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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

カテゴリ:●窯だ行進曲( 75 )

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個展が終った直後
エッセイを書いてみないか?
「陶遊」の編集部さんからオファーをいただいた

重い粘土を・・軽いペンに持ち替えて
(実際はペンじゃなくキーボードだけど)
酷使した体には都合がよかったが
劣化した頭の復活は容易じゃない
あちら使えば・・こちらが役立たず
加齢と闘うってこういうことだと
始める前から思い知らされたが

同時に
ここで書こうとするテーマを
シニア陶芸愛好家への応援歌とすれば
ここら辺も話題の内
包み隠さず・・書き綴ってみようかと
思い決めたのだった


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題して「窯だ!行進曲」・・勿論
あの映画「蒲田行進曲」をもじった

小さな役でも・・命がけ
大部屋役者に悲喜こもごもあれど
でも・・映画が好きで好きで
じっとはしてられない・・あの感性に共感し
シニア陶芸への限りない応援歌を
書いてみたくなったのだ

厳しい修行の数十年を経て
人間国宝に向かうのも陶芸だが
町の陶芸教室にじっくり腰を据え
茶飲み・お喋り自在混じりで
少し歳とったら・・好い味でてきた
それも陶芸なのだ


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陶芸を・・ファイナルホビーという人もいる
最後の趣味・・って縁起が悪いなどという勿れ
今まで生きてきて手にしたあらゆる術が生きる芸
それがファイナルの意味なのだ

自分の人生を振り返って
子どもの頃・・若かったころ
あんなことしたっけ!・・一杯思い出してほしい
お花でもお茶でも・・料理だろうが裁縫だろうが
絵でも字でも・・俳句も川柳も
ピアノでもギターでも・・盆踊りだろうがダンスだろうが
やったことあるもの全てが生きる・・それが陶芸
だから5歳で始めなきゃ間に合わないってことはないのだ

今・・歳がお幾つだろうが
あなたには前途洋々が待っている
大いに楽しんでほしい・・それも本気で

隔月で発刊される
一所懸命書いてみようと・・思っている
ペンは軽いが・・責任は重い
何をするにせよ・・楽なものはないと
思い知るべきなのだ



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by touseigama696 | 2017-10-27 07:36 | ●窯だ行進曲 | Comments(2)
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人間の行動パターンは・・
色々な切り口で・・色々なタイプに分かれる
長いこと教室を開講してると
同じことをしていながら・・
その取り組み方は・・色々だ

あるひとつの括りで分けてみると
計画派と衝動派という分類がある

言うまでもなく・・計画派は
決められた曜日の規定の時刻に来て
順々に・・段々とステップを踏んでゆく
経過時間が見込み上達にスライドして
それなりに安心して見てられるタイプ
「今日はここまで・・にしよっと!」
そう言って片づけ始める

衝動派は・・来ることには無計画同様だが
来ちゃえば・・とことんやる
「あらら・・こんな時間になっちゃった!」
代表的な科白がこれだ
いつまでいても規則でしばらないせいもある
衝動派には・・必須のルーズフィットなのだ

但し衝動派が・・ルーズフィットに徹すると
やはり差し障りも生まれる
飽きがきたり・・物が出来過ぎたりだ
技術に偏りが生まれ・・慣れてきたはずなのに
あんまり上手くなったという実感がもてない
得意技は伸びるが・・苦手を放っておくからだ

計画派のバランスの良さは
こうした偏りを生まずにはすむのだが
淡々と進んでゆく分
思いがけない発見があっても
「今日はここまで」で追及の手を休めてしまう
バランスよく上達するが・・案外感動に欠ける
そんな気配を感じることが多い

