若き才能への讃歌

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このところ・・you tubeで
ユリア・フィッシャーを聴き続けている
ドイツ生まれの若きヴァイオリンニスト
圧倒的な超絶技巧を持ちながら
それでいて・・
何と端正な詩情に溢れた音楽だろうか

ドイツ人らしいといえばそれまでだが
グリッサンドやポルタメント・・あるいは
誇張されたビブラートで誤魔化すことのない
正確無比な音程は・・だからこその
品格に満ちた音楽性を内包し
そして何よりも・・卓越した運弓術が
ヴァイオリンを最も望ましい力で制御し
その音色は・・切れることなく朗々としてる

ユリア・フィッシャー ヴァイオリン協奏曲 チャイコフスキー
この演奏を聴いてみていただきたい
チャイコフスキーもいいが
最後の15分で演奏するアンコール2曲の選曲
ここにも・・彼女のカリスマがある

ふたつの演奏への・・聴衆の拍手
その仕方が・・それぞれに違う
感動の仕方が違うからだ

このユリア・フィッシャーに驚くのは
これだけじゃない
ユリア・フィッシャー ピアノ協奏曲 グリーク
これもユリア・フィッシャーなのだ

プロの音楽家は・・大抵ピアノは弾ける
だが・・8つのコンクールに優勝して
そのうち五つがヴァイオリン
三つがピアノでというのは・・聞いたことがない
その上・・一晩のコンサートで
ヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲を2曲
楽器を変えて演奏したこともあるとか
まるで・・一日の間にテニスでウィンブルドン
ゴルフでマスターズを戦ったようなものだ

さらりとそれをやってのける才能
若者の持つポテンシャルには底がない
努力を惜しまなければ・・限りなく伸びてゆく

「勿体ないから・・ひとつに絞れ」
悪魔の入れ知恵に耳を貸すなかれだ
「勿体ないから・・一つで終わるな!」である

ひとりの才能が・・どれほど多くの若者に
夢と目標をもたらすか・・そして
そのために・・如何に多くの努力が必要か
それも教えてくれるのだ

人間の「本気」が
どれほどの頂点にまで届くのか
ユリアの生き方は・・まさしく期待の星である
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昨日は・・柿傳ギャラリーで
「器と花の出合い展」を見た

ここでも・・伝統窯業地で
偉大な先代の父を越えるため
渾身で努力する若い作家の作品を見た

伝統に支えられるものと
伝統に押し潰されそうになるものと
その狭間での青春の苦労と努力に
理屈抜きで・・エールを送ることが
少し老いた者の使命かと・・思いもするのだ

「若き才能への讃歌」・・今の時代に
最も大事なものと・・信じて疑わないのである



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by touseigama696 | 2015-10-28 03:56 | ●エッセイ | Comments(0)
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