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桃青窯696

touseigama.exblog.jp

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

カテゴリ:●愛しきものよ・・( 51 )

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壁に掛けたこの遺影を撮ったのは
去年の今日の・・午前中だった
陽ざしの暖かい朝だったように思う

そして・・同じ日
これを書いている今から数時間後
妻の部屋で寝ていた桃次郎は
妻が僅かに目を離した隙に
黙って独りで旅立った
それが・・柴犬の矜持だったろうか

今はこうして
私の作った骨壺の中で
妻の背中越しに座っている
家族の様子が一番よく見える場所なのだ

「モモジロウ!・・ハム食べるかぁ?」
ときどき・・こちらも声をかけるが
答えてはくれない
でも・・生前と一緒できっと通じてる


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娘に抱かれ・・娘の贈りものとして
我が家にやってきた桃次郎
まるで豆狸だった


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やがて成犬ともなれば
正統な血統が物をいうのか
凛々しい柴になった

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朝晩の散歩が一番の日課
私と妻の交代で連れ歩いたが
散歩させているのは・・我々なのか桃次郎なのか
いつもこちらが引っ張られていた

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彼は・・17年の生涯を
室内と二階のベランダで過した
庭はあったが建物の陰で暗かったから
日当たりの良いベランダが・・彼の庭だった
朝になると・・このガラス戸からベランダに出た

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豆狸のころからの愛用のかごが
彼のお気に入り・・狭いだろうに
大きなお世話とばかりだ

このベランダに扉はなく
外階段から逃げることもできたが
まるでエアードアーがあるみたいに
決して階段を下りることはなかった
どうしてそう決めたのか・・今でも判らないが
逃げる必要もない・・安穏な生活
もしそうだったのなら・・そりゃ嬉しいというもんだ


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無駄吠えもせず・・あちこち疵だらけにするでなく
性格の優しい柴だったから
近所の子どもたちにもされるがままに
撫でられていて・・人気者だった


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我々と一緒に転居して3年
ここは彼にも隠居所だった
階段も床も敷物が敷かれ
滑っても転んでも安全を図り
居間から玄関は・・エレベーター
お犬様の晩年・・枕つきで寝ていた

17年という歳月は
我が子でも青年に育つ時間
桃次郎も・・大事な我が家の家族だった
一年たっても・・喪失感に変わりはない

在りし日の彼を思い出しながら
夜は更けてゆく



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by touseigama696 | 2017-10-29 00:11 | ●愛しきものよ・・ | Comments(2)
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この週末・・妻を連れ立って
大雨の中・・久しぶりに大分に飛んだ

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長男夫婦の間に生まれた・・我が家のお宝
三個のジャガイモたちを訪ねるためだ
陸翔 登太 哲平
6歳・3歳・0歳
このジャガイモたち・・3年ごとの豊作だ
色々な祝事を束ねて訪ねた

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一つ目は
長男陸翔にランドセルをプレゼントすること
来年はいよいよ小学生になる
始めてお食い初めの器一式を作ったのが
つい昨日のことなのに・・早いものである

既に気に入ったものを選んでいたので
それを贈ることにした

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二つ目は・・三男哲平との初対面である
個展準備の真っ最中の誕生だったから
妻にまかせ・・お食い初め一式届けて
会えずじまいだったのだ

改めて抱いたが・・これまた
あっという間に大きくもなり・・重くもなった

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これが次男の登太
兄と弟の間に挟まれて・・いずれ
微妙な力関係を要求されそうな立場だが
よくしたもので
茶目っ気たっぷりの日々
きっと上手いことやってのけそうだ

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この春からは
兄のお下がりではない・・新品の制服を着て
兄と同じ幼稚園に通い始めた
これが三つ目の祝い

ついでにこの一枚の写真
全景は遠慮しとくが・・息子夫婦は
三人の男の子たちを・・伸び々と暴れさせたくて
今年になって
足音に気兼ねした・・それまでのマンションを出て
新築の戸建てに買い直した

