<   2009年 09月 ( 5 )   > この月の画像一覧

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前回・・このマグ一個の話題で次回更新を約束した
特段に仰々しい話題だというわけじゃないが
フォトが多いほうが・・説明しやすいと・・思ったから・・

少々・・長いお話・・ぜひおつきあいを
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私にも人並みに漫画少年だった時代がないわけじゃない
でも・・それは戦後間もないころ・・
紙も印刷も不十分で・・決して恵まれてはいなかったが
山川惣治さんの少年ケニア・・などで
それなりに子供らしいトキメキを感じたものだ

あれから半世紀・・いや60年になるか・・
最近の愛読書が・・これ
ホラと夢とは・・紙一重

夢はでっかいほうがいい
でっかい夢がホラで終わらないためになら
ひとは・・命がけで頑張るものだ

夢を描くなら・・漫画がいい
活字でも映像でもなく・・漫画がいい
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ところで・・我が家からほど近い
花の新小岩3丁目あたりを描いたのが「もりたじゅん」
彼女は・・本宮ひろ志夫人でもある

どうやら少女漫画のご出身らしく
第一回りぼん新人漫画賞の受賞者だが
寡聞にして存じ上げなかった
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去年の春あたりから・・わけありで
歌の文句じゃないけれど・・♪・・もっとあなたのことが知りたくて・・♪
で・・この本を読んだ
本宮ひろ志さんの活字本である

このひと・・漫画じゃなくても活字でも食える
その上・・ゴルフでも株でも十分食って行けそうな
タフなお方のようだ
お二人のなれ染めにも触れてるが・・ちとここには書きにくい
ともかく腹を抱えて笑って読んだ

勿論・・私は彼女を知っている
そこがわけあり・・の理由でもあるが
どんなお方かというなら・・
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この表紙の女性が・・ちょっとだけ歳を重ねたとでも・・
つまりは・・美形である
だが・・美形だけにとどまらない
美形というのは・・姿だが
魅力・・となると・・それはこころの問題だ

で・・美形と魅力が重なりゃ・・
それはもう紛れもなく「いいおんな」
気風の良さが・・魅力のひとつにもなってるが
ことによると・・波乱万丈の亭主殿に鍛えられたのかもしれない

あんまり褒めると・・別のわけあり・・みたいになる
そこで・・本来のわけあり・・に触れよう
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このサイン・・まぎれもなく彼女のもの・・もりたじゅん
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だから・・このマグ・・彼女の作品である

去年の春ころから・・わが工房でいそいそとロクロを回してる
病膏肓に達して・・いまでは彼女の自宅に工房らしきものもあって
最新型のロクロが・・音もなく回っている
きっと・・いずれ窯がほしくなる

「・・珈琲カップ・・極めてみたいです・・」
この一年半・・カップづくりに一徹を貫いた
いみじくも・・
ひとつのことに一徹・・技術の向上はこれに限る
「カップ」が「茶碗」であっても・・同じことだ
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そのカップに・・猫の絵をつけた
それも一徹に続けている
きっともう何百にもなるはずだ

いみじくも・・
作品の完成度の向上も・・これに限る
「描く」ことが「彫る」であっても・・それも同じこと
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この一個のカップに・・8匹の猫がいる
仕種や表情が・・紋様としてのネコをはるかに超えている
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慈愛に満ちた筆はこび
漫画家だから・・やきものに描いても・・プロはプロ
でも・・ここにあるのは・・ネコの絵・・ではない
きっと・・私のねこ・・aではなくて・・theなのだ
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無機的に紋様を考えてる陶芸家の作品よりも
the・・を描こうとしてるこのカップのほうが
遥かに・・ひとを惹きつける
生徒さんの作品だが・・願って購入したのは
そういうわけだ
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彼女は・・最近・・愛猫に死なれた
一徹のネコ絵は・・鎮魂歌なのかもしれない
見込の底に描かれた表情
どうみても怒っているか・・不満の様子

「愛別離苦」・・愛玩のネコとて
可愛がってくれたもりたじゅんとの別れは
きっと不満なのだろう

何人かの生徒さんが・・
「・・もりたじゅんさんのファンでした
ここにくれば・・会えるんですかぁ?・・」という

会えるだけじゃなくて・・
このカップが手に入るかもしれないとなると・・
こりゃちと侮れないライバルの出現かもしれない
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丁度・・去年の明日の日記で
かまだ食堂の朝めしをアップした
妻と娘が・・連れ立ってハワイに行っちゃったからだ

何と今年は・・そのふたりで韓国だそうで
昨日から独り留守番である
もっとも・・かなり深刻に仕事してるから
それはそれで静かでありがたいのだが
今朝は・・寝不足気味で・・
「かまだ食堂」を開店する意欲なし

思いっきり手抜きの朝飯が・・これ
全部瓶詰めだった・・苦笑
桃次郎の散歩直前にスイッチを入れた電気釜
飯だけが温かい
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午前中も仕事して・・
このままだと・・全食手抜きのままになりそうで
やっぱり開店するかぁ・・と厨房に出向いた

妻が買い置きしてくれてたステーキ肉があった
和牛の上物らしい・・
夕食にしようかと思わぬではなかったが
また仕事のキリが悪けりゃ面倒になる

ちと時間をとって・・豪華ランチにしたろ・・と決めた
・・で・・それがこれ

企画としては・・
ステーキ皿に・・私の新作を・・
それ以外はすべて・・逆に作家物を使うことにした
個展に伺ったりしたときに・・買い求めたものである
お名前は書かないが・・ご存じの作家もあるかも・・である
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この皿は・・来月の個展で発表する新作の中の一枚

盛り付けが不十分(人参やポテト茹でたりは少々面倒で・・笑)だけど
こういう使い方が似合いそうだと・・思っていたから
ちょっとしたテストでもある・・いかがだろうか・・?

