鑑賞と実用

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公募展のために制作してるときと
個展の準備で作ってるときは
使う物差しが違います

寸法の違いでもあるけど
考え方を測る目盛りも違うのです

極く大雑把に言えば
鑑賞を意識する制作と
実用を重視する制作の違いでしょうか

このふたつの違いは
案外・・重く作者にのしかかります

60㌢を越える大皿を
今どき飾れる家って・・どれほどあるんだろ?
まして
刺身でも盛って・・豪快に使ってみたくても
それを置く食卓はあるんだろか?
公募展への出品を目指すとき
ふと思うのはこれだし

確かに独創的で個性的な食器だけど
目立つ分・・飽きの早い器じゃなかろうか
風合いが変わるのを待って息長く使える器
使う喜びこそ・・個展に求められる真価
そう思えば・・独創や個性の扱いは簡単じゃない

迷わずやっているように見えて
案外悩みの深い仕事のような気もします


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若き日の亡父が使っていた・・湯呑み
僅かに口が欠けたりしてるが
使い込んだ良さも滲んでいます
益子の名工・・濱田庄司さんの湯呑みです

詳しいことは聞き漏らしましたが
濱田さんの姉上と・・父の姉つまり叔母が
友人だったご縁での頂き物
叔母は・・弟の親父に譲ったようです

やきものとは無縁だった亡父のこと
口を壊しても意に介さなかったらしいけれど
それでも・・長いこと大事に使ったようで
民芸陶に一生を投じた濱田さんの持論でもある・・
用の美に叶う風合いを醸しています
用の美とは・・飽きずに使えばこその美
飾っておいては叶わないことです


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昨日も・・一昨日と同じように
鑑賞と実用の意味を考えながら
同じような作業を繰り返して終わりました

考えては作り・・作っては考える
迷いながら歩く毎日なのです




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by touseigama696 | 2016-12-08 08:12 | ●工房便り | Comments(2)
Commented by sakuramoon7767ryo at 2016-12-08 10:34
用の美…好きな言葉です。
陶芸の作家さんに展示をお願いする時は
ご自分の拘りの作品とお客様が使える作品をお持ち下さいとお願いしています。
自分の作品展もお客様が買いやすい小品と、売れないのは判っていても、大きなサイズで自分の思いを出しやすい作品も仕上げて展示してます。
Commented by touseigama696 at 2016-12-09 22:53
> sakuramoon7767ryoさん
ありがとうございます
作り手と使い手の関係って
一方的で好いわけがなく
お互いに大事にしてゆかねばなりませんから
作りながら・・いつも自問自答です

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