ブログトップ

桃青窯696

touseigama.exblog.jp

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

<   2008年 03月 ( 4 )   > この月の画像一覧

窯を焚いた朝は・・工房を逃げ出すのが一番
窯が冷めるのも待つもどかしさから逃れたいから
だから・・
朝食を済ませて・・そそくさと家をでた

日暮れて家路を辿るころ
今日一日実りを・・実感していた
その豊饒の一日を羅列してみれば・・こうだ

① 第47回日本現代工芸美術展覧会・・東京都美術館(上野)
② 綿引道郎 彫刻展・・高島屋(日本橋)
③ 上瀧浩一 陶芸展・・高島屋(日本橋)
④ 中山忠彦 永遠の女神展・・高島屋(日本橋)
⑤ 匠会 作品展・・三越(日本橋)
⑥ 福野道隆 作陶展・・三越(日本橋)
----------------------------------------------------
d0085887_22263752.jpg
第47回 日本現代工芸美術展

朝の9時半・・満天の桜・・
今日明日が見ごろの上野の山も
開館直後の都美術は・・まだ静かだ

現代工芸の粋を集めて・・
造形の妙を追及するこの展覧会
私淑する小林政美さんの作品も
DMを送ってくださった中内順子さんの作品も
8室に分散されて・・探すのが大変
ロクロ挽きには叶わぬ自由な造形に圧倒されての鑑賞だった
------------------------------------------------------------
d0085887_22361523.jpg

綿引道郎 彫刻展

綿引道郎さんは・・私の小学校時代の同級生
芸大を出てから・・彫刻一筋・・この春
長年奉職してきた広島市立大学教授を
退官されるのを記念しての展覧会
d0085887_22363073.jpg
綿引道郎 彫刻展 図録より引用

「もうやがてみえると思いますよ・・」
しばらく・・このメルヘンに満ちた彫像と対峙し
彼の中で長いこと醸成されてきた詩情にひたった
「昨日も一日在廊されたから・・お疲れだったかも・・」
再会はかなわなかったが・・
退官されれば私と同じ地元
きっとすぐに会えるに違いない
-------------------------------------------------
d0085887_2254271.jpg
上瀧浩一作 湯呑

彫刻展の会場の前で・・
上瀧浩一さんの個展か開かれていた
不覚にも知らずに来たが
浩一さんご本人に声を掛けられて
初めてそれと知った・・陳謝

尊父の上瀧勝治さんとともに
布染めに新境地を開く逸材
お若いのに既に確固とした世界を持っている
満帆に風をはらんだ船のごとく・・とでも

湯呑みをひとついただいた
箱書きの筆跡に・・
彼の端正な人柄を見た
----------------------------------------------
d0085887_23101984.jpg
中山忠彦 永遠の女神展

上瀧さんの個展会場の・・これまたすぐ横で・・
中山画伯の企画展も開かれていた

日展の重鎮 中山忠彦さんは・・
実は我が家にほど近いところにアトリエを構えておられる
40年ほどになるだろうが・・
ご夫妻と親しくおつきあいいただいてきたのだ
d0085887_231256.jpg

作品のかなりは・・夫人を描いたもの
おふたりで欧州を旅して蒐集されたアンティーク・ドレスや
家具調度 古楽器などを配して描かれた作品は
その色彩の美しさとともに
見る者のこころをとりこにする
d0085887_23103926.jpg
中山忠彦 永遠の女神展 図録表紙より

これも夫人を描いた作品
その夫人が会場におられ・・久しぶりにご挨拶した
「ごめんなさいね・・これの準備が忙しくて
あなたの個展に顔をだせなかったわ・・」
大勢の鑑賞者の中にいて
気づく人は少なかったかもしれない

このノーブルな絵の中に
気さくなお人柄が偲んでいる
-----------------------------------------------
d0085887_23365297.jpg
匠会 作品展

私の工房の生徒さんに・・佐賀出身の方がいて
そのよしみで・・匠会の作品展を拝見した

酒井田柿右衛門さんと その仲間たちのが集う
有田 唐津 萩に伝わる伝統工芸の粋を集めたものだ
現代工芸のベイシックを支える伝来の妙と
時代への対応にこころくだくものつくりの感性を
たっぷりと味わった
d0085887_2337790.jpg
匠会 作品展 図録より引用

万回の繰り返しを経た造形の美しさには
圧倒的な説得力がある
--------------------------------------------------
d0085887_23532269.jpg
福野道隆 作陶展・・赤絵絣文長皿 第18回日本陶芸展 図録から引用

「三越に行くなら・・匠会の隣りで・・福野さんがやってますよ」
上瀧浩一さんが教えてくれた
去年の日本伝統工芸展の懇親会以来
久しぶりに福野さんにお目にかかった

「黒天目に赤絵を・・?」
「そりゃ無理かも・・!」
話は早い

「赤絵のことなら・・福野君に聞けよ!」
去年・・同じ笠間の山路さんはそう言った
「ゆっくり教えていただきたいことあるから・・
工房訪ねてよろしい・・?」
「どうぞ!・・」これまた話が早い

絣の赤絵・・
この会場も色とりどりに精緻に装飾されて
それが殆ど売約済みだ・・
-------------------------------------
こうして6つの展覧会を歩いた
それぞれにすばらしかった
あっという間の一日

明日からは・・
注文制作の最終段階
うまく仕上がってほしい・・
ただそれだけである

帰宅して・・窯の様子を・・
390度・・明日は出せるだろう
[PR]
by touseigama696 | 2008-03-29 00:22 | ○展覧会 | Comments(6)
d0085887_22464911.jpg

