工房便り(33) 茶の湯一会

d0085887_054414.jpg

こんなところで・・彼女に茶を点てさせてしまった
工房のロクロの上・・風情も何もありはしない
Kさんは・・学校の先生だが・・茶人でもある

真冬の北海道から・・家族旅行で上京して
僅かな時間の隙間に・・工房を訪ねてみえた
かねてからのブログ仲間である

いつか・・彼女のために茶碗を作り
私のために・・茶を点てていただく
そんな日があったらなぁ・・と書いたことがある
実現できた・・思いがけなくである
d0085887_055450.jpg

折角の機会だから・・せめてもと
私の茶碗の他に
我が家に伝わる茶碗を用意した
茶杓の乗っているのは・・
増田鈍翁作といわれている楽茶碗
その向こうは・・濱田庄司さんの鉄絵茶碗
その右の海鼠風は・・私の筒茶碗である
d0085887_06514.jpg

一期一会
茶席でのいっときを大事にし
もてなしの後別れて帰る客人を見送ったら
静かに茶室に戻り・・その無事を祈って
独り自分のために点てる一服こそ茶の極意
こう書いたのは井伊直弼だった

私のエッセイ「折々の折り」でふれているのを思い出した
寄り道していただければ・・である
余情残心

彼女の鮮やかな手さばきの中で馥郁として香り 
ほの苦くて・・深い甘さを醸す二服をいただいた
その粉引きの茶碗を気に入ってくださって・・だから
箱書きはあとまわしにして差し上げることにした

やがて立ち去っていったKさんを偲んで
独り自分のために点てるには
茶の手習いをせねば・・
[PR]
by touseigama696 | 2009-01-14 00:44 | ●工房便り | Comments(4)
Commented by cat-korokoro at 2009-01-17 20:37 x
まぁ~・・・なんと、心が洗われるような瞬間です
工房とはいえ、一瞬心が茶室に飛んでいったような・・・

そう言えば篤姫で井伊直弼がお茶を点てていましたね
思いの外美味しいお茶だったとか
そう言う気配りがあったのかとまた嬉しくなる私です

えっ?! 私は・・・お茶はほんの入り口で終わってしまいましたよ(苦笑)
Commented by touseigama696 at 2009-01-17 22:32
cat-korokoro さん
ありがとうございます
井伊直弼は・・石州流の茶人でもあって
茶の湯一会集という本を書いてます
その中の「独座観念」という一章に
上述した彼の極意とするところが書いてあるのです
実にきめ細かい行き届いたもてなしを尊び
安政の大獄と・・とうてい結びつかない意外に
驚いたものでした

Commented by laputa515 at 2009-01-19 21:02
こんばんは。ご無沙汰しています。

こんなところにお茶の記事が・・・(*^_^*)
さっそく書かせていただくことに・・・

昨年11月から月に二度お稽古に通っています。
お茶室は心洗われ、とても癒される空間です。
その場にいるだけで幸せを感じます。

篤姫で井伊直弼がお茶を点てるシーンが強烈に心に残って
います。彼が茶人であったことを知り、安政の大獄で
悪いイメージしか持てなかったのが、そういう面もあったのかと
見方が一変しました。

お茶を習うことでいろいろ新しい発見があるのが楽しみです。
三越で近々黄金の茶室が再現されるというので
これもタイムリーと、向学のため行ってみようと思います。

てつ様と今度お会いする際にはお茶を点てて差し上げようと
思いますので、どうぞお楽しみになさっていてくださいね。
Commented by touseigama696 at 2009-01-20 03:28
laputa515さん
こちらこそご無沙汰ですいません

そそ・・井伊直弼は・・なかなかの文人でもあるんですね
茶の湯一会集という著作は・・
ほとんどが作法を書いてるけど
こころにもふれていて・・打たれるものがあります
政治家としての彼からは想像しにくいことですね
彦根藩主で終わってれば・・
文人のほうが目だったかもしれない侍だったのでしょう
名前
URL
画像認証
削除用パスワード