さて・・そこで
これから陶芸を始めようと思ってる方がいたら
お奨めしたい・・傾向と対策
こころの隅に置いていただければ・・である

初心から基本が身に着くまでは・・衝動派
なるべく短時間でマスターしたほうが
上手くなってきてることが実感できるからだ

基本が一番厄介で時間がかかる
だから・・あまり長い時間がかかると
「私には才能がない」とか「向いてない」
悲観的になってしまいがちなのだ

教室に来ちゃったら・・納得ゆくまで!
そうした衝動が・・最初は大事だと思う

そして・・基本ができて
応用で自由な作陶が出来るようになったら
そこからは計画派に・・転向すればいい

「我が家に湯呑み100個は要りません!」
って言った生徒さんを思い出す
確かにそうだが・・ちと違うんだな

必要な4個が気に入るためには
100個も200個も稽古する必要があるのだ
衝動派時代に・・100個稽古し
計画派時代がきたら・・4個を精選すればいい
物が出来過ぎずにすむじゃないか

今・・私の教室にいる生徒さんは
衝動・計画混在派ばかりである
ランチ食べて・・乾燥を確かめて・・
それだけで帰っちゃう日もあれば

大皿のロクロ挽きに・・
二度も三度も菊練りして立ち向かう
「なんでぇ・・ここで垂れちゃうのよね!」
悲鳴が聞こえてくる日もある

転居して間もないせいで
新人を勧誘していないから
ベテランばかりの自遊空間
これはこれで・・いい雰囲気だ

さりながら・・来年からは
新人も入ってくるかもしれない
衝動時代と計画時代・・
上手く使い分けられるよう
良い助言を心がけねばである




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by touseigama696 | 2014-10-28 06:04 | ●窯だ行進曲 | Comments(2)
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例えば・・今半日ロクロの前に座って
湯呑み10個挽くのが精一杯なひとがいるとして
そのひとに・・
「湯呑み千個挽いたら・・結構上手くなるよ」って助言すると
「千個ですかぁ~何年かかるんだろ?」
頭の中で・・大ざっぱな計算が始まる

週一回の稽古で10個・・月4回で40個
12か月で480個・・1000÷480≒つまり約2年

「センセイ!・・2年もかかっちゃ気が遠くなりそっ」
概ねこんな答えになる
この計算に数学的な間違いはないが
人間工学的には・・間違いだろな

つまり・・一回ごとに上達するかもしれないことが抜けてる
今日は10個だけど・・次回は11個の可能性があるわけだ
上達のプロセスの想像力が足りないってことだ
もし本気で・・湯呑みの千本ノックをやったら
2年はかからない・・勿論個人差はあるが
半年もいらないんじゃないかな

ここで大事なキーワードは・・「想像力」
上手くなってゆく自分を想像できる・・って
ものづくりには・・とっても大事な資質だと思う

「作りたいものが好きなように作れる自分」
「やってみたいことが次々にあふれ出る自分」
「入選作が展示された展覧会に立つ自分」
「教室でセンセイをしてる自分」
「個展会場の沢山のお客さんの中の自分」
こうした想像力が・・たった今の自分に
どれほどのやる気や励みになるか・・試してみてほしい

上達する自分を想像するのも・・きっと楽しいはずだが
ほんとに上達したら・・もっともっと楽しいよと断言してもいい



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by touseigama696 | 2014-08-21 05:49 | ●窯だ行進曲 | Comments(2)
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久しぶりの「窯だ行進曲」
窯だ行進曲・・陶芸ビギナーへ心をこめて送る応援歌!!・・こう書いて
このカテゴリーの窓を開けたのが8年前
教室は・・まだ続けている

工房ごと引っ越したけど・・
あっちにいたみんなは・・今みんなこっちにいる
だから・・アトモスフィア(気取って雰囲気のことだけど)は
まるで変っちゃいない・・あっちのまんまってわけだ
そういや・・みんな長いつきあいだ