糸抜き波状紋大皿・・新しい試み
弁柄で抜いて・・梨灰黄釉で焼いたものです


52歳で始めた私の陶芸・・晩学である
死ぬまで続けるとしても・・さして長い時間ではないだろう
しかし・・だからといって
若いひとを羨ましいと・・思ったことはない

52歳は・・
私にとって「頃合」だったような気もする
同じことを・・30歳のときに始めたとして
だからといって・・今と同じ陶芸になったかどうか
私にもわからない

それでもひとつだけ・・
若いひとが羨ましいと思うことがある
惜しげもなく「無駄な時間」を使えることだ
必要な時間なら・・
若いひとも・・少し老いた私も同じ
しかし・若いひとにあって・・私にないものが
存分に使える「無駄な時間」である

無駄というと差し障りがありそうだが
不要な時間といいたいわけではない
結果を気にせずに使える時間・・とでも言おうか
あるいは・・
目的地には向かうが・・およそ遠回りな道・・でもいい

可能な限り近道を探そうとする晩学は
そう思わないと間に合わないかもしれない切実さの中で
なお・・遠回りな道を歩くことこそが
仕事に厚みをもたらすに違いないと思うからだ

思い通りにならなくてもいい・・
上手くゆかなくてもいい・・
結果がでなくてもいい・・
しかし・・それでもやってみる
そういう時間がほしい
若いひとを羨む・・たったひとつの嫉妬かもしれない
[PR]
by touseigama696 | 2008-03-25 23:56 | ●窯だ行進曲 | Comments(12)
『おととい成田についたばかりなんですけど・・
ちょっとお訪ねしてもいいですか? 見ていただきたいものがあるから・・』
アメリカのニューメキシコに住むNさんから電話が入ったのが今朝
夕方には私の工房に現れ・・見せてもらったのが・・
ここに掲載した一連のやきものの写真である

これは・・全て彼女の作品である
正直びっくりした・・その理由は・・
少々古いが05/06/22折々の折りに書いた私のエッセイにある
d0085887_2247696.jpg

05/06/22・・この日 彼女に陶芸を奨めたのは私である
爾来3年弱・・ニューメキシコに戻った彼女は
私の奨めのままに・・インディオに手ほどきを受けて
手びねりの陶芸を始めた
d0085887_22471815.jpg

このどれもが・・紐づくりの作品なのだそうだ
粘土店があるわけじゃないから
仲間に連れられて・・土の採取から始める
赤い土に白化粧を施し・・
その上に筆で彩色したようだ
d0085887_22473534.jpg

どれも見事である
始めて数年のものとは思えない
元々音大を卒業したオペラ歌手だから
アーティスティックな素養に恵まれてはいるが
それにしても造形といいモチーフや彩色といい
素人離れの域のようだ
d0085887_22475062.jpg

『あなたが奨めてくれたから始めたけど・・
こんなに面白いとは思わなかった
だから・・帰国したら是非見てほしいと・・』
同時に・・矢継ぎ早やの質問攻めに遇ったが
それはもう・・趣味の楽しみというより
まさにプロの自覚に目覚めたもののようだった

続きは・・more

More
[PR]
by touseigama696 | 2008-03-15 23:52 | ○未分類 | Comments(10)
d0085887_633477.jpg

『昨日』
400点余り搬入した作品の殆どをお買い上げいただいて・・
どうやら無事に個展デビューは終りました
友情・・人情の有難さをしみじみと・・なのです

「定期預金解約か・・年金手帳担保で借り入れか・・
さもなきゃ自宅の権利書持参で・・お越しを!」
ことあるごとに・・ささやき続けたこの脅迫が
もしかしたら・・功を奏したのかもしれません
d0085887_6333023.jpg

次回の案内がきちゃうからと
なかなか署名いただけない芳名帳に
300名からの記載をいただけたとこみると
やっぱり友情・・人情のしからしむるところのようです

全て片付けて引き上げる朝・・ギャラリーさんが
「じゃ次回は・・18ヶ月後に・・!」

「またやるのかよぉ~~!」と言われないためには
これくらいのインターバルが適当なのだとか・・
新手の脅迫を考えるにも・・適当な時間かもしれません

冗談はともかく・・お越しくださった全ての方々に
そして・・陰になり応援してくださった全ての方々に・・
こころからの感謝を捧げます
『ありがとうございました~~!!』
d0085887_6342240.jpg

『今日』
個展の終りが・・半年の工房幽閉刑の仮釈放
娑婆にでたら・・家族にも伝えずに
どこか遠くへ行ってみたい(聞いたことあるなぁ・・)で
車を満タンにしておいたのですが・・・
d0085887_6343425.jpg

この個展をご縁に・・大きな注文をいただきました
事情があって納期が限られ・・のんびりできないことがわかりました
だから・・
会期中も夜帰宅してから深夜にロクロを回しました
週末には・・一気に60個ほどを挽いて削って・・
従って・・工房釈放は・・6週間延期ってわけです
でも・・これもご縁・・感謝しながら
失敗の許されない窯焚きに・・没頭することにします
d0085887_635435.jpg

『明日』
昨日・・通知が届きました
今年から・・『東日本伝統工芸展』と名前を変えた
従来の伝統工芸新作展の結果通知です

今年もどうやら無事入選しました!
勿論・・糸抜き波状紋大皿・・いつものやつです

制作が個展の準備と重なってしまったから
どうなることかと・・実に不安でしたが
最後の窯でとれた一枚が・・通りました
去年に続く入選で・・飛び上がって喜びました

4月15日から・・日本橋三越です
この日は・・前記の注文の納期
お届けしたら・・三越へ~~!!
嬉しい春です・・
[PR]
by touseigama696 | 2008-03-11 07:23 | ●工房便り | Comments(20)