しい目で見るよ・・」
それも頷けることです

この展覧会を・・
無条件で通過できるのは・・人間国宝だけ
常連のようなベテランでも
決して安穏と通過できてるわけじゃないのです

去年までは・・
迷わず完成度をあげることに専心してました
正会員への道は・・それしかない
そう思ったからでした

でも今年からは・・去年までをどう変えるか
新しい展開を求めて制作することを
密かに決めて・・歩きだした一年でした

一年の8割は・・見つからない模索でした
締め切りが見えてきて・・その苦しさの中で
ある夜・・殆どデタラメのように貼りだした糸が
もしかしたら・・という表情を見せてくれたのでした

「糸抜き波状紋大皿」・・タイトルは変わっていません
変えたのは・・糸の貼り方
デタラメ風な奔放に・・ある程度の秩序を作る
去年までの波と・・今年の波に
意図した変化が生まれてきたのは
夢中で貼り続けた数日後のことでした

それでも・・不満はいろいろ見えます
確たる自信など持てようはずもありませんが
それも・・いつだって同じこと
「自己ベスト」は・・「自己」が取れるまで繰り返す
通過点に過ぎないのです
実際に・・「とれる」ことなどないのですが・・

でも入選という評価は・・その通過点が
間違いのない方向へ向かってる一歩だと
教えてくれてるのだと・・思っています

作品に自信はなくても
方向に自信がもてれば
どうにか・・迷わずに走れます

このあたり・・
いろいろ書いてみたいこともありますが
別の機会に・・

5時半・・すっかり夜が明けました
もうしばらくしたら・・
桃次郎を連れて・・散歩します
嬉しい朝でした・・

ここにきてくださる全ての方々に
「・・いつも応援ありがとう・・!!」
ほんとに・・そう思っています



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by touseigama696 | 2011-08-24 05:25 | ○展覧会 | Comments(28)
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丹精を込めて焼いた・・孫への贈り物
五客の器を・・先週送っておいた
あらかじめの約束で・・
料理やさんが盛りつけてくれた

待望の初孫のお食い初め
一泊二日の慌ただしい旅だったが
ついに初対面を果たしたのだった
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祝い事の習いで・・芽出鯛も添えられた
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そのひと箸を・・そっと孫の口に
まねごととはいえ・・長い人生の「食」の始まり
恙無い人生を・・こころから願った
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生後100日・・この子のことは
100枚の日めくりのように・・
私たち夫婦の頭の中に埋め込まれている

しかし・・たった今
この子の頭の中に・・私たちはいないかもしれない
記憶にとどまるには・・幼すぎるからだ
だから・・彼の記憶のなかに残るために
私たちの為すべきことは・・たったひとつ
できるだけ元気に長生きすることだろう

「爺」と「婆」の記憶・・
幼な児にとって・・大事な情操だと思う
故郷を思い出すように・・
爺と婆を懐かしむ記憶が沢山あれば
それが・・きっと命の伝承を伝えることなのだ

父がたに・・ふたり・・
母がたに・・ひい婆を含めてさんにん
こうして・・じっと見つめる彼の瞳の向こうに
5人の・・爺と婆がいる
恵まれたスタートではないか

父母の愛で・・強靱な肉体を培い
祖父母のそれで・・優しい心を養ってほしい

「・・お正月にまた会おう・・!」
分からぬ耳元に・・そう囁いて別れてきた



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by touseigama696 | 2011-08-23 03:04 | ●お気に入り | Comments(14)
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昨日の窯は・・還元焼成
だから・・久しぶりにガス窯に火を入れた

糸抜き作品は・・全て電気窯の酸化焼成
このところ・・もっぱら酸化焼成が続いた

火見穴から燃焼ガスが噴き出す
ときどき登り窯の焼成風景で・・映像化される
如何にも・・窯焚きの雰囲気がでる

900度を越えたあたりから
ダンパーやドラフトを操作して
炉内への空気の供給を抑制すると
炎は・・空気からもらう酸素だけじゃ足りなくて
器の土成分やら・・釉薬に含まれてる酸素を
奪い取るようにして・・燃焼を続ける
これが・・還元焼成

900度から1200度あたりまで
炉内は・・熾烈な戦場
燃焼音を聞いてるだけでも・・気息延々
ものが燃える・・ってことが戦いだと判るのだ

それに比べれば・・酸化焼成は
呑めや歌えの大騒ぎ・・
美酒と美食に酔いしれて
スタコラサッサの・・恍惚の世界みたいなもんだ
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「窯変」は・・還元につきもの
酸素の奪い合いが・・器体に痕跡をを残すのだ
思いがけない色味・・風合い
想像以上の結果をもたらすことがあるのも
窯変のお陰なのだ

今回・・この一枚は気に入った
鉄釉の併せ掛けだが・・もし酸化焼成なら・・
漆黒の器体に深い真紅が流れる
それはそれできれいだが
ここに見る・・戦い済んだ兵の夢は浮かばない

この鉢・・26cmほどの使い勝手の良いサイズ
でも手にすると・・大きく見える
窯変のお陰のような気がするのだ

勿論・・好みの問題ではあるが・・
私には・・好きな一枚である
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鉄釉の上に・・部分的に別の鉄釉を乗せる
今回は・・この手が多い

二重に掛けることは・・流れ易いことでもある
ほんのちょっとのつもりが
棚板まで流れ落ちて・・台無しにもする

ここら辺まで・・赤くなっておくれぇ~
都合よくはいかないが・・それも経験なのだ
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狙い通りに・・止まってくれた
置いたのは・・首と肩のつなぎ目のあたりだけ
それでも・・これだけ流れる
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襟巻きのように・・それも狙い
まぁまぁこんなもんか・・である
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これは少し薄すめに乗せて
まだらに溶け込んだ雰囲気

薄いとメタリックな光沢で光る
それも・・嫌いじゃない

糸抜き波状紋やら・・最近の彩色器を
ご披露する機会の方が多くて
もともとやってた天目釉の作品は
少しご無沙汰だった

全く同じレシピで調性しながら・・酸化に限って
どうしても同じ色調の黒が取れなくて
頭抱えてるのも・・理由のひとつである

材料の成分が変わってしまったとしか思えないが
目下・・あちこちから酸化鉄を取り寄せて実験中
還元では問題ないのに・・酸化では大問題

釉薬の基礎的な知識に乏しいことを・・嘆きつつ
確たるあてがあるわけじゃない実験の心細さ
日暮れて・・更に道は遠くなるばかり・・なのだ



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by touseigama696 | 2011-08-20 23:25 | ○ギャラリー | Comments(4)