しかし・・これは大事なことだと思ってる
今朝書いてみたいのは・・そこらへん

「陶芸教室の先生」・・普通に使ってる言葉
稀に師匠って言ったひともいたが・・まぁ大抵は
私のことを・・「センセイ!」って呼ぶ
その言い方で・・みんなの気分もわかる
「センセイ・・これ教えて!」「センセイ・・あれどこ?」
「センセイ・・これいらないの?」「センセイ・・今度いつ焼くの?」
「センセイ・・見ないで!」「センセイ・・食べる!」
教室というより・・ほとんど部活の部室みたいなんもんだ

日に何度となく「センセイ!」って聞きながら暮らしてきたが
実はこの「センセイ」って言葉・・大きな間違いだと思っている

私は先生ではない・・なら何?
当然そういうことになるが・・これが難しい
日本語となると・・適当な言葉ないのだ
一番あたっているのは・・コーチだと思う

先生とコーチの違い・・そこが問題で
今朝書いてみようと思うのは・・そこ

陶芸教室も・・極々原則に立てば
陶芸を教えるためとは言えるが
ならば・・〇〇芸大陶芸科とか
△△窯業専門学校で教える陶芸と同じか?というなら
まるで違う・・陶芸教室には教育とい概念は乏しいからだ

入学した学生を押しなべて専門家として送り出すために
実技以外にも学問的な知識や情報を教え
自分でやるやらないはともかく・・可能な限り
歴史的・伝統的な技法を学習させ
将来の作家活動・・あるいは指導者としての
素養をきっちり身に着けさせるのが・・教育
それをするのが・・先生だと思う

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なら陶芸教室の先生というのは?・・とは
陶芸を楽しんでみたいと望んだひとに
ほんとに楽しいと思えるところまで
引っ張っていってあげるひとのことだと・・思ってる
だから・・先生というよりコーチというほうが当たってる
教えるではなく連れてゆく・・コーチ(馬車)が語源の由来でもある

技術や知識を万遍なく教えるなんて・・専門の先生でなくちゃできない
それは・・陶芸教室の限界の外のことだともいえる
でも・・ひとりひとりの願いを感じとって
ひとりひとりの目的地に向かって引っ張ってゆくなら
陶芸教室でも・・充分対応できる

いつまでにどこまで・・それがないのが陶芸教室
だから卒業もないし・・卒業証明も不用だ
楽しければいつまでもどこまでも・・それでいいし
その持続に力を貸すという意味で・・コーチなのだ

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みんなのすぐそばにいて
「今だ!」と思う瞬間があれば助言し・・やっても見せ
暫く様子みてればいいとなれば・・
自分のこともする・・それを見て面白いと感じれば
それも・・引っ張ってゆく一助でもある

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こうして・・ロクロの前で過ごす数時間
「あらっ・・もうこんな時間?」・・それが好きな科白だ
楽しければ・・時は素早くながれてゆく

気概と自負のつもりで書き足せば
陶芸の楽しさの一番は・・上手くなること
そのためなら・・一所懸命馬車を走らせますよ
そして・・その楽しさが趣味の域を超えて
プロの道へ通じることだってあるよ・・と
密かに耳元でささやいているのは

高いゴールに向かうこともまた・・
陶芸を越えて人生の醍醐味でもあると
伝えたいメッセージなのだ



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by touseigama696 | 2014-08-14 06:03 | ●窯だ行進曲 | Comments(2)
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今日は午後から・・隣町の船橋で・・
船橋市いきいき同窓会の皆さんの前で講演をしてきました

きっかけは・・今年の春のこと
会員の富田さんの作品を拝見したことからでした
その様子は・・当時のブログ12/03/14に書きました

そのとき・・
「秋になったら・・話しにきてくれませんか?」
「お役に立つなら・・喜んで!」
それが今日だったのでした

60歳が入会資格の始まりだとか
晩学の趣味 晩節の生き甲斐
どちらにせよ・・60歳を過ぎてから
どう陶芸と向き合えばいいのか
私自身が・・実体験として通り過ぎてきた道でもあって
ひとつのヒントとしてお話しするなら
それに尽きると思い決めて・・会場に伺ったのでした
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今年の秋・・千葉県展で入選した糸抜きの壺
これが富田さんの作品で・・82歳での初入選と伺いました