その玄関に立つ二人なのである
狭いが庭もあって・・デッキテラスもある
バーベQではしゃぐ三人が目に浮かぶ
新居移転・・四つ目の祝いである

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最後にもうひとつ・・この二匹の猫
息子夫婦の10年をつぶさに見てきた
家政婦は見た!・・かもだ

左がタロウ・・右がチャー
タロウは新婦の連子で
チャーは新郎の連子だ
だから
新婚の日々から一緒だった
人間でなら既に80歳も過ぎた老猫
三人の孫たちを見守りながら
今なお元気な毎日を過ごしている
これを五つ目にしよう

今は日に日に育ってゆく三個のジャガイモたち
我々老夫婦には
かけがえのない三個のジャガイモである
ホクホクとして土が匂う
豊かなジャガイモに成長してほしい

そう願いながら
二泊三日を経て・・同じ雨の中
帰りの便に乘ったのだった



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by touseigama696 | 2017-10-17 10:54 | ●愛しきものよ・・ | Comments(6)
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8年前の晩秋・・いつものように
桃次郎を連れて朝の散歩にでかけ
いつものように・・ジョンの住まいを訪ねた

しかし
この朝のジョンはいつもと様子が違っていた
私に飛びつこうとしているが
表情が険しいのだ・・何かを訴えていた


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ジョンは・・ここで飼われていた
今風なら
リバーサイドのウォーターフロントだ
飼い主のおっちゃんは・・いわゆるホームレスで
この川の畔の橋の下に小屋を作って住んでいた
時折り・・仲間と朝食してる姿を見かけ
シャレてるじゃん・・そう思ったものだ

  
ジョンと我が家の桃次郎が縁で
いつとはなしに
おっちゃんとも仲良くなった
事情があってのことと
名前も聞かず・・歳も知らないままだった

でも気を許してくれてのことか
問わず語りに聞いた話は
この暮らし・・楽ではないなだった

「こいつに生肉食わせるのが大変でさ
知り合いの肉屋で余り物買って
鍋で煮て傷まないように食わせるが
月に一万もかかっちゃうんだよ
でもさ・・それだけが楽しみなんだ
こいつの人懐っこさに救われてるもんな」

少しも投げやりなところのない
穏やかで優しいおっちゃんだったし
ジョンも私になついて
近寄ればすり寄ってだきついてくるのだった

冬などは・・さすがに寒そうで
体の大きさは少し合わなくても
なくても済む衣類を運んだり
頂き物の食材食料とか
到来物の酒持参で差し入れたりしてた

「こんないい酒一人じゃもったいないから
ともだち呼んでやっていいかい?」
振る舞えることが嬉しそうだった


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こんなつきあいが1~2年続いての・・その朝
ジョンの様子は・・いかにも異様だった

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初めて・・おっちゃんの小屋の
ドアの隙間から中を覗いた
病気で倒れてはいないかと心配したからだ

やはり掘っ立て小屋ではある
でも・・おっちゃんが丹精込めた我が家
それなりに小ざっぱりしてはいたが
いわゆるもぬけの殻で
ひとが抜けたままの姿で・・布団が敷かれていた
枕もとの・・電池だけが頼りの携帯ラジオ
電灯が灯ることのないこの部屋で
暗い夜の楽しみは・・これだけだと
話していたのを思い出した

それまでに
おっちゃんがジョンをつないだまま
長い時間でかけることはなかったようだし
ジョンの餌鉢が渇いてることもなかったから
それに・・ジョンの異常な悲壮感

不吉な予感がして・・もうひとつ下流の
橋の下に住むおっちゃんの友達を訪ねた

「あぁ~おっちゃんな
三四日前だったかな
ともだちと一緒に飲んでてさ
どういうわけか喧嘩になっちゃって
取っ組み合いでふたりとも
川にはまって死んじまったのさ
ジョンは・・今日明日に
別のともだちが引き取るって
言ってたけど・・どうかな」


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あの日のジョン
どう見ても・・涙目である
泳いだ目が探してるのは・・おっちゃんだ
死んだと判っているのかもしれない
きっと目の前で溺れたに違いない
それを私に伝えようとしていたんだろうか

