カテゴリ:●工房便り( 753 )

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この数カ月・・とりわけ年が明けてからは
明け方の4時半ころから
日没の6時過ぎまで
殆どここに座ってじっと作業を進めています

じっとしていても
時間は・・お構いなしに
疾風のように走ってゆきます
まるで特急電車が通過するかのようです


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そして・・各駅停車の車内で
こんなものが少しづつ形になってゆきますが
通過電車の疾風を浴びるたびに
その鈍足に不安を感じるものです

時間は流れであり
同時に・・ボリュームでもあります
強靭な被膜さえあれば
結構な量の仕事を包んでくれますが
時間の速度とボリュームの関係を
そこそこしっかりと認識してないと
根っこのある仕事にならないのかもしれません

じっと座って・・じっと手を動かしながら
そんなことを考えていました


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手間はかかりますが・・時のボリュームの中に
仕掛りの作品がたまってゆきます

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更に・・彩色して糸を外し
釉を掛けて窯で焼く・・まだまだです

ボリュームを目いっぱい広げて
一方で・・疾風を手で止めたい気分
与えられた時間に・・体当たりの日々が
暫らくは続きます

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昨日のうちに
養生でキャンバスを作っておいた飯茶碗
これから工房に入って・・糸を貼ることにします

やがて始発電車が走る時刻
負けずに・・頑張るつもりなのです




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一昨日
季刊誌「炎芸術」のスタッフがみえて
無事に取材撮影を終えた
そのことは・・別項で書こうと思うが

取材中・・ディレクターさんから
こんな話題が出た

「東日本の陶芸家さんで
牛ベラお使いになる方って・・珍しいですね」

その時カメラの前で挽いた茶碗に
牛ベラを使ったからだったが
なるほど・・と思いつつ
ちょっぴり不思議でもあった

こんな便利な道具・・どうして?
西の作家さんが多用するのは分かる気がする
長い間の伝統をもった道具だからである
古いものは・・西で生きてる
伝統窯業地でしばしば見かけ
学ぶことの多い・・歴史なのだ


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取材を済ませた昨日も
予定してた小鉢・・牛ベラを使った
使いながら・・やはり良い道具だと思う

この道具を上手く使えば
滑らかで破綻のない見込みのシルエットを
一連の手の動きで・・ものにできる
同じことを単体の木ベラやスポンジを使えば
ロクロ目が残って・・後始末が必要なこともある



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牛の舌・・とはよくなぞらえたものだが
確かに・・この自然な曲がりを生かせば
好みのライン・・シルエットを描ける

聞けば・・木を削ってこのカーブを作るらしい
縦にも横にも程よい丸みがあるから
曲げて作るのは無理
きっとそのせいだが・・結構な値段である
でも一本あれば・・そして使いこなせば
古人の賢さが・・手から伝わってくる


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昨日は
独っきりの工房だったから
使ってるところを撮れなかったが
古いライブに・・使ってる写真があったので
それをご紹介することにした

同じような小鉢
私の場合・・こんな風に握って使う

右手の親指と・・四本の指のそれぞれ
それに右手首に意識を注ぎ
必要に応じて・・必要なだけ力を入れる
それぞれがギアみたいなもんで
その力に操られて・・牛の舌が角度を変えるのだ

深さと広さと丸み・・全ては一連で動く
倒しながら・・広げながら
そして柔らかくて滑らかな丸み

牛の舌をリモコンで動かしてるようなもの
上手く使えると・・中々の快感なのである

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牛ベラの曲がりと・・器の丸みを
合わせるようにしてロクロを回す
同じ手つきができれば
同寸同姿の小鉢・・一丁あがりなのである

炎芸術のスタッフさんは
全国の作家を訪ねて取材されてるから
牛ベラと東日本の関係は
きっとおっしゃる通りだろう

食べる牛タンだけじゃなく・・使う牛ベラ
もっと普及させなきゃ!
そんなこと考えながら

さっきまでの朝飯前に
10個ほどの小鉢・・粗削りしたのだった

さて・・工房に戻らなきゃである



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この二本の花器
まるで鋳込みで作ったように
同じ姿に見えますが
ロクロで挽いて・・ロクロで粗削り
スクレーパーで仕上げ削りしたものです

ロクロ削りで仕上げなかったのは
シンメトリーを避けて
微妙な歪みを狙ったからですが
結果は・・鋳込み風の同寸同姿

狙い通りにゆかなかった・・でもあり
好きな姿を追ってたら・・似たものになった
とも言えて・・妙な気分です

もしも・・同寸同姿を意図するなら
ロクロで
回転横削りだけの方が意に叶う筈

スクレーパーで縦方向に手削りすれば
非対称の非なるものになるのが自然
さて上手いのか下手なのか
これまた微妙です

でもこの姿・・好きなので良しとしました
僅かなゆるさを持っていて・・でも端正に
願いは・・そこなのですが・・




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我が家の愛犬・・桃次郎が逝って4カ月
今でも・・ふと傍にいるような気がして
かつての雄姿を思い出しますが

彼の最晩年
老衰とはいえ多少の病はあったはずで
苦しかったろうと思うのですが
当然のように・・一言も泣きを入れず
部屋の隅にうずくまっていた姿が目に浮かびます

この数日
大仰なほどではありませんでしたが
やや体調を崩し
桃次郎に倣って・・じっとうずくまっていました

個展を控えた今の時期
無理して長引くのが一番怖いから
ふたつほど大事な約束を勘弁していただいて
巣ごもりなのでした


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4~5日前に焼いた窯
白茶碗と共に・・黑茶碗も出てきました
このシリーズは案外気に入っています

