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2012年 04月 02日
![]() 今日は朝から・・ 試作品のテスト本焼きをしながら タタラの板皿に・・糸を貼って一日が終わった この10年・・この仕事が 私の陶芸のコアになっている ひとつのアイデンティティーを作ろうとすれば 10年ががりになるのは・・さして不思議ではない 「糸抜き波状紋大皿」・・ 出品作のタイトルは・・いつも同じ 技法と紋様だけで表現してきた ![]() 10年かかって・・個性らしさを手にできたが 同時に・・その個性が私の陶芸を拘束もする 土もロクロも・・釉も焼成も 糸抜き技法と・・いつでも不即不離 だから・・新しい展開を求めて試作が続く ![]() 大皿に・・新しい紋様を求めることも 大皿で使った紋様を・・小物に活かすのも やってみると・・決して容易ではない 彩色も・・一つの変化 そう思いながら・・試しているが なかなか・・思い通りにはならない 晩学の弱みは・・随所でボロがでる 歩きながら・・今出した足は・・ 右?それとも左?・・って確かめてるみたいだ 二本足なら・・どっちかでしかないが 陶芸は・・百足(むかで)みたいなもん 今・・どの足で歩いてる?・・って 訊いても答えてくれそうにない 窯の火を落とすころ・・糸貼りも終わった 14日までに完成させねばならない 明日は・・釉掛けをしておこう 2012年 04月 01日
![]() 「昴」には・・居心地の良い場所・・ という意味もあるそうだ・・だから 谷村新司が歌う・・さらば昴よ・・は 居心地の良い場所への決別 そして・・荒野に向かう道を 歩きはじめる決意の歌というわけだ 大袈裟なことを言いたいわけじゃないが 長年務めた病院を辞めて・・ さしたる成算もないままに 陶芸の道を歩きはじめたころ これも・・さらば昴よ・・だと思ったものだ ![]() そして・・今こうして工房にいて 無心に・・手慣れた作業を進めていると これも・・別の「昴」だと思えてくる だからと言って・・ここに別れを告げて 再び・・荒野の道を歩くことはなさそうだ 終の棲家・・若さの喪失でもあるが 安住の地・・たどり着いた安堵でもある ![]() 素材に囲まれて・・ 牛歩のように遅々とした作業に 僅かに苛立つことはあっても 日暮れて遥かな・・この道を どこまで歩けるのか・・ 精々・・楽しんで生きてみたいものだ ![]() 重箱の隅を突いて・・優れた大義は立つまいが しかし・・良い重箱を作ろうとしたら 隅を粗末にして・・出来るはずもない 少し四隅が見えてきて・・ 仕事とは手間のかかるものだと やっと分ってきたような気がしてる 2012年 03月 21日
![]() この板皿を・・ 生まのまま丁寧に研磨したのも ![]() 50cmに近いこの大皿を ロクロで挽いたのも・・ 何をどう作りたいかは・・はっきりしている ![]() その仕上がりをイメージしながら そのためにしなくちゃならないことをし しないでいいことはしない 目的が見えてると するべきことをしない・・手落ちも しなくていいことをする・・無駄も はっきり判ってくるから・・真っすぐ進めるのだ ![]() この関係を・・整理すると 目的が見えてることを・・戦略といい するべきことをし・・しなくてもいいことをしない その具体的な策のことを・・戦術というのだろう ろくろの稽古をしたり 加飾を繰り返すのも 窯焚きに慣れようとするのも 全ては・・戦術 しかし・・それができたからといって 作りたいものが・・作れるわけじゃない 目的としての戦略が欠落すれば 戦術としての技術は・・空回りしてしまう だから・・ 戦術に長けることで・・ 目標たる戦略は更に大きくなるし 戦略が見えてくれば・・ 戦術を磨くことが嫌やでなくなるわけだ ![]() あまり好きな区別ではないが・・ もしもプロ的とアマ的という言い方をすれば 戦略から戦術を導くのが・・プロ的 戦術を積み上げて戦略を模索するのが・・アマ的 この違いが・・どこに現れるかということが 最後の命題になるのだが・・それが表現力だと思う 表現とは・・戦略でもなく戦術でもなく その両者の統合と融和の中でみえてくるもの 私は・・そう考えている やろうとしていることは・・はっきりしているのだが それが思い通りになるかどうか・・ 徹底的に戦術を磨く・・それに尽きるのかも・・ 2012年 03月 18日
