鳥の歌

d0085887_17385558.jpg

今朝・・アマゾンに注文しておいたこの本が届いた
少し古い本だが・・タイトルに魅かれて買ったのだ
「鳥の歌」・・このエピソードは昔から知ってた

ヨーヨー・マのチェロを聴く人は多かろうが
パブロ・カザルスとなると・・大分古い
20世紀最高のチェリストだった

晩年・・望郷の思いを込めて
故郷カタロニアの民謡「鳥の歌」を演奏したが
ケネディー時代のホワイトハウスに招かれて
そこで演奏した音源が残され・・CDにもなってる
鳥の歌 パブロ・カザルス

これを聴くと・・この演奏は単に老チェリストの
遥かなる望郷の思いだけではない
フランコ政権下のスペインの歴史に
過酷な人生を強いられた音楽家の
激しい抵抗のメッセージが秘められている

「カタロニアの鳥は・・ピース!ピース!と鳴く」
戦争と平和・・故郷はいつでもその狭間で苦しむ

この本は・・カザルス本人と彼をよく知る人々が
カザルスを語った言葉を拾い集めたものだ
この手の本の場合・・大抵は
カザルズ讃歌で覆われるのが常だろうに
これは少し違う・・だからむしろ真実味に溢れ
カザルスの人間性が・・推し量られもする

例えば・・
「なぜ演奏するときはいつも目を閉じているのか
と尋ねられて カザルスは答えた
あえて目を閉じていられるようになるまでは
長いあいだ目をかっと見開いていなければ
ならなかったからです」
練習の虫だった彼らしい自負だったに違いない

一方で・・カザルスは演奏中よく唸る
このホワイトハウス盤でも・・聞こえるが
その声が収録されてしまうこともしばしばで
ある録音技師が・・
「マエストロあなたの唸り声もみんな拾ってる
んじゃないかと弱っているんです
だったらとカザルスは落ち着き払って答えた
レコードの値段を倍にできるね」

このエピソードは・・必ずしも賛美ではない
少々下世話で嫌味な言葉でもあろう
でも・・それも含めてカザルスなのだ

「仕事よりも重要なことなんてありはしない
これまでの生涯にしてきたように
私は絶えず練習する
私は鳥が飛ぶのとおなじようにいとも簡単に
チェロを弾くといわれてきた
私は鳥が飛ぶことを覚えるのにどれほど
努力するものかは知らないが
どれほどたくさんの努力が私のチェロに注ぎ
こまれているかはよく知っている いとも簡単に
見える演奏は最大の努力からしか生まれない」

天才は・・才能そのものを指してはいない
才能を感じさせるまで続けた意志のことなのだ

「たった10秒ほどで掛けた釉薬で
その価格は高すぎませんか?
と尋ねられた益子の名工濱田庄司が
「あなたにお見せしたのは確かに10秒ほどだが
私からみれば・・50年と10秒をご覧にいれた
そう思っているのです」

どの世界でも・・核心には同じものが座ってる

時々・・You-tubeで鳥の歌を聴きながら
午後から読み始めて・・夕食の頃には読了した



人気ブログランキングへ応援してくださる方・・クリックしてネ!
[PR]
by touseigama696 | 2015-11-27 21:44 | ●エッセイ | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード