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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

「哲」に・・思う

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私の名前は・・哲郎
74年前・・父親がつけた名だ
戸籍上は・・「てつお」と読む
どちらかと云えば・・知らない人は
「てつろう」と呼ぶことが多い
太郎・次郎の後に哲郎があれば
てつろうが自然だからだ

自分の名前のことを
深く考えたことはないが
医者で大学の教員だった父親が
賢い子になれと・・願いを込めたのは分かる
哲は・・「さとし」とも「あきら」とも読める
期待という意味では・・ちょっぴり重く響くが
それでも「哲郎」でよかった
「哲人」てつと・・などとつけられたら
もっと重圧だったかもしれない

期待に添えたのかどうか
死んだ父親は一言も残さなかったが
自覚の意味でなら・・添っていない
だから
娘が・・医者になろうとしたとき
そして・・実際になったときの
あの嬉しそうな顔は
それが・・息子に叶わなかった期待を
孫が叶えてくれた嬉しさだったに違いない

入学直後に
いずれ医者には必須の道具ではあろうが
その世界では知らぬもののない
高価な聴診器を買い与えたのは
その期待の大きさだったはずだ

もらった孫は
「これ首からぶら下げたら
先輩たちに何言われるか!」
彼女は・・密かに引き出しにしまい
みんなと同じように
何の変哲もない普及品を使ったのだそうだ

「何の変哲もない」・・ここにも「哲」がある
へんてつと読むが意味は・・明らかな違い
つまり「明らかな違いがない」が
変哲がない・・の意味なのだ

何の変哲もない・・一枚の「皿」
上の写真が・・そうだ
とりわけ個性的でも独創的でもない
誰が挽いても・・こんなもんか!
それが変哲もない皿・・というわけだ

ただ・・密かに願うことは
その変哲もない皿に・・僅かに何かを加えて
変哲を作れないだろうか・・である

変哲のある皿に・・何もしない
変哲のない皿に・・何かをする
この二つは
変哲のある皿に・・更に何かをする
よりは・・ましかもしれない
「引き算の陶芸」と言ってきたのは
そういうことだと思っている

そして
糸抜き技法に出会ってみて
心がけるとすれば
変哲のない器に・・糸を貼る
そこに僅かな個性を表現できたら・・なのだ

「哲」の字と隣り合わせに生きてきて
その哲とのつきあいは
最後まで難問のような気がしている



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by touseigama696 | 2016-11-26 06:20 | ●エッセイ | Comments(2)
Commented by zakkkan at 2016-11-26 16:08
親は、絶大なる盲目の持ち主です(笑)
とはいっても、中々どうして・・どうして・・
それでも、3代目に叶われた家系図ですね、素晴らしいです
そして、お嬢様の謙虚さが、まことに素晴らしいです

「哲」の字にふさわしい作品を作り出されている
恐らく、それは、それは天上から拍手されておられますよ・・
Commented by touseigama696 at 2016-11-27 06:48
> zakkkanさん
ありがとうございます
両親が逝って・・結構な時間が経ちますが
未だに夢枕に立ったことはありませんから
どう思ってるのかわかりませんが
遠からず・・自分で出向いて聞いてみますね(笑)
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