![]() この10年ほど・・ 主に手掛けてきた仕事は・・モノ・トーン 黒地に白化粧で・・加飾したものだった 勿論・・モノ・トーンが好きでしてきたことだが 1~2年前から・・色に目覚めた(笑) ![]() 昨夜も・・夢中で極細の面相筆で 塗り絵にいそしんだ・・実に楽しい テスト・ピース作りなのに・・時間を忘れた 少し乱暴な言い方だが・・私見では モノ・トーンでの表現は・・ やや理性的な作業に傾くような気がする だから長時間続けてると・・結構疲れるのだ 一方で・・色を使うのはとても情緒的 ともかく楽しいし・・気持ちが高揚する そうしてみると・・両方を・・ 適当に組み合わせて作るのが・・良さそうだ 陶芸に限ったことでなく 手間ひまのかかる仕事をする場合 メンタリティーは・・大事な要素 右や左に傾けた感性を・・ ときどきシャッフルして・・掻きまわすのがいい 気分転換にもなるし・・ 新しいアイデアの温床でもある 2012年 03月 03日
![]() 休日の昼・・妻がチキンでトマト・シチューを作った 久しぶりに・・この器に盛った 30cmほどの皿だが・・ 多すぎも少な過ぎもせず・・ほどよく盛られた 他に小さなサラダとパンだけだが テーブルは少しもさびしくなかった 少したっぷりとした器に・・ほどほどの料理 それでいて・・食卓をみじめにしない雰囲気 食には・・世代に応じた演出があっていい ![]() 子どもたちが育ちざかりのころ・・ 食卓は・・まるで戦場みたいだった 数も量も消耗戦・・演出どころじゃない 胃袋に石炭をくべるがごとく・・ それで・・子どもは走り育っていった そういう時代が過ぎ去って 少し静かになった食卓に並ぶのは 料理であるよりは・・安らぎであり寛ぎ だから・・演出が大事だと思えるのだ 演出とは・・嘘ではない 飾るとは・・偽物ではない 気分を大事にするための・・気遣いなのだ それも・・客人のためではなく 自分のため・・夫婦のため 老いて失うものを・・補って 老いて欲しいものを・・満たすためである 食べる量が減ったから・・器は小さくてもいい それは・・演出という意味では好ましくない 「・・そんなに多いとは思わなかったのに・・ でも・・しっかり食べちゃった!」 大き目な器がもたらす食の効果 そんなことを考えながら このシリーズの器を作ったのだった =速報!= 郵便による通知は・・ 多分週明けに届くのでしょうが 今・・もしかしたらと 日本工芸会・東日本支部のウェブを見てみたら 「第52回 東日本伝統工芸展」の 入選者リストが発表されていました 今年も・・入選しました 連続で6回目・・まだ幸運が続いています 4月18日(水)~23日(月)まで 日本橋三越新館7階ギャラリーで開催されます お時間があったら・・ご笑覧いただければ・・です 2012年 02月 28日
![]() 二つの点を結ぶ最短の線が・・直線ということなら 最短でないものが・・曲線 直線よりも余分に線を使うわけだから その使い方次第で・・饒舌にもなって 多分・・美しさも品性も失うことになる そうしてみると・・ 曲線での表現は・・技術的のみならず 人間性を問われることにもなりかねない 自然界には・・ 何の作為もない無垢な曲線が沢山ある 昨日・・自然界に学ぶべきと書いたのは 定規に添えば・・ 機械的に描けてしまう直線と違って 作為が働きやすい曲線が 如何に無心に引けるかを・・ 大事にすべきと・・思うからだ ![]() 加飾としての曲線表現にとどまらず ロクロ成形の場面でだって・・同じこと 挽けば削る・・量的には色々あるが 挽いたものは・・削って調子を整える 挽いてるときには・・水分から保護するために 厚めにしておかねばならぬ部分も 乾けば・・不要で削り落とす 削りもまた・・大事な技術である ![]() ここに載せた三点は・・数日前に挽いたもの 手なりで挽いたからぬるいかも・・と書いた 主力の作品というわけじゃないが 曲線の削りの手慣らしにすることにした 真円も・・S字曲線も・・卵形楕円も 色々な作品のどこかで・・ 必ず出っくわす曲線・・丁寧に稽古してみた 広くて穏やかなゲレンデを 大きなシュプールで滑るスラロームをイメージする どこにも破断点が残らないように・・端から端まで・・ 一本の流れるような曲線がほしい この手の作品を作るときは やはり時間を惜しまず 丁寧に向き合うことが大切だと思う 表現力を身につけながら・・ その上で・・大胆な個性を造形できればである 稽古もまた・・楽しからずや 半年後の個展を目指した一歩のつもりである 2012年 02月 28日
![]() 今夜書いてみようと思う話題は・・ 学問的に根拠があるわけじゃない 直感の言わせることだが・・ だからと言って・・思いつきでもない どういうことかと・・言うと 「自然界に自然に存在するものに・・ 直線で構成されるものはない」 こう言いきっていいのか・・私には確証はない でも・・こんなことが頭に浮かぶ 子どもが・・紙に丸い円を書いたとして 「あら・・それってリンゴ?それとも・・すいか?」 って・・聞くかもしれないが 四角を書いたとしたら・・ 自然界に自然に存在するもので例えられるだろうか 思いつかないのだ さて・・もうひとつ確証もなしに書くが だから直線は・・人間が観念的に作った線 そう考えれば・・四角を書いた子どもに 「それって・・お豆腐?それともノート?」 