今年に入ってからでしょうか・・
時折り私の工房にお見えになり
糸抜き技法について・・いろいろお尋ねがありました
真摯で誠実なお人柄に魅かれて
お手伝いしてきましたが・・82歳の真剣こそ
何にもまして敬服すべきことだと思ったのでした
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その富田さんの作品と・・私の作品を前に
お話した骨子は・・「趣味なら本気で!!」
これこそ・・私の持論でもあるからなのでした

趣味は・・楽しみ・慰め・気晴らし・癒し・ストレス発散
色々な言い方で・・心の問題を言い現わせます
まして・・老後であればなおのこと
厳しい稽古よりも・・楽しいひとときを優先しても
何らひけ目に思うものでありません

にも関わらず私は・・「趣味なら本気で!」・・という
あのキャノンのCMを金科玉条にしているのです
その趣意は・・

「どんな楽しさに勝って楽しいと実感できるものは
上手くなることです!」・・と言いきってきたからなのです

初心から遥かかなたにある・・「自在」
自由に作りたいものが作りたいように作れる
そして・・それがそれに相応しい評価を得る
その自在に至る道は・・本気でなけりゃ歩けないものです

本気でいても・・それでも届くとは限らない
それほど厄介な道を歩きながら・・
到底生きてるうちには叶うまいと・・疑心暗鬼であっても
それでも・・昨日の自分より・・上手くなった
隣りの人より・・上手くなった
誰よりも・・上手くなった
そうした上手くなる悦びは・・何よりも楽しいことなのです

そのためなら・・寝る暇惜しんで励んでも
多分・・それだけで病気になったりはしないものです
上手くなる悦びに支えられた・・生き甲斐
残された人生の時間が・・決して長くはないからこそ
思い切り身体を使って・・こころをこそ大事にしたいものです

そんなことを・・お話ししてきました
同じ年輩の気安さ・・楽しいひと時なのでした





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by touseigama696 | 2012-12-04 23:58 | ●窯だ行進曲 | Comments(8)
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糸抜きでの波状紋皿・・ここで・・
これをご披露する日が来ました
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作者は・・富田さん
船橋いきいき同窓会のメンバーで
私より一回りほど年長の・・
それでいて赫灼とした老作家

旺盛な制作意欲をお持ちで
私の展覧会・個展等にもお顔を見せてくださいます
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糸抜き技法に興味をお持ちで
過日・・作品持参で工房においでにもなりました
このG展への出品が目標だったのかもしれません

鶴首二耳壺の複雑な曲線に
糸を貼るのは・・決して楽ではありませんが
根気よく完成されたようです
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ご案内をいただいていたので
初日の今日・・伺いました

この会は・・60歳以上が入会資格とか
年齢的には・・私はどうやらここでは若造のようです
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お互いの作品を・・丁寧に鑑賞し
そして褒め合う・・これが大事なことです
高揚した気分が・・次の制作の意欲につながるからです
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この三客の組みものカップは
94歳の会員さんの作品だそうです

非常に完成度の高い作品で
形状も釉調も・・とても素晴らしいものでした

52歳のときに・・かねてからの念願で
陶芸を始めましたが
そのときの頭にあったのは
晩学の趣味で・・こうしたグループに入会して
日々を・・ゆったりと過ごせれば・・と
考えていたように思います

思いがけないちょっとした転機があって
プロの道を歩くことになりましたが
その運命的な岐路に・・
不思議な因縁を痛感します

あのとき・・
こっちを歩かず・・あっちを歩いたら・・?
多分・・答えのでない自問です

でも・・今日の会場を拝見していて
もしかしたら・・と
ふと思いながら・・おいとましたのでした




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by touseigama696 | 2012-03-14 01:07 | ●窯だ行進曲 | Comments(4)
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初心だったころ・・読みあさった書物の中に
しばしば出てきた言葉のひとつが・・これ
「土と・・語らう」だった

