2015年 10月 06日
協奏曲・・に想う |
協奏曲という形式の楽曲があります
コンチェルトとも言いますが
例えば・・ヴァイオリン・コンチェルトは
ヴァイオリンのソロとオーケストラが
協調して演奏する楽曲のことです
勿論・・作曲家が作った楽譜があって
それに基づいて演奏するわけですが
まぁ・イメージで言えば
ソロのヴァイオリンをオーケストラが伴奏する
ヴァイオリンが・・ここではスターとでも
オーケストラの中にもヴァイオリン奏者がいて
パートの譜面で演奏してますが
ソリストのヴァイオリンは・・スターらしく
それなりに自己主張に基づいた演奏をします
聴衆は専ら・・このソリストの演奏に耳を傾け
時にオーケストラを圧倒するように
個性的な音を作ってゆきます・・ですから
それが良かったか悪かったか・・
演奏が終われば・・ソリストが受ける評価です
もし仮に・・途中でこのフレーズは少し伸ばして
強調したい・・とソリストが勝手に変えて演奏したら
途端にオーケストラとずれてしまいます
個性を発揮していいのは・・指揮者が指示する
テンポの中でしかないのは・・言うまでもありません
個性と協調は・・その大原則の中だけで成立します
それでも・・やはり優れたソリストはしっかりと
個性を発揮して・・聴衆を魅了するものです
だから・・高度な演奏のスキルを駆使して
そこに自分なりの表現を確保する一方で
オーケストラへの配慮も忘れてはならないのです
ヴァイオリンニストの勉強は・・ソロ譜面に留まるものでなく
オーケストラのための総譜を含め・・楽譜の上は勿論
作曲家が作曲した時代や・・人生を推考し
ひとつの時代や文化に問いかけることだと・・思うのです
その問いかけこそ・・ソリストの個性と言えそうです
一昨日・・青山の根津美術館を訪ねました
収蔵されてる茶碗を見たかったからです
企画展の図録もあったのですが
帰り際別置きの・・この図録を買い求めました
展示されてる一部を生で見ることと
収蔵品の全ての写真を・・飽きず眺めることで
ヴァイオリン・ソリストの勉強と似たことをしようと
密かに企んでることなのです
何も見ず・・何も学ばず・・何も望まなくても
ロクロの前に座れば・・茶碗らしきものは挽けます
しかし・・それが茶を喫するための器であるには
茶人の使い心地を無視しては叶わないはずです
「知ったことか!」は・・
オーケストラのテンポから外れた暴走
茶碗を挽こうとすると・・いつも思うことなのです
もしかすると・・根津美術館に来るのは改装以来?
随分とご無沙汰だったかもしれません
収蔵品に出会うための・・期待に満ちた序奏
ここでもオーケストラが演奏してます
長いアプローチを歩いて・・作品に近づいてゆく
美術館としての・・心憎い演出です
ここから先は・・残念ながら写真禁止
目的があって来たことでもあり
欲張らず・・焼きものに限って熟視
ちょっとした発見もありました
とりわけ高台の大きさ・高さ
これはもう・・写真ではだめ
現物を目のあたりにしてこそです
都心の真っただ中・・なのに
深山幽谷の趣き・・さすが稀代の数寄者
根津嘉一郎氏名残りの贅の極み
時代もまた・・
それぞれに個性的と言えそうです
応援してくださる方・・クリックしてネ!
by touseigama696
| 2015-10-06 05:00
| ●エッセイ
|
Comments(0)