急いで自宅に引き返し
桃次郎のドッグフードを車に積み
ジョンの餌鉢に溢れるほど入れた
今のジョンに腹は空かせたくないと思った

翌日の朝・・やはり気になって訪ねた
しかし・・そこにジョンはいなかった
無事を祈るばかりだったが
あれが・・ジョンを見た最後の日になった

今思えば
おっちゃんは悪い死に方じゃない
あのままあそこで
厳しい暮らしに耐えるには限界もあったはずだ
病気で独り寝込むことを考えたら
いかにも不安だったに違いない

互いの境遇を共有しながら
仲のよいともだちが・・酒のせいでか
他愛ない喧嘩で・・じゃれて取っ組み合い
抱き合って死んでいった
ホンワカしたものさえ感じるのだ

ジョン!・・ところでお前は今どこ?
あれから8年・・微妙な時間だ
もしかしたらあっちで
またおっちゃんの世話になってるかもだし
桃次郎とも再会できたかもしれない

短い歳月だったが
忘れがたいつきあいだった



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by touseigama696 | 2017-09-16 19:41 | ●愛しきものよ・・ | Comments(7)
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去年の今頃・・晩年の桃次郎です
殆ど妻の部屋・・ときどき私の部屋を
行ったり来たりの日々でした

私が作った骨壺に入ってやがて1年
まだ喪失感は残っていますが
もの言わぬ無償の愛
沢山の思い出が蘇ります

数日前・・私のPCの家庭教師syuちゃんから
メールが届き


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この写真が送られてきました
「もも」・・とだけ書いてあったので
ふとどこで撮ったいつ頃の桃次郎だろか?
いぶかし気に見たのですが
syuちゃんに電話して・・判りました

この「もも」は
桃次郎の末の娘なのです


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桃次郎が5~6歳の頃
束の間でしたが・・結婚したことがあります

左が桃次郎・・右が嫁のマロンです
実はこのマロンちゃんの飼い主が・・syuちゃんなのです


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やがて四匹の息子と娘が生まれ
マロンの決死の育児は
ひともかくあるべし・・を思わせるほどに
献身的で感動させられたものでした

何もせずにのほほんとしていた関白亭主の桃次郎
今となれば未亡人のマロンに
せめて感謝の一言くらい残せればよかったのに
ここでもまた・・もの言わぬ愛だったのだろうか

この四匹のどれが末っ子「もも」なのか
私には判りませんが・・柴だからとはいえ
桃次郎だと言われればそうかと思うほど
面影を感じて・・ひとしきり懐かしく見ました

桃次郎は異郷ですが
マロンと子供たちの無事をこころから願いながら

桃次郎が家族の一員だった16年を
無性に切ない思いで・・偲んでいます



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by touseigama696 | 2017-08-15 23:26 | ●愛しきものよ・・ | Comments(4)
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窯を開けたら・・これが
どうやら無事に焼けていた

万が一のために用意しておいた
二の矢は無用で済んだ

三番目の孫・・哲平へ
爺からの贈りもの
かつて上の二人にも作ったので

「お義父さん!・・
個展の準備で忙しいから
お兄ちゃんの支度を使い回しますよ」

嫁が気遣ってくれたが
そこはさすがに断って
三組目のお食い初め一式を作った

今回の個展で多用する
茄子紺で染めた麦藁手の器
来週には・・妻が携えて孫のところに飛ぶ
一緒に祝いの膳を囲むことはできないが
ラインで送られてくる写真を見てると
日に日にすくすく育ってくれている

男の子三人・・賑やかそうだ
何でも食べる逞しい子になれ!
爺は・・そう願うばかりなのだ



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by touseigama696 | 2017-04-29 00:39 | ●愛しきものよ・・ | Comments(4)
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閑話休題・・さて本題のやきものに戻ろう!