土と語らう・・
この擬人法表現を理解するには・・少し時間がかかった
土が・・もの言う口はどこにあるのだろ
土に・・言い聞かせる耳をどこに探せというのだ
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しかし・・「土と語らう」
この言葉の響きには・・どこか心地よさがあって
忘れることのない言葉になった
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長い時間をかけて・・ロクロを挽き
思い通りにならない土の暴走に
どれほど翻弄されただろうか

いつの間にか・・
「頼むから・・おとなしくしてくれよ!!」と
独りごちてる自分に気づき
語ってることには・・気づいたが
その返事を・・聞いたことはなかった
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今は・・少し聞こえているような気がする

聞こえる・・と書けば耳だと思うのが普通だ
そこが・・間違っていた
土の言葉を聞こうとしたら・・
耳ではない・・指だ!

土に触れてる指で聞けばいい
しかし・・不思議なことに
目に見えてる指には・・聞こえない
だから・・
目をつぶって・・ロクロを挽いてごらん
壊れてもいいから・・目をつぶって・・
土が・・饒舌にもの言うのが判る筈だ

平たくいえば・・
土を自在に扱うというのは・・
径でも高さでもない・・厚みなのだ
厚み以外は・・目で見える
目で見えるものなら・・制御できるが
見えないものをどうするか・・?

目をつぶって・・指で感じればいい
目を閉じた途端に・・びっくりするほど・・
指が敏感になるのが判るはずだ

「土が・・聞こえる」・・私にはそう思える



昨日は・・久しぶりに
地元の陶芸家仲間と・・忘年会をした
広島焼きを食べて・・カラオケハウスで飲みながら喋った
5人で・・3時まで

さすがに・・即日更新ができず
しかも・・今朝は少し遠くまで
大皿を納品する約束だったから・・
戻って・・今書く羽目になってしまった

たまには・・こんな日もあると・・
来年古希・・朝帰りはちときついかも
反省!!・・はしてみたが・・






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by touseigama696 | 2011-12-29 16:39 | ●窯だ行進曲 | Comments(2)
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平成7年1月5日・・
私は生まれて初めて粘土に触れた
その年の1月17日・・あの阪神淡路大震災が起きた
忘れられない年になった

始めてすぐのころに・・手びねりで作った器
それが・・このぐい呑みとしか言えそうにない2点
紛れもなく私の処女作だが・・無論下手だ

やりたかったのは・・ロクロだが
半年は・・手びねりの稽古だと言われた
そういうものかと従ったが
萩で見た・・あのロクロ職人の鮮やかな技が
目の前にチラつき・・もどかしく半年待った

やがて・・ロクロの手ほどきを受けて
湯呑み作りが始まった
湯呑みが・・ロクロの基本だと教えられた

待望のロクロ・・
湯呑みに明け暮れる稽古に
不満があるはずもなく・・夢中で挽いた

一回の稽古で・・
精々5個くらいしか出来なかったが
「100個まで・・湯呑み以外は挽かない」・・と決めた

挽けば・・翌週に削る
形になるのは・・月に10個
100個に届くには・・10か月
まぁ・・1年は基本に徹しようと覚悟した

実際に100個挽いた
しかし・・10か月はかかっていない
多分3~4カ月だったと思う

短縮できたのは・・簡単な理由だ
「上達」だ・・今日5個しかできない・・
それが続くなら・・10か月かかるが
明日は10個出来る
そうなれば加速度的に・・期間は短くなる