体調を取り戻して
もう一息・・集中しなきゃです
ブログも・・頑張って更新できますよう・・




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今日も・・また
教室しながら・・窯焚きながら
これもしました


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糸抜き技法定番の「波状紋」
半磁土の尺皿(径30センチ)です


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慣れてるので・・裏表3時間ほどで完了


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小ぶりの皿だから・・穏やかな波
茄子紺で彩色する予定です


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教室を終え・・窯の火を落とすまで
この偏壺にも糸を貼りました
こちらは黑泥に黑顔料彩色の予定
筆で塗り込みます



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夜明けから日没まで工房に籠っていると
朝は多少マシだった工房も
夕方にはどっぷり散らかっている


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乾燥や焼成までの予定を
劣化した頭に刻み込んで
幾つかの作業を並列で進めると
どうしたって・・掃除が後回しになる


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夜明けに粗削りして・・午後から仕上げた茶碗


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6個ほどストックができた


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この水指は・・午後削って夕方仕上げ
蓋が無事に収まって・・取りあえず棚へ


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轆轤に残った小さな土で
何となく挽いた・・小さな花入れ
こうしてみると・・僅かに真円がずれている
何となく気になるので・・乾いたら研磨で直そう


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こっちは・・明日の窯のための準備


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顔料を吹き・・糸をはずし
やや薄めに釉掛けした茶碗
全部で10数個・・夕方には豆窯に詰めた


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釉掛けの前に
明るい照明で器肌をチェックする
茄子紺の顔料がちょっとでも付着してると
焼きあがれば・・青々とした汚れになる
何度もいじめられてきた失敗なのである


日暮れた7時ころ
今日の仕事を終わらせ
気休め程度でしかないが
明日のために・・掃除をした

長い一日の角々で・・撮った写真
ブログでも使うが・・日記代わりのメモでもある
撮りためたライブをスクロールすれば
あれは・・いつごろした作業か
大まかに分かるから
全体が見渡せるという寸法なのである



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根つめて・・糸抜きばかりをしていると
やはり・・気分転換したくなります
だから・・昨日は
幾つか糸抜きではなく・・息抜きをしました


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黒土に黑の顔料
焼けば・・もっと黒々として
紋様は・・ぼんやりします


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素焼きした器に
藁を束ねた自作の細い刷毛で
ラテックスをすくい
気の向くまま・・手なりで走らせます
何を描こうという意図はなく
それこそ気ままなのですが
描いてみると
何となく・・何かに見えてきます


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何を目論んでも・・何に見立てても
どちらも間違いではない

使い手の想像に任せるのは
作り手と使い手の間の
穏やかな交流・・そう思うのです




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手前のぐい吞み・・縦糸貼りしてますが
計ってみたら
一個貼り終えるのに10分かかりました
小さいものだけど・・1時間で6個
案外手間がかかります

硬めのスポンジの上で
コロコロするのを左手で押さえながら
右手で糸を貼る・・その繰り返しでした
一個を10分かけて貼ってる間
いろいろ考えました

一個だけならともかく
量産するなら・・頭使え!です


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そして
これを思いついて・・作りました
台所用スポンジを二つに切って
亀板に・・少し離して糊づけしただけですが
その板を・・立てかけるようにして
ぐい吞みを挟みます


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こういう風に・・です
たったこれだけで
ぐい吞みは・・コロコロと手を離れて
遊びたがるのを押さえ
立てかけた45度の角度を生かし
両手で楽に貼れるようになったのです

だからといって・・一個につき10分が
3分に短縮ってわけにはゆきませんが
チョットした工夫に・・悪い気はしません

長丁場では・・こんなことが
細かい作業の忍耐を支えてくれるのです



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久しぶりに数挽きした飯茶碗
撮影用に急いで準備してるが
丁寧に削った

一応・・同寸同姿にしたいので
チェックしてみた
初心の頃は・・よくやったこと
茶碗のシルエットが同じなら
きれいなソロバン玉になる筈である


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直径が同じで・・高台から口縁までの角度と
シルエットが同じなら・・合わせた二つの茶碗は
きれいなソロバン玉に見える

更に・・このソロバン玉を3組ほど
高台の上に重ねることができれば
茶碗は水平にできてる証拠にもなる

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今日も・・色々作業を進めた
これは白土に・・白顔料
厚みをだして・・搔き落としとか
象嵌と似た効果を狙っている

顔料を変えてみた・・うまくゆくといいのだが


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糸を離れ・・ラテックスを使った不規則紋
これは黑土に・・黑顔料
素地と黒顔料の面積比で・・色調が変わるので
それが狙いの変化である


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一通の書面と共に
最近号の「炎芸術」が送られてきた
定評のある陶芸専門誌である


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書面には・・次回号での取材依頼とある
陶芸実践講座の第5回が・・本号の大原功樹さんで
布染め技法の銘々皿が紹介されている

その第6回を・・私の糸抜き技法で作る飯碗
で撮りたいという依頼である
たまたま6月の個展を目指して
現在依頼のままの仕事をしてるので
特別なことをしなくても撮れるかもしれない

早速・・今朝編集担当の方お二人が
打ち合わせに見えた
既に私のことは予備調査済みのようで
だから・・話は早い
2週間後を撮影日に決めた
5月1日発刊の130号だそうだ


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大原さんの項と同じで
全部で10ページを予定してるとか
結構大きなボリュームだから
きちんとした準備が必要である

撮影日までに2週間あれば
挽いたり削ったり・・素焼きしたり
撮影の流れをスムーズにするための経緯を
形にしておくことができる


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だから夕方から・・飯碗を1ダースほど挽いた
素焼きまで・・急げ!である




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