GWになったら
妻は三組目のお食い初めセットを抱えて
息子一家のところへ飛びます
長男・次男に続く三男哲平の
お食い初めの祝いが待ってるからです

個展の準備もどうやら峠を越えて
大慌てで哲平に取り組んでいます
峠を越えたとはいえ
一緒に出向くにはまだ慌ただしく
私は工房で留守番

双方の爺の名前に共通する「哲」をもらい
父親に名づけられた「哲平」
恙なく健やかに育ってほしいと
祈りを込めて・・これから窯で焼きます

この手の儀式食器に
しきたりがあるのか定かではありませんが
私の持ち技糸抜き技法で茄子紺に染める器に
ひとつだけ・・こだわりました

外側には麦藁手に紋様を入れましたが
器の内側・・つまり見込み側は
真っ白のままです

誕生して最初のお食い初め
父と母の手で盛られる食事が
その真っ白な器で血となり肉となり
逞しい体を育てる最初の色合いに
なってほしいからです

男の子三人・・賑やかです
送られてくる写真を眺めていても
床に足音が響くようです

その足音と大騒ぎを予期して
マンションから戸建てに越した息子一家
折角の親の愛に・・すくすくと育てよです

個展が済んだら・・顔を見に行くつもり
何てったて・・
まだ初お目見えもしていないのです



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by touseigama696 | 2017-04-24 04:40 | ●愛しきものよ・・ | Comments(0)
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老中というと・・幕閣で大老に次ぐ要職
徳川300年で26人しかいないらしい
井上河内守正直は・・幕末期に老中だった

遠江浜松藩最後の城主だが
この城の祖は家康だから・・
幕閣にふさわしい由緒ある藩である

この城で・・井上河内守正直に仕え
年寄りにまで昇りつめた老女が
実は我が家の初代である・・』

この辺りの話は
『老中・井上河内守正直』2011/05/20で書きました
なんとリンクしようとして・・巧くゆきません
お手数ですが・・日付で飛んでいただければです

日がな工房でこんなもの作ってる・・私が
この初代から数えて6代目
昔風なら・・本家の六代目ということになります

私に兄弟がなく
一人だけの叔父に男の子なく
仮に・・私が独身を通したり
結婚しても・・嫡男に恵まれなければ
又々昔流だと・・お家消滅というわけです

お家が問題になるような時代ではありませんから
まるで気にしていませんが
それでも我が家に姉一人の長男が誕生し
7代目は確保されたのでした

不思議なことに
数多いるいとこたちの中で
従兄・従弟に嫡男がおらず
そこでは・・いずれ苗字が消滅するので
我が家の7代目は独っきりの直系
タイトロープな家名だったのでした


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さて・・この二人
我が家の8代目兄弟です
養子にでもいかない限り
二人とも・・同じ苗字を継ぐでしょう
タイトではなくなりましたが
かてて加えて・・この二人のママは
目下三人目をお腹で育てています
それがまた男の子と判っていて・・三兄弟
家名は・・かなりワイドになってきました

昔なら・・それこそお家安泰のメデタシでしょうが
今では・・
「おい大丈夫か?・・三人大学にとでもなりゃ
結構大変かもよ」・・そういう時代です

昨日2人の孫と1,5人の母が・・空路飛来して
隠居所は急に賑やかかになりました
5歳の兄と2歳の弟です

この二人の・・父と姉の叔母も3歳違い
弟の面倒を見ながら遊んでいたのが
ついこの間のようにしか思えないのですが・・
40年はうたた夢・・幻の如くなりです

大晦日までには
その父と叔母も帰省して新年を迎えます


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合間をみては・・工房に戻り
気ぜわしく・・仕掛りの仕事を続けています

「ジイジィ!・・サンポイコォ!」
勝てませんねぇ~



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by touseigama696 | 2016-12-30 00:07 | ●愛しきものよ・・ | Comments(5)
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「結構頑張って長生きの桃次郎だから
これからは・・何でも好きなものを食べて
美味しいなっ!・・って暮らせばいいよ」

彼にとってはパトロンであり主治医でもある娘の意向で
それまでのドッグフードにこだわらず
家族の食事の分け前をもらって
嬉しそうに食べるようになった

やがて・・ダイニングのこの部屋が
彼のお気に入りの場所になった
自分専用の食事を後回しにして
家族の足元をウロウロしながら
おこぼれを催促するのだった

ヨーグルトや珈琲ミルクを舐めるのが大好き
フルーツも好きだった
嬉々としてパクつく姿が目に浮かぶ


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昨日・・荼毘にふして
お骨になった彼の居場所を・・ここにした
私が作った骨壺が・・終の棲家である
互いに・・少し慣れるまで
しばらくは・・みんな一緒がいい
地に戻るなら・・それからにしよう