陶土を使ったマット系の白器ってのは
汚れがどうなるかが・・気になるところ
写真にはしなかったが・・大丈夫だった
水洗いで・・きれいに元に戻った
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さんま皿を・・パン皿に・・これいい応用だ
娘が買ってきてくれたマーブルっぽいパンと
バター&ジャムで丁度いい
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簡単ランチで済ませるつもりだったから
せめて味噌汁くらいは・・と作りかけて企画ランチに変更した手前
ステーキとはいえ・・飲むぞ!・・
手つきの片口ポットを転用してみたが・・これも悪くない・・ナ
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コバルト系の染つけ鉢にサラダを・・
藍色が水のようで・・サラダ菜がひんやりと見える
ドレッシングなしで・・わずかな塩味だけにしてみた
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茄子のしぎ焼きに椎茸をそえて
この板皿・・去年だったかな・・
確か笠間での個展で・・だったはず

色線がアクセントになって
地味な食器が華やいでいる
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ちょっとのどが渇いてたから
今はやりの0.00を一本
これもお馴染みの作家さんのジョッキーである
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最後に・・このマグ・カップで珈琲
猫の染つけカップ・・ぐるりと描かれている

つい最近買い求めたものだが・・
実は・・私の教室の生徒さんの作品である
この猫のカップについては・・
これだけで・・次回の更新で書こうと思う
ちょっとした物語があるからである・・

さっき妻から電話が入った
「カルビ美味しかったよぉ~!」
「それ土産に買ってこい!」
「だめみた~い・・生モノって・・笑」

「じゃあ・・代わりにカオリンを1トンほど・・!」
意味がわからなかったらしい・・笑

まだ留守番が続く・・
明日の朝飯・・面倒だなぁ・・
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随分昔のことになっちゃったが・・
「蒲田行進曲」・・面白い映画だった
あのころの映画界・・少し知ってたから
余計そう思ったのかも・・

極くひとにぎりの大スターはともかく
どんな世界も・・・大部屋の悲喜劇で
人生さまざまに彩られるものさ・・
ほんとんとこ・・面白いのは
絶対大部屋暮らしだと・・思うな

それはともかく
「窯だ行進曲」・・取り説が必要だ
要するに・・陶芸賛歌・・
もしかしたらこれからどっかで
陶芸を始めようかな・・のあなた

既に始めちゃったんだけど
もひとつ乗り切れないでいるあなた

更にさらに・・定年になったら・・
何か打ち込めるもの探すさ・・なんて
大見得切っても
そうは簡単に見つからないあなた

そういう迷える子羊を集めて
一緒に行進しようじゃないか・・っていう
行進曲ってわけだ
どこへ向かうかって・・?
そりゃ歩いてみなきゃわからんが

ここで一緒に行進した奴は
何故か陶芸教室に入会してみたら
やたら・・上手くできちゃうんで
「どして・・?」って
そう言われてみたいじゃん・・笑

だから・・ここでは・・
メイッパイみんなをそそのかして
たらしこんで まるめこんで
その気にさせて行進するぞ~~ぉ!


3年前の今頃・・
「窯だ行進曲」・・(1)にこう書きました
思い出しながら・・同好の士に
こころを込めて贈るエールのつもりです
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先週の日曜日・・
一卵性お友達(笑)・・の陶片木さんhichaさんが 
いつものようにお二人で我が工房に見えました
おふたりとも・・このブログでは大事な同好の士です
かねてからの約束を果たす日がきまして
午後のひととき・・並んで轆轤に向かうことになりました
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三年ぶり三度目の電動ろくろという・・陶片木さん
思い出しながらのカップつくり・・を

高さを出すのが苦手という・・hichaさんは
1.5キロの粘土で・・20センチ挽きあげるのを課題に・・
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とても三年ぶりとも・・三度目とも思えない出来栄え・・
高さもとれて・・広がり過ぎもせず
しっかりとした「意志」を感じる器形だからです
ろくろに振り回されてないのは・・立派!・・笑
・・きっと人生でも・・そうなんでしょう・・笑
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1.5キロの粘土を
直径10センチほどで20センチの高さに挽き上げる
ひとつのバロメーターになります

