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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

言葉と時代

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言葉が乱れてる・・という意見もあるが
言葉は生きもの・・時代で変化するのは不思議じゃない

いつだったか・・テレビで
温故知新を読み下すのに
「古きをあたため」・・と言うのでびっくりした
元々は・・「古きをたずね」だが
今は・・「あたため」でもいいことになってるとか
確かに・・古いものを大事という意味だから
温め(あたため)でも充分意が通る

「一生懸命」にも似たことが起こる
元は「一所懸命」・・昔の武士が
与えられた所領を・・命懸けで守る
だから一所だったのだが
いつの間にか・・一生を命懸けに変わった
所領がないのだから・・それも理解できるが
父祖伝来の実家・田畑を守り抜いた
老人たちの生き方の「一所懸命」は
本気で生きもせず・・掛け声みたいな
「一生懸命」よりリアリティーを感じたりもする

言葉の意味もそうだが・・使い方にも
時代の変化・・原文が踏襲されてない場面もある
つい最近・・ネットと印刷媒体の両方で
気になった言葉に・・「閑話休題」がある
この四文字熟語が使われる機会は減ったから
それだけに・・使い方が難しい

閑話休題は・・「余談はさておき」と同じである
ところが・・「余談だが」のつもりで使ってしまう
そうなると・・閑話休題の先が余談ということになる
元々は・・余談はお終いにして本題に戻ろうなのだ

魯迅の書いた小説に・・「阿Q正伝」がある
小説の中味は別にして・・この題名になった由来が
冒頭にでてくる・・「阿Q正伝」は
「閑話休題 言帰正伝」からとった・・そう書いてある

両方をつなぐと・・余談はここまでにして
さて本題に戻りましょう・・が閑話休題なのだ
だから余談が終わってから・・閑話休題とするのが
歴史的な使い方というわけである
しかし・・これとて温故知新や一所懸命と同じで
どちらであっても・・大したことじゃない
ただ・・数日前雑誌でみた閑話休題は
プロのもの書きの一文だったから
やはり・・歴史的踏襲は意識してほしかった

間違ってはなるまいと・・魯迅の「阿Q正伝」
読み直してみた・・殆ど短編みたいな小説
数時間で読了だが・・さてさほどの感銘はない
テキストの翻訳に不満があるせいかもしれないが
歴史的な意味と・・文学的な感動は別なんだろう
でも確かに・・冒頭に「閑話休題 言帰正伝」とある

この「正伝」を使って阿Qさんの伝記を書こう
何故なら・・今から書くことは
「列伝・自伝・内伝・外伝・別伝・家伝・小伝」
そのどれにもあたらないから・・正伝にした
そう書いているのである

しかも・・阿Qは固有名詞ではない
名もなくさしたる業績もないQさんの伝記
正伝に固執するまでもなく・・
私には・・魅力的な伝記ではないのだ
最後は・・阿Qの刑死で終わる
何故に?・・それも不可解なままだった

   閑話休題 言帰正伝
余談はさておき・・言葉は時代で変わる
新しく生まれもするし・・一方で死語も増える
文字が変わったり・・読み方がちがったり
確かに・・生きもののごとくである

それは当然の変化だと・・思う
言葉が変化することで・・生き方も変わる
言葉が変わることが・・社会の進歩を促す
幾らでもありそうなことだ

だが一方で・・古人が言葉に込めた深い意味を
覚えていて損はない・・それが文化だ
温故知新・・古きをたずね新しきを知る
この四文字の真意はそこだ
だからメディアが・・殊更に駄洒落のごとく
言葉をもてあそぶのは・・やはり見苦しい

もっとも余談で始まって余談で終わる
中味のなさも・・更に見苦しい
たまには・・正しい位置に閑話休題できる
実のある本題を見せてほしいものである




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by touseigama696 | 2015-06-28 06:01 | ●エッセイ | Comments(0)
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