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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

2017年 08月 13日 ( 1 )

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お盆の最中の日曜日
私には普段の一日だったが
夕方・・ふと茶が欲しくなった

そこで自作の茶碗で点て独服となったが


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ふと思いついて・・二服目にこの茶碗を用意した
赤楽の手びねりである
この茶碗で点てるのは・・久しぶり

じっと手にしていると
不思議な情景が浮かんでくる

亡母から譲り受け・・ずっと手許にあるこの茶碗
伝来をなぞれば
近代茶会史に名を残す途方もない数寄者がふたり
この茶碗を挟んで・・茶室に坐する姿が浮かぶのだ

「益田鈍翁」と「森川如春庵」
どちらも
明治以降戦前までの茶の湯の世界では
盛名を馳せた巨星である
三井物産の創始者でもある・・鈍翁益田孝
名古屋の素封家の茶人・・如春庵森川勘一郎
親子ほど年の差がありながら
数寄道を歩む同好としての敬愛に満ちた交流が
この茶碗の見込みに潜んでいる


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先月・・三井記念美術館でこの本を見つけ
思わず衝動買いしたが・・同時に
眠っていた好奇心が目を覚まし・・再び
この茶碗の来し方をつまびらかにしたくなってきた

発端は・・大分昔のことだが
母親が・・こう言ってこの茶碗を私に寄越した

「学校時代の親友が名古屋の素封家に嫁ぎ
何かの折に訪ねたら・・その帰りぎわ
蔵からこれを出してきて・・記念にと頂いたんだけど

書付けはなくて・・言い伝えの由来は
関東大震災の直後・・名古屋に疎開した鈍翁さんが
その滞在中世話をした如春庵さんと
手慰みに茶碗を作り・・茶会で使ったのだそうで
これはそのうちのひとつ・・と聞いてるものだとか」

地震も疎開も茶会も
その時期・・確かにその通りで
その折りの作品であったとして不思議はなく

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鈍翁の箱書きも・・真筆である
ただ伝聞による由来を確かめられない点がひとつあって
それは
作ったのが鈍翁か如春庵なのかが・・定かではない
箱書きの様子からすれば
作ったのは如春庵で箱書きが鈍翁が妥当だろうか
いずれ・・そこらへんを研究してみたいのである


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茶の湯の茶碗という器は
姿形・・加飾焼成などだけで
良し悪しを計り知れるものばかりじゃない

茶碗に歴史あり
その歴史を辿りながら・・茶筅を振る
如春庵が点て・・鈍翁が喫する
その二人の巨星の振る舞いに思いを馳せて
独服するひと時は・・まるで同席のようでさえある
この茶碗を持つ贅が・・茶と共に喉を伝ったのだった





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by touseigama696 | 2017-08-13 22:26 | ●コレクション | Comments(2)