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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

パンドラの箱

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随分昔のこと・・
あるお婆さんが主人公のドキュメンタリーを見た
主題が何だったか忘れたが・・妙なことを覚えている
そのお婆さんの独述
「わたしはこの村で生まれ・・この村で育ち
この村で嫁ぎ・・この村で子供を産んだ
生まれてこの方・・あの山の向こうを知らないし
この村から一歩もでたことがない
毎朝この畑に来て・・日暮れて帰る
そうして生きてきた・・他のことは何も知らない
でもちっとも不満じゃない・・それで幸せだったと
そう思ってるんだよ」・・そういう話だった


穏やかな里山に囲まれて
穏やかで自然な営みの中
穏やかな生涯だった
これが・・誰にとっても最上の人生だと
そう言いたいわけじゃない

しかし・・時代や社会から隔絶された
そんな単調なお婆さんの人生が
確かに決して不幸だったとは・・思えなかった

車はおろか・・汽車も飛行機も知らない
都会の華美も喧騒も知らない
流行も知らなきゃ・・美食も知らない
知らない尽くしでいながら・・「幸せだったよ・・」
と言い切るあの穏やかな笑顔
まだ若かった私だが・・考えさせられた

最近の世の中を見てると・・人間は・・
多分パンドラの箱を開けてしまったのだ
あのお婆さんの穏やかな人生は
プロメテウスが・・人間に不都合な色々な災厄の
その全てを閉じ込めた「小さな箱」があってのこと
火を覚えた代償に・・本来苦しむはずだった神々の仕置き
パンドラが箱を開けなければ・・報いを受けなかった筈だが
きっと・・それを開けてしまったに違いない

餓え・盗み・憎しみ・病い・争い・殺し・・
全てが世の中にばらまかれた・・おまけに
新しい災難も加えられた・・それがI.T.
PCや携帯がもたらす利便を仮装した不便
使い方を間違えば・・瞬時に全てを失う
情報の途絶は・・罪悪と言わんばかりだ

登る苦しさなしに・・あの山の向こうには
人の言う幸いしか・・見えないことに気づくだけ
昨今の世の中・・ばらまかれた災難に狼狽える思いだ

ただ・・このパンドラの箱の底には
最後にひとつだけ救いが秘めてあった・・「希望」
改めて災難に打ち克つとすれば
その力は「希望」だと・・プロメテウスは教えたのだ

数多の災難を報じる報道の中に
幾つかの希望の光りも・・見える
昨日も・・三人の日本人がノーベル賞を受賞した
人類に大きな貢献を果たす「希望」への賞賛
大事にしなきゃ・・である

写真の木箱は・・私のパンドラの箱
40年前・・テレビの世界を離れたとき
一緒だったスタッフが・・手作りで贈ってくれたもの
開けてしまったために・・少しは苦しんだが
最後の「希望」のおかげで・・今の私があるのかもしれない

ちなみに・・私が読んだ初めての文字だけの本が
「パンドラの箱」・・5~6歳だったろうか幼児のころ
母親に与えられたのを覚えている
その数年前・・最初の漫画本は親父からで
昨日のことは・・あっという間に忘れてしまうのに
表題は・・「モヒカン族の最後」
ここでも妙なことを覚えているもんだ

「昨日は昔・・昔は昨日」
言うまでもなく分かっているが・・歳のせいである(苦笑)




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by touseigama696 | 2014-10-09 05:03 | ●エッセイ | Comments(0)
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