器を作る基本は・・
高く挽きあげてから・・開いたり・・膨らませたり
あるいは絞ったり・・で
狙った姿にすること

20センチを確保できたので
こうした・・鶴首の花瓶へと造形できるわけです
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お二人の成果・・がこれ・・なかなかの出来でしょ
何故かというと・・次のフォトで判るように
高台削り(時間の都合で・・私が削ったのですが)
削りの前と後で・・ほとんど姿が変わっていません

削る必要が少なかったということ
つまり・・土の分布がほどよくて
狙った姿に近いものが挽けていた・・からです

お二人は・・ビギナーではないから
当然といえば当然だけど
「窯だ行進曲」のコンセプトに従って
「・・このまま・・進めぇ~~!」って
大声で応援歌を歌っています・・笑
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本当は・・
やや早めに削って・・生掛けの粉引きにしてみようか・・
なのに・・ちょっと忙しさにかまけていたら
乾きすぎてしまいました

別の釉を・・考えてみますね

お二人が帰ったあと・・また独りで・・はmoreで

More
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去年の春・・一回目の個展の最終日に・・ギャラリーさんから
「18ケ月後に・・またお願いしますね・・!」と云われて
その18ケ月があっという間にやってくる
10月20日から10日間・・東京青山の「ギャラリー蓮」で
二回目の個展を開くことになった

二度目のオファーをいただく・・それが嬉しい
最初がおもわしくなければ声はかかるまい

昨日・・DMはがきが送られてきた
この糸抜き技法の作品は・・モアレが起きて厄介な写真撮影なので
今回は・・プロのカメラマンにお願いした

ところが・・
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年初に雑誌「陶遊」の取材で親しくなった編集者のKさんに相談したのが発端
「了解・・ご紹介しましょう!」・・のあと数日して
「野田耕一さんが撮りますよ・・」
「えっ!・・野田さんって同姓同名の陶芸家がいるよ・・それって偶然?」
そこで・・Kさんが電話の向こうで笑いだして・・すべてがわかった

野田耕一さんは・・
芸大出身の著名な陶芸家であり・・陶芸に関する著書も多い
一方で・・プロの写真家でもあるのだ・・知らなかった
陶芸を解って撮影する・・こんな良き理解者はいないというものである
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一か月近く前・・私の工房で撮影した
↑のDM・・パソにアップすると
ややモアレが起きているが・・現物は実にシャープ
素敵なフォトに撮っていただいた・・さすがである
色々なカットから・・選んでこれにした
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この六角鉢のように・・
糸抜き技法を使った作品をメインのシリーズにするつもりで
DMからは・・他のシリーズは省いたが
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天目シリーズも用意している
先日の益子での展覧会では・・結構お買上げいただいた
二つのシリーズでまとめてみたいと思っている
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糸抜きで・・こんな葉紋皿も試している
手がかかる技法だが・・それもまた楽しい
そう思えば・・長時間工房幽閉もまんざらではなさそうだ

DMは・・近日中に「第56回日本伝統工芸展」のDMと一緒に発送する予定
もし・・鍵コメとか・・メール(touseigama@aol.com)でお報せいただければ・・
指定の住所にお送りさせていただきます

まだ少し先のことですが・・会期中在廊しますので
お目にかかれれば・・嬉しいです

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陶芸用の・・霧吹き
少し年季が入って・・使い慣れた大事な道具
小さな湯呑みから・・50センチを越える大鉢まで
白泥の吹きつけは・・これで吹く

強力なコンプレッサーにつないで
動力で吹きつけることもできるけど
表面の風合いは・・口で吹くのが一番いい

大皿一枚を吹きつけると・・
胸が疲れる・・口も疲れて頬が膨らまなくなる

今でも肺活量は・・多分5000cc以上のはず
こんなところで・・仕事に役立つとは
若いころには思いもしなかったこと
変な自慢だがその肺活量と・・握力の50キロ強が
陶芸の仕事でどれほど有利か・・
今さらながら・・天賦に感謝である

やや濃い目の白泥はトロ味があって
強く吹かねば霧にならないが
その分・・粗ら目に重なって
和紙のような器肌になってくれる
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ヘトヘトになって吹いた一枚・・40センチを越える大皿
万遍なく・・むらなく・・となれば
方向と回数を揃えて・・ゆっくり重ねて吹く

暫くして・・一本一本糸をはずして
この写真の状態になる
あとは・・マット系といって
焼きあがっても表面が光らない釉薬を掛けて・・
焼成すれば・・完成

この釉掛けのときは・・
似たようなことをするが・・コンプレッサーを使う
薄めにあっさりと掛けるとなると・・
口では叶わないからなのだ
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湯呑みも吹いた・・この写真以外を含めて・・
たった18個なのにえらく手間がかかる

1時間ほどのロクロ挽きで作った18個
糸貼り・・吹きつけ・・糸抜きで・・・2日もかかる
やきものづくり・・はロクロではない
しみじみそう思う

いちばん左の一個のように
釉薬をかける前に・・下絵で色を入れたり
このまま本焼きを済ませて
それから・・上絵で色を差してもう一度焼いたり
まだ・・これからの作業を緩めるわけにはゆかない

個展までのあと2ケ月足らずの間に・・
まだたっぷりやることがある
「工房幽閉」・・の所以である
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