って聞けるではないか・・どちらも人工物だ ![]() 直線は・・人間が考えた概念とすれば 直線を書くなら・・人間が一番上手いはずだ 一方で・・曲線なら 自然界には幾らでもある 全て形あるものは・・曲線で構成されているとして もし・・人間が曲線を描こうとしたら 自然に学ぶ必要がある 私が・・細い糸状テープを貼りめぐらして 波状の紋様を打とうとすれば 波を観察し・・特性を掴んで貼らねばならぬ 自然が無限の時間を使って繰り返してきた「波の曲線」 簡単に真似でききる筈もない ![]() 今のモチーフを手がけ始めたころ 笠間の山路さんに・・こう助言されたことがある 「この技法は・・曲線がいいね」 その時から・・ ここに書いてきたことが頭にある 直線なら・・人間が一番 でも曲線なら・・飽きず繰り返して まずは自然の造形物に・・近づこうとすべきだ 色々試行錯誤してきて・・ 直線は・・目で作れるが 曲線は・・脳内のリズムだ だから・・曲線は音楽だと思う 大皿に波状紋を打つときは・・ スキーに乗って・・音楽を聞きながら 壮大なゲレンデを・・滑り下りてくる気分 自然界に同調できたような・・その気分が 僅かに・・波らしい波線が描けるようだ 曲線にこだわる旅は・・ まだしばらく続けるつもりである 2012年 02月 20日
![]() 先日・・貼り終えたタタラの花器 なぜか・・もうひとつ納得していなくて 釉掛けを伸ばしてきました この作品は・・公募展向けではなく 昨年からの注文制作の分なのです 公募展と注文制作・・ きちんと区別しておくべきものがありそうです ![]() 今日・・豆窯を焚きながら・・暫く考えました そして・・ 全て剥がして・・やり直しにかかったのです 前のに比べると・・柔らかで優しい波にしています この花器が・・あの玄関に置かれて そして・・ 季節の花が活けられたことを想像すると 波は・・穏やかで静かで・・優しい方がいい そんな風に思えてきたのでした 公募展への出品は・・作品を通してのチャレンジ 特化した個性を意識しますが 置かれる場所が決まっていれば 用途が優先されるべき・・だと思ったのです どちらが正解なのか・・悩ましいところです 二基作るつもりなので・・ この作品と対比して・・加飾してみようと考えています 2012年 02月 19日
![]() 教室の釉掛けで・・少し疲れたが みんなが帰ったあと・・ 昨日仕上げた大鉢に掛ける白化粧を作った 4㍑くらいのことなので・・ ミルではなくミキサーを使った ![]() 始めてしまえば・・1時間ほどの作業 まずは材料を運んで・・計量する 一袋が25kg・・重い・・ともかく重い 情けないほどに・・足元が覚束ないのだ 最近・・日に一度や二度は 苦い失望で・・わが身を呪いたくなる 当然の帰結とはいえ・・衰えを自覚せざるを得ず・・ そして・・奈落の底に落ち込む羽目になる 目の前が見えず・・置いた物が消える 憶えていた場所に・・大事なものが見当たらず 大事な場所は・・不要なもので溢れている 午後の外出は・・午前中の仕事を台無しにした上 外出の準備に手間取って・・電車に乗り遅れる 今夜は・・重さに喘いで打ちのめされた 「10年前だったら・・朝飯前でやってのけたものを・・」 500kgの粘土を・・ 車に積んで・・車から降ろして・・そして 室に運び込んで・・都合500kg×3回 一トン半を・・ものともしなかったものだ・・ 数カ月後に・・古希70歳になる ヒシヒシと・・老いが忍び寄り また何かを・・私から奪ってゆく 老いに慣れる・・目前の課題である ![]() たっぷりと・・化粧土ができた 明日は・・豆窯を焚きながら 大鉢に・・吹きつける予定 かろうじて維持できてる肺活量5000cc超も やがては脅かされるにちがいない 「老い」・・どう折り合いをつけてゆけるか やはり少し寂しい思いに駆られる・・夜である 2012年 02月 13日
![]() あのマグロの解体ショーのあったパーティーの夜 地元の同じ仲間のひとりが・・ 「・・2月になったら・・剪定した梨の枝を焼くって 梨園さんが言ってましたから・・連絡しますね・・」 そう言ってくれた 梨園は・・焼いた枝の灰を肥料にして根に播く その一部を分けていただけるようお願いしてあった 4年前・・同じようにしていただいた灰で 梨灰釉を調製して・・これらを焼いた ![]() レシピ的には・・ 私の黄瀬戸の土灰分を梨灰に置き換えた釉である 黄瀬戸・伊羅保などと同系の釉 外側の黒と調和して・・好きな釉になった 分けていただいた灰を・・ 時間をかけて灰汁抜きして 他の釉材を加えて調整することになるが 生まな素材だから・・ 必ず同じ発色をするとは限らない 再現の難しさは・・天然ならではのこと いつでも・・スリリングである < 前のページ次のページ >
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