2017年 09月 21日 ( 1 )

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妻ジャンヌを描いたモディリアーニの作品


少し落ち着いた日々が戻って来て
かつて書き綴った「折々の折り」を
読み返したりする余裕もできてきた

懐古ではあっても・・今もそう思う
そうした記述をみつけ・・少し推敲を加えて
改めてふれてみた


モンパルナスの灯   

趣味の遊びで油絵を描いていた頃
人並みに人間の顔のデッサンを試みたことがある
最初のうち何枚描いても
妙に間延びした顔になってしまった
生身の人間がモデルになってくれよう筈もなく
手当たり次第に写真の顔を写しとってみたが
どうあがいても似ても似つかぬ顔なのだ

やがてある錯覚に気づいた つまり
左右の目じりを結ぶ線の長さと鼻の長さは
実際には目と目の方が長いのだが
描いてるデッサンは鼻の方が長くなってしまう
そのせいで間延びした面長になるのだ

しかし
自分で描いたデッサンを見て吹き出した
「これってモディリア-ニじゃないか!」
モディリア-ニの描く顔は大抵鼻が長い
それもかなりデフォルメして長い
一寸見には下手糞な顔である しかし惹きつける
瞳のない面長な顔は限りなく哀愁に満ちて
彼の人生そのものでもあるようだ

「モンパルナスの灯」を見た・・何度目だろ
昔の映画には手練手管はないが
見る者のこころを真っすぐに貫く力がある
画家の人生は 
どの道色彩と無縁には語れないものの筈だが
モノクロの陰影が色彩を捨象して
モディリアーニの悲しみを浮かびあがらせる
時代に早すぎた画家の感性と苦悩の末のこと
後世の人間が気づくボタンの掛け違いなのだ
そうしてみれば
あの時代に彼の才能を信じ切ったジャンヌの純愛は
決してひ弱なものではない

「お金より、励ましが必要なのです・・・」
非情なまでにモディリアーニの死を待って
作品を買い占めようとした画商モレルに向けた
この一言はジャンヌの存在そのものでもある

描くことも作ることも
時に時代の実益そのものとは限らない
才能が花開くというが
その才能はやがて作品の上では開いても
作者の実人生の上ではないことが多いのは
皮肉なことだ
「お金より、励ましが必要なのです・・・」
ものづくりに・・ジャンヌの言葉は今も生きている

没後百年・・落札価格の天文額に比べて
存命のころの窮乏は・・落差があり過ぎる
でも言い換えれば
画家の(画家に限らないが)の
時代を先取りする慧眼の凄さでもあろう

ジャンヌはモディリアーニの死後
日ならずして自ら命を絶った
ふたつの命の代償に
今もモディリアーニは燦然と輝いている
切ないが以って瞑すべしでもある
 
                              2003/11 折々の折り


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1995年ころの習作のデッサン

寸法の比率が解って
モディリアーニから脱出?(笑)
でも才能があるとは・・思えなかった

少し乱暴な言い方だが
陶芸は稽古次第で
ある程度まではゆけそうだが
絵となると
最初から才能のあるなしで
決まってしまいそうだ
そんな気がして
3年ほど趣味の油彩を描いて
陶芸に転向したのだった



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