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2009年 02月 24日
何ということか・・だが カメラを忘れて旅に出た 用意しておきながら・・ バッグにしまうのをうっかりしたのだ 芸艸堂発行 小鹿田焼 ![]() 息子夫婦を連れだって車を走らせた 「・・400メートル先コジカダを左方向・・」 びっくりした・・コジカダ・・? ナビゲーターのアナウンスがそうなのだ いつから・・オンタが・・コジカダに変わったのだろう 確かに・・小鹿田でオンタと読むのには無理があるが だからといって・・この歴史的な遺産を・・ そう簡単に読み変えたりはすまい 間違えたのだろう やがて・・人里離れてやや深い山あい 小鹿田の里が見えてきた 二度目の訪問である ![]() 10軒の窯元が集まったこの集落 集落自体が・・国の重要無形文化財・・に指定されている 250年に及ぶ小鹿田焼きの技法をそのままに継承して・・ みだりに変化を許さずに保存しようというのだ 少し大袈裟だが・・だから ここには江戸以来の焼きもの職人たちの日々が 今でも色濃く残されている 川の流れを利用して唐臼が日がな土を突き 水抜きされた土が窯の上で乾燥し やがて・・男たちが轆轤を挽く 一子相伝・・今でも守られているようだ ![]() ここに来るだけで・・ ここを歩くだけで・・ 野済みされた豊かな土を見るだけで 唐臼のコ~ンという音を聞くだけで やきものにかかわる者を 満たされた気分にしてくれる そのために訪れたともいえるのだ 「際」を拡げて・・ビックバーンのように どこまでも膨張し続ける現代陶芸の その原点を見る思いなのである ![]() 飛び鉋(かんな)と呼ばれる技法で紋様をいれたカップ 今回は・・ひとつ購入した 江戸時代にはなかった器だろうが 民芸の楽しさ・・それもいいではないか やがて夕暮れて・・歩くひともいない 息子の運転で・・湯布院の温泉に向かった 翌日の日曜日に 「第55回日本伝統工芸展 福岡巡回展」で展示されている 私の作品に再会し・・ 息子夫婦や友人に紹介しようという魂胆なのだ 2008年 07月 05日
![]() 古窯気まま旅から戻って・・あっという間の一ヶ月 締め切りの迫った展覧会を目指して 大皿に加飾しながら・・あのゆったりとした数日を反芻している ・・古窯に流れるあのゆったりした時間を・・ ![]() 昨年春の・・日本陶芸展大阪展に出向いた帰路に寄った丹波立杭に続いて 六古窯のひとつ・・常滑 やきものに関わりながら・・訪ねるのは初めてである ![]() 観光客相手の陶芸散歩道・・ 昔ながらの常滑の風情を知ってもらおうという試み 江戸のやきものづくりをそのままにした あの小鹿田の里とは・・少し意味はちがうが 古き常滑が垣間見える ![]() 観光だからといってしまえばそれまでだが この陳列は・・少し寂しい かつて出かけた信楽でも似たようなことを感じたものだが 由緒ある窯場が・・その由緒を輝かしくかかげるのは もしかしたら容易ではないのだ 伝統と観光は・・簡単には融和しない 伝来の常滑焼き・・をそのままに・・が 時代の風にさらされた「みやげもの」になれるのか・・・? 難しいところだ ![]() 「ちょっと入ってもいい・・?」 前方に座して仕事している女性は手を振って断った 断られたけど・・この工房の風情は好きだ 照明にゆとりのなかった時代に まるで木漏れ日のような光りの下で いつもの営みが繰り返されているのだろう ![]() 既に火のくべられることのない窯跡が 町の随所にあって・・昔日を偲ばせているが しかし・・ここは今でも由緒ある窯場なのだ ![]() この散歩道のあと・・常山窯を訪ねた 数年前に他界された人間国宝山田常山さんの窯である 急須の名人だった・・見るからに美しい急須・・ 常山さんのロクロを収録したビデオは・・ いつでも私の大切な教科書でもあった 四代目を襲名した絵夢さんと・・三代目の未亡人におめにかかり しばらく話を伺った 常山さんの急須といえば・・それはもう羨望の道具なのだが しかし・・その陰に潜む急須つくりの歴史的な悲哀 安穏な道ではなかったことを・・ しかし・・三代目の強い信念に一目も二目も置いて 言葉の端々に限りない尊敬の思いを計り知るのだった 伝統とは・・時代とともに変化すべきとしても しかし・・生涯を貫く信念なしには継承できないものでもあるのだ 2008年 06月 06日
