とうとう・・この日が

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昨晩
恒例の採血つきクラス会を終えて
自宅に最寄りのこの駅に降り立ったのは
いつになく遅くて・・10時になろうとしていた

最近は・・どんなに盛大な宴会が用意されていても
夜中まで飲み食いする破目にはならない
みんな歳とったのだ・・早めに終えて
帰路につくのが当たり前になった

電車に乗り・・連結扉の近くに立ってしばらくすると
いつにない違和感を感じた・・というのは
座席に座っていたカップルの男性の視線を感じたのだ
「面識のあるひとだろうか?・・どこで会ったんだろ?」

少しほろ酔いの目に赤いものが見え
「大して意味のない目線?」かもとも思えた
やがて再び目が合ったとき
その男性が立ち上がって・・「どうぞ!」と
手で席を譲る仕草をした
やっと・・それまでの目線の意味が分かった
固辞したが・・それでも「どうぞ!」と勧め
お連れは夫人だと・・自ら紹介された

「では・・」と座ると・・その男性が
「実はお譲りするのに躊躇いましたが
多分私と似たようなご年配・・わずかに先輩かな?
そう思ってお勧めしたんです
失礼ですが・・私は63歳ですが
お年を伺ってもいいですか?」・・そう言った

初対面ではあるが・・隠すほどのこともない
「ありがとうございます・・来月には74歳になります」
正直にそう答えた

びっくりした表情のご夫婦だったが
私も驚いた・・どう見ても4~50歳
到底還暦過ぎの方には見えなかったのだ
口にはしなかったが
63歳が73歳に席を譲る
それも大した悲壮感もなく・・実に和やかにである
極めて友好的な老々介護じゃないか!

仕事や時代・・あるいは人間関係で
疲れ果ててる若者たちにない
ややゆとりのある年配者の好意を
それも一局の人間模様と
ほの温かいものを感じたのだった

途中の駅で
「これから家の近くで・・二人でカラオケします
本でも読んだほうがいいのに・・ですね!」
嬉しそうな笑顔が見えて
カラオケは夫人の楽しみなのが覗えた

それにしても
とうとう・・この日がやってきた
実は・・電車で席を譲られたのは
昨晩が・・人生最初のことだったのだ
見知らぬひとに・・年寄りと思われる日
それがいつなんだろう?
答えが出た・・73歳11か月

それを今降りていったご夫妻に告げたら
「そうでしたか!・・記念すべき最初光栄です」
そう言ってくれたのだった

お二人が降りて走り出した電車
更に予感がして・・窓から見ていたら
しばらく先きで・・案の定二人で手を振ってくれていた
そんな気がしたのだった・・勿論私も手を振った

一期一会・・まさにそうだ!
再びお目にかかる機会がないとしても
この夜のことは・・覚えておこうと思う


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by touseigama696 | 2016-05-22 10:53 | ●エッセイ | Comments(2)
Commented by zakkkan at 2016-05-23 15:39
(笑)
以前、私もこの経験者です
ま~年齢は30代だと想像できますが、体育会系の男性です

どうぞ・・と肩を叩かれて
思わず「降りられるのですか?」と尋ねたところ
うやむやな返事をされましたが
せっかくご厚意に甘えて座らせてもらいました

ふと・・そんな年齢になったのか?と思ったり
そんなに老けて見えたのか?とやや情けなかったりと
思えば、人様のご厚意をありがたくいただけないわが身を反省しました・・(笑)
Commented by touseigama696 at 2016-05-24 08:06
zakkkanさん
ありがとうございます
他人と比べて我が形振りを自覚するのが大抵のこと
比べる相手が悪いと・・情けなくもなるし
逆の場合だってということになりそうですね
自分の年齢を過不足なく評価することほど
難しいことはなさそうです・・(笑)
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