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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

協奏曲の・・カデンツァ

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夕方から・・you tubeで音楽散歩してた
ヴァイオリン曲を選んで聴いていたのだが
そしたら・・思いがけないことになった

発端はこうだ・・昔ルイ・マル監督の作品で
「恋人たち」という映画があった
そのクライマックスで・・ジャンヌ・モローが
若い男と恋に落ちて・・夜中に
屋敷内の池の小舟で抱擁するシーンがある
モノクロの画面に・・真っ白な夜着が鮮やかで
とてもきれいな映像だったのだが
その時の・・バックグラウンドミュージックが
確かブラームスだったことを思い出したのだ

それがブラームスの何だったか
you tubeで探し始めてしまった
うろ覚えで・・ヴァイオリン・コンチェルト?
そんな気がしてたのだが・・間違いだった
実際は・・弦楽六重奏曲1番の2楽章だ
改めて聴いてみると・・確かにこれだ

あれから60年近く・・主人公たちは
すっかり老いてしまった筈だが
この曲は・・変わらず昔のまま
不朽・・そんな言葉が浮かんでくる

だがこの音楽散歩・・これで終わらなかった
ブラームスのヴァイオリン・コンチェルトを
色々な演奏者で・・聴き比べていたが
もうひとつ・・謎を発見して調べだした

10日ほど前・・「協奏曲に想う」を書いたが
あれは・・オーケストラとソリストの
個性と協調を話題にしたつもりだった

協奏曲・・コンチェルトにはもうひとつ
独特な演奏上の様式がある
カデンツァ・・というが
大抵の場合・・1楽章の終盤に
短い時間だが・・オーケストラが手を休め
ソリストが・・文字通りソロで演奏する部分
それが・・カデンツァなのだ

元々は・・ソリストが即興で演奏する
そういうことなのだが・・いつの間にか
このカデンツァも作曲者が書くようになった

何故かは定かじゃないが・・
全体の曲想を壊さぬ即興は
だれにでも出来るわけじゃない
ヴァイオリンは弾けても・・作曲となると
まして・・即興で歴史的な名曲にとなれば
いささか躊躇うものもあろう

だから・・メンデルスゾーンのカデンツァは
メンデルスゾーン自身の作曲なのだ
ところが・・ブラームスのコンチェルトは
ブラームスがカデンツァを書いていない
奏者にお任せ・・まさにカデンツァなのである

長い間に・・色々なヴァイオリン奏者が書いた
そして・・我こそはと奏者の思いと個性を
4弦に託して演奏したのだった
それもやがて収斂されて・・今では
概ね二人のヴァイオリンニストが作ったカデンツァ
そのどちらかを演奏することが多い

ヨアヒムとクライスラー・・このふたりがそうだ
で・・どっちがヨアヒムでどっちがクライスラー
それを調べながら・・散歩を続けたのだった

結果は・・一種類しか見つからなかった
you tubeに収録されてる演奏を
もっと探せば・・二種類になるはずだが
今夜のところは・・そこまでいかなかった
多分ヨアヒムかもと思うのだが・・さて?

まぁ少しは結論めいたことを・・いえば
前回のオーケストラとソリストの間と同様
作曲家とソリストの間にも
個性と協調のせめぎ合いがあるってことだ

作曲家は楽譜とともに不朽のひととなるが
演奏するソリストは・・今を生きる生身の人間
躊躇いがあるのは仕方ないが
現役の奏者に・・ブラームスやメンデルスゾーン
あるいはベートーベンやチャイコフスキーの
それこそ不朽のヴァイオリンコンチェルトに
新しいカデンツァを書いてみる勇気を
奮ってほしいものだ・・歴史と伝統への挑戦

チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトに
現代の新しいカデンツァを添えたコンクール
奏者も作曲家も競って発表するような
そんな演奏会が聴けたら・・それも楽しかろう

例えば・・陶芸の世界では
これはいつでも最新の課題
不朽の名碗の傍らで・・現代作家の茶碗が
次の不朽に向かって使われてゆく
その輪廻が・・生きる伝統ということなのだ

you tubeの旅・・テーマを作って聞くと
あっという間に・・夜だった




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by touseigama696 | 2015-10-17 23:33 | ●エッセイ | Comments(2)
Commented by BBpinevalley at 2015-10-22 11:05
utube、あれにはまると1日など吹っ飛んでしまいますね。
オリジナルなカデンザを弾く奏者は、尊敬します。
レコーディングの技術が発達して以来、音楽に完璧性を求める傾向が著しく、機械のような奏者が多い中、荒くてもその人なりの音楽性を持っている奏者が珍しくなりました。
居ても、きっと有名にはなれない時代になったのですね。
ほんの一握りの有名奏者が、莫大なギャラをとって、あとの音楽家はみんな貧乏です。
クライスラーは、歴史上の有名作曲家”風”の曲をあれこれ発表してはコンサートを開いていたようですが、当時はまゆつば物として相手にされない場合もあったようです。
今では、作曲家としても奏者としても有名で、ほとんどの生徒がクライスラーの曲を練習させられるわけですが。
娘のアメリカの先生が、何故にクラシック音楽が死に絶えてしまったかを解説する本を書きました。(バイオリンの弾き方の本でもありますが)
売り出されるのが楽しみです。
Commented by touseigama696 at 2015-10-23 07:55
BBpinevalleyさん
ありがとうございます
その後も・・ブラームスのVコン聴いてますが
少し色々なカデンツァに出会いました
現代のカデンツァ・・ほんと取り組んでみたらいいですね

作曲部門のコンテストに
「4大Vコン・カデンツァコンテスト」
これ面白そう・・(笑)
超絶技巧に拘らないカデンツァ・・も
聴いてみたい気分もします

お嬢さんの先生の著書・・
是非あなたに翻訳していただいて
日本語でも読めるように・・お願いします

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