この仕事が終ったら・・ 暫くどこかへぶらり旅に・・と決めていた 先週の水曜日の深夜 愛用のワンボックスの後部座席に 快適なベッドを設え・・寝袋一枚に枕をひとつ 適当に着替えと日用品を積み込んで 中央高速に乗った この夜から・・結局5日間 何一つ予定も予約もない・・ひとり旅が始まった 古い窯場を訪ねて・・その空気を吸ってみたい それだけで・・出発したのだった ![]() 諏訪の辺りで・・2時間ほど仮眠して あとはひたすら走った 夜明けには多治見に着いた ナビゲーターは・・こうした旅にはなくてはならない必需品 音声ガイドを頼りに・・人気のない古窯跡にたどり着いた 大萱 牟田洞古窯跡である かつて・・荒川豊蔵さんが 志野が・・瀬戸ではなく美濃のやきものと発見した あのドラマティックな歴史の書き直しの舞台がここだ 魯山人のもとを去って・・この牟田洞に窯を築き 志野の再現に生涯をかけた荒川豊蔵の人生が ここの空気の中に流れている ![]() ひっそりとして・・雨に打たれた色濃い緑だけが 溢れるほどに覆いかぶさってくる 朽ち葉を踏みしめながら歩いた 黙って・・ゆっくりと・・歩いた やきもの・・って そんな風に歩く地味な仕事だと しみじみと思った 荒川豊蔵氏の薫陶を受けた志野の人間国宝鈴木蔵さんに お目にかかったのは・・この日の午後のこと 突然の訪問でご迷惑だったろうに・・ こころよく通してくださり暫くお話を伺ったが 「ゆっくり焼いてゆっくり冷ます・・志野って・・それだけだよ・・」 そう言えるまでの長い時間・・途方もない試作の日々 静かなもの言いの・・静かな迫力 ゆるぎないものが伝わって・・気をいただいたようだ 旅は・・多治見 瑞浪 可児 土岐 瀬戸 猿投 常滑・・と続く 気ままなリラックスの独り旅・・ほんとに久しぶりのことだった 2007年 05月 27日
![]() 瀬戸 常滑 信楽 備前 越前・・・それに丹波 これで日本六古窯・・である 現代陶芸の多彩な展開も こうした古い窯場の伝統の上にある 窯元の集落を包む・・豊かな緑 立杭を訪ねる初めての旅だった ![]() 結局・・作りたいものを・・作りたいように作る 工房も窯場も・・そのための仕掛けでしかないが その作りたいものが・・作るに値するのか・・ その答えもまた・・工房や窯場に漂う空気が教えてくれる 私は・・それを「気」と考えてきた ![]() 名手名工の工房を訪ねる・・・ それは「気」に触れる旅である ![]() 日本陶芸展大阪展を見た翌朝 大阪からレンタカーで丹波に走り 過去四回の日本陶芸展でご一緒したりした 市野信水 市野雅彦 西端大備さんの窯を訪ねた ![]() 幸運なことにお三方とも在宅で お目にかかることができた それぞれに広々とした敷地の中に 点在する工房 窯場を案内くださって まさに「気」を思い切り吸い込んだ ![]() 穴窯や登り窯を 赤松で焚けば・・ 灰釉の自然な肌合いが生まれてくる しかし・・だからと言って 自然な・・とは・・無作為の作為 偶然ではないのだ ![]() 自作の窯を制御して 作りたいものを・・作りたいように 長い経験と・・ 微変を見逃さない集中力のしからしむるもの それが・・窯場に漂う「気」だと思うのだ 「よし!・・やるぞぉ~~」 名手の窯場を訪ねると・・ いつもそう感じる < 前のページ次のページ >
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