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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

宝町駅の87段

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この階段・・半世紀前とまるで変っていない
20代後半だったが
アラスカで一か月・・日本で三か月
機内で起きた心臓の発作で
四か月ほどの入院を強いられた私は
病みあがりで・・この階段の下に立ち
途方にくれたことがある・・1969年のことだ
都営地下鉄浅草線・・宝町駅である
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この階段を昇って・・少し先に私が勤める会社があった
嫌でもここから地上に出る必要があったのだ

この階段・・真っ直ぐ一直線の昇り
歩き始める前に・・遥か上方に出口の光りが見える
それがやたら小さく見えて・・絶望的な気分になるのだ
多分昔も今も同じじゃなかろうかと思うのだが
87段ある
当時はエスカレーターなどある筈もないが
今も・・ここには設置されてない

病みあがりの27歳は
途中の踊り場で息を整えながら
必死に昇ったのを覚えている
人生で初めての肉体的な挫折
心臓病の後遺症を抱えて
この後10年近く苦しんだのだ

つい数日前の日曜日
ねむの木学園の美術展を見るために
ほんとに久しぶりにこの階段を昇った
毎日4㌔を歩いていても
87段一直線の階段は・・結構つらい
途中で立ち止まることはしなかったが
それでも・・筋力の劣化はしみじみと実感
病らしい病がなくとも
47年の歳月は・・やはり老いて
肉体から大きな力を奪っていった

そんなことがあるから
銀座に出向く日・・この駅を使わず
次の東銀座・・あの歌舞伎座駅で乗り降りする
最新型のエスカレーターが運んでくれるからだ
歩くと昇るは・・使う筋肉が違う
屁理屈をつけながら・・息切れ回避なのである

この階段の踊り場で・・一休みする日は遠くない
今日・・工房に居てロクロを挽いたが
菊練りをしながら・・嫌な予感に攻められていた

「5㌔って・・こんなに強かったっけ?」
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昼食後・・カップの続きを挽いた
少し古い土で・・硬かったせいもあるが
菊練りはしんどい作業である



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by touseigama696 | 2016-05-17 23:59 | ●エッセイ | Comments(3)
Commented by BBpinevalley at 2016-05-18 13:40
27歳のtouseigamaさんが、遠くに見える出口を見上げられているのが彷彿としました。
若い時に大病をされると、人生観が変わるでしょうね。
夫はティーンの時にスポーツ事故で長く入院し、20歳まで生きられないなぁと思ったそうです。
それを聞いて、彼の「明日がない」かのようなスパートぶりに納得しました(笑)
でも、touseigamaさんの作品には、静かな海原を思わせる落ち着きが感じられます。
それがずうっと続いていきそうな永遠性も。

桃太郎さんの記事には胸が熱くなりました。
生きることのお手本ですね。
あらがい、愚痴り、神頼みする人間とは大違い。
反省です。
Commented by BBpinevalley at 2016-05-18 15:08
私の本、読んでくださっているのですね!
嬉しいです〜
またご感想をお聞かせください。
Commented by touseigama696 at 2016-05-19 05:08
BBpinevalleyさん
ありがとうございます
全く病気をしないわけじゃないのですが
それでも幸運なことに何事もなかったかのように
比較的丈夫な人生を送ってこられたかもしれません
全麻の手術だって・・3度もしてるんですよ(苦笑)
ご主人のライフスタイル・・分るような気がします
あの時失った時間を・・取り返したい思いは残りますからね(笑)

先日の大腸がんシュミレーションで
どうやらもう色々なものに未練がないらしいと思い始めて
ちょっと生死を達観できるような
そんな気がしています
桃次郎は・・既に達観して見事に
悠然と生きています
毎日・・彼に教えてもらってるようなものかな?(笑)

久し振りに大部な読書
楽しませていただいてます
読後にまた・・改めて
world wideを維持されるためにもご自愛を!
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