2015年 09月 13日
削らぬ陶芸 |
昨日削りについて・・こんなこと書いた
『一方で・・削らない作家もいます
加飾ではなく造形を主眼にすれば
それも一法なのは・・言うまでもありません
茶陶などでは・・「ひとカンナ」に拘ります
一息に挽いた気合を活かし
非対称の中に・・面白みを求めれば
これはこれで・・高度な技術です』
書きながら・・頭に浮んでいたのはこの茶碗だ
輪笠伸好作・・京都で勉強した作家さんで
今は・・千葉県在住で陶葉会の仲間でもある
私から見れば・・息子にも近い若さだが
かねてから・・その作陶姿勢には一目置いてきた
目前の小事に拘泥せず・・王道を歩き
ために味わう苦労は・・決して避けては通らぬ
その信念たるや・・好しなのである
木ベらで一閃の・・けれんみのない高台
私には叶わない技だ
力の抜けた柔らかなロクロ目が
僅かに真円に歪みを与え
手に取れば・・どう収めて喫するも自在
飽きずについてきてくれそうだ
いつぞやの個展で頂戴した作品だが
作者もまた気に入った一品だったようだ
灰釉茶碗と箱書きするのは・・結構勇気がいる
伝来に優品の多い世界だからだが
そこを真っ直ぐ歩いてこそ・・王道だと思う
削らぬ陶芸に焦がれるものがありながら
しかし・・今やろうとしてる仕事が
それを満たしてくれるとは・・限らない
多少運命的な出会いの中で・・人は我が道を歩く
プロとしての生き方のひとつの側面じゃなかろうか
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by touseigama696
| 2015-09-13 01:59
| ●畏友交遊
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