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夕方からの外出までの間
昨日挽いた筒茶碗を・・粗削りした

誰にも・・「生きていてこそ」はある
桃次郎にだってあって
溢れるほどに癒してくれた

ものづくりが・・物を作る
それも・・生きていてこそである




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by touseigama696 | 2016-10-31 01:48 | ●愛しきものよ・・ | Comments(4)
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さすがに・・寂しさのつのる一日
時々・・身じろぎもしない桃次郎の
冷たい頬を撫でてみたり
名残りを惜しみながら
明日・・荼毘にふすことに決め
いつものように工房で過ごした


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考えてみれば
16年つきあってきたが
人間と犬の間に・・言葉の会話は一度もない
「ワン!」と「キャン!」と「ウゥ~!」だけで
それでも・・間違いなく家族同様の
強い絆は生まれていた

できるだけ・・犬らしく暮らせるよう
行き過ぎた擬人化のライフスタイルは避けたが
そうした全てを受け入れて
家族の手の中で過ごした一生だった

旧居時代・・ベランダに扉はなく
若いころの元気なら・・脱走だってできたのに
まるでエアードアがあるかのように
決してそこから一歩もでなかった

それだけの知能と言ってしまえばそれまでだが
しかし・・誠実とか忠実とかなら
どんな言葉より説得力があった


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一度だけ
散歩の途中でリードを手放してしまい
勢いよく走り去ったことがあって
慌てて自転車に乗り換えて・・探したが
自由奔放な走りにはついてゆけず
もしかしたら・・そのまま
県道の車にはねられたかもと
不安に駆られたころ・・
後ろから私を追い越して走り去る桃次郎が
まるで・・からかうように
我が家の玄関に飛び込むのを見て
笑ったことを思い出す

散歩の都度・・おしっこをかけて
マーキングしてたのは・・この日のためだよ
言葉にすれば・・そんなこと
決して裏切ったりはしなかった


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言葉はひとつもなかったのに
エピソードは沢山ある・・だから
思い出も沢山ある

桃次郎の骨は
私が作った骨壺に入れよう
そして・・桃次郎の思い出は
我々家族の胸に
深くしまっておこうと思う

夕方まで仕事を続けた・・そして片づけて
妻の部屋の桃次郎を覗いたら
朝のまま・・眠るがごとくだった




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by touseigama696 | 2016-10-30 08:29 | ●愛しきものよ・・ | Comments(10)
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元気なころは・・
こうしてじっと抱かれてるような
おとなしい桃次郎ではなかったが
昨日の朝食後・・膝の上に抱いたら
こんな具合に・・体を預けてきた

身じろぎもせず
力の抜けた体は・・温かいが
力なく・・弱々しかった

そして・・いつものように
妻と交代しながら・・様子を見ていたが
午前1時半ころ・・「ちょっと来て!」
妻の部屋からコールがきた

「ついさっきまで・・呼吸音がしてたのに
おしっこの始末してる間かもしれない・・」

まだ温かいが・・鼓動は止まっていた
ずっと目を離さずにきたつもりでも
桃次郎には桃次郎の矜持がある
僅かな時を選んで・・独りで逝った

16歳半の・・生涯は終わった
無駄吠えもせず・・朝晩の散歩道で
近所の子どもたちが撫でてくれば
嫌がりもせずされるがままだったし
野良の猫だったミーに
自分の小屋を取られても・・そっと
遠くから見てるだけの優しい桃だった

我が家の愛猫・愛犬の歴史は
桃次郎で終わりだ
この写真が・・最後の思い出
「いろいろ・・ありがとね!」


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我が家に来た日の・・桃次郎
まるで・・豆たぬきみたいだった

乗せた膝から降りられなくて
おずおずと後ずさりしてたのに・・
膝の上で始まり・・膝の上で終わった




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by touseigama696 | 2016-10-29 04:20 | ●愛しきものよ・・ | Comments(6)