このときの経験が・・私の陶芸の源流である
どんな難しいことも・・真剣に繰り返せば
必ず出来るようになる・・つまり上達である

大事なことは・・下手な自分を通して
上手な自分を想像する力・・これだ

「・・やってみたけど・・上手くゆかないから
・・何か別のことしよう・・!」
これがいけない

「・・やってみたけど・・上手くゆかないから
明日・・もう一度やってみよう・・!」
そこに・・上達や進歩が生まれるのだ

湯呑み100個・・今なら一日でもできる
あの頃よりは・・上達した筈だからである

手許に置いたこの処女作を見るたびに・・
たった16年の歳月が・・私にくれたもの
その大きさを・・しみじみと感じる

「今日できなくても・・明日必ずできる」
できるようになった自分を・・想像して
飽きず繰り返すことを・・
初心の同好の士に・・お奨めしようと思う




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by touseigama696 | 2011-12-08 01:11 | ●窯だ行進曲 | Comments(6)
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随分使い込んでるが・・
これもともとは・・鍋に使うしゃもじ
長い柄を切って・・ヘラで使ってる

色々な大きさがあるから
見かけたら・・買っておく
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洒落じゃないけど・・
しゃもじ使って・・茶碗作る
勿論・・手指だけで作れるが
このしゃもじを使えば・・
簡単に・・同寸同姿になるから不思議?

まずは・・
少し口の開いた湯呑み風に挽きあげる
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しゃもじより遥かに狭い筒湯呑みに
そのしゃもじを・・下に向かって押し込んでゆく

底まで押し込んだら・・
しゃもじはじっとして動かず
左手で外周の土を・・内側のヘラになでつける
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何度か繰り返し・・薄味にしながら
しゃもじの丸みのままに
外側のシルエットができる
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最後に・・口縁部を少し広げて茶碗らしく
なめしを掛けて・・仕上げる

しゃもじのシルエットを活用して
ふっくらと丸みのある茶碗が
同じような手順で・・積み重なる
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挽き始めの土塊の状態は・・
径が親指一本分(6.5cm)
高さが指4本分(多分350gm程度)
挽きあがりは径13cm・・まあまあである
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しゃもじは・・応用の広い道具
みつけたら・・溜めておくと
使いごろは・・向こうからやってくる

必要で探すのも・・道具だが
予感で集めた道具を・・活かすのも
それも・・道具だと思う




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by touseigama696 | 2011-12-03 02:01 | ●窯だ行進曲 | Comments(6)
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「目がものさしで・・手が道具」
たしか・・加藤唐九郎さんの言葉

ものさしを使わずとも・・目が寸法を覚え
自分の手一本で・・作りも細工も何でもできる

そうなれ・・という教えなのだ
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2001年・・日本陶芸展での初出品初入選が
プロへの道を歩き出すきっかけになったが
その時の出品は・・「黒天目組鉢」
図録で見ると・・径が22cm高7.5cmとある

目がものさし・・になるくらい
同寸同姿にこだわって作ったが
爾来・・最も大事にしている教えである
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土塊の大きさから・・寸法を量る
そして・・正確にその寸法を守り
目で・・しっかりと記憶する

面倒でも繰り返し・・同じことをすると
次第に・・目がものを言うようになる
「これで12cm!」・・量らずとも見えてくる
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途中の寸法を・・きちんと守りさえすれば
最後の姿も・・同じになる
31cmを狙うのではなく・・
結果として31cmになればいいのだ

ひとつひとつの寸法を・・目で覚えて
できるだけ少ない手数で・・正確に通過する
31cmで揃うには・・必至の過程なのだ

大きな公募展に出品する場合
上がりが25~30cmくらいの器は
高さの誤差は・・0mm
直径の誤差は・・2mm以内
自分の基準を作って・・
その範囲内で・・6客に組むようにしてきた

目がものさしで・・手が道具
このふたつは・・有り難いことに
置き忘れもなければ・・失くすこともない

だから・・道具箱の要らない・・
便利な道具なのである




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by touseigama696 | 2011-11-25 01:30 | ●窯だ行進曲 | Comments(2)