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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

2017年 05月 31日 ( 1 )

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かれこれ半年を越え・・夜明けから日暮れまで
一日中工房に籠って暮らす日々が続いた

毎朝・・工房に入って最初にする仕種は
意外にも・・テレビのスウィッチだ
別に見たいわけじゃないが
世間と隔絶された時間の中で
多少なりとも世情と耳でつながる
それに・・夜明け前の暗がりは
静かすぎても・・少々不気味
音だけのためのテレビみたいなもんだ
だから
ドラマとかドキュメンタリーは不向き
目が画面に惹きつけられても困る
筋書なしで・・聞くともなくがいい
そんなわけで
極めて大雑把な情報番組を点けっぱなしにしてる

横綱白鵬が優勝した翌朝だったろうか
部屋でメディアに話すのが聞こえた

「優勝したの一年ぶり・・懐かしかったなあ~!」
横綱はそう言った

久しぶりに・・競技者が自分の言葉で
自分の思いを話してるのを聞いた
これがいい・・これでいい!
そう感じた

近頃・・色々なアスリートたちが
優勝会見などで喋るのを聞くと
まるで挨拶用例集の決まり文句みたいなのが多い
みんな優等生である

「支えてくれた人々のお陰で勝てたから
 将来は・・子供たちが憧れるような選手になって
更に次のメダルを目指して頑張るので
これからも応援よろしくお願いします」

優等生が悪いわけじゃないが
自分のことばで自分を話す個性を大事にしてほしい
北島康介の・・「チョーきもちいい」も
長崎恭子の「今まで生きてきたなかで・・」も
用例集には見かけない・・
だから・・心に残るのだ

「懐かしい」
たった一年前のことが懐かしいのは
それまでに37回も優勝してきたからだ

優勝が当たり前だった横綱の・・勝てない一年は
生涯二度だけの優勝力士が
最初の優勝を思い出すときの一年とは違うし
まして
一度も優勝できない力士が圧倒的な世界であれば
懐かしさなど無縁な言葉でしかない

白鵬だけが知る「懐かしさ」の意味が
じわっと伝わってきて
自分の言葉の強さを感じたのだった

勝てなかった一年が・・途方もなく長かったこと
きっと人生には・・そうしたことがある
それをどう受けとめて・・新たに生きてゆくか
人それぞれだが
タイガー・ウッズは・・今どう思っているのだろう?

このドアーの向こうに
個展のために準備した作品の全てがある
5年前の個展を懐かしむ余裕などないが
正直に自分の言葉で・・書くなら

「陶芸に飽きちゃったかも・・」
そんな気分になるほど没頭したのに
それでいて
決して十分な満足を得ているわけじゃない

「足りないものは‥いつまでたっても
やはり‥足りないままだ」

これも正直な自分の言葉なのである



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by touseigama696 | 2017-05-31 08:21 | ●エッセイ | Comments(0)