擦り減った「鍵」

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最後にこの鍵で玄関を閉めた数日後
旧家は解体の日を迎えて・・今は跡形もない

玄関を改造してからでも・・数十年
朝晩開け閉めした鍵は・・見る影もなく擦り減った
その分この鍵で守られて・・家族の恙ない日々があった
何となく捨てるに忍びなくて・・
あれほど捨てまくった家財とは別に・・手元に残した

「鍵」には・・功罪がある
勿論・・安全を守るのは「功」だ
しかし・・考えてみれば
鍵がないと・・安全が守れない
その安全が何かといえば・・人災に対してだけ

風も雨も・・鍵があってもなくても降るときは降るし吹く
犬や猫は・・鍵がなくても閉まってりゃ入ってこない
鍵で守ってきたのは・・人間の危害からだ
大げさだが・・鍵が人間同士の不信を生んだとも
もしかしたら・・鍵の「罪」である

子どもの頃疎開してた田舎では
そも鍵なんぞなかった・・余程の不在でもなきゃ
あっても閉めなかった
夏の夜・・廊下を開けっぱなしで寝るのも普通
不用心と思わぬのんきは・・不信とは縁遠い生き方だった

鍵の功罪は・・暮らしだけのことじゃない
人間のこころでも・・同じことだ

ひとの心にも鍵があるのを無視して
徒に土足で踏み込む無礼は
議会の中でさえ・・無神経だったりするし
セクハラ・パワハラも同根・・だ

一方で・・無暗にこころに鍵を掛けて
折角の人間関係を壊してしまう愚も
やっぱり鍵の「罪」かもしれない

鍵無用を唱えるほど・・
性善説に組するわけじゃないが
あっても過度な期待を持たずに済む程度に・・
無理だろなと思いながらも・・そんな思いが募る

終いに自分で掛けた鍵が・・
複雑すぎて自分で開錠できなくなる
絵に描いたみたいな自縄自縛・・
想像すれば滑稽だ

家にも・・こころにも・・
おまけにパソコンにも厳重にロックを掛け
それでも・・押し込む不逞の輩の犯罪
ニュースで見る度に・・玄関に行って
鍵を確かめる昨今・・嘆かわしいことだ



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by touseigama696 | 2014-09-18 06:43 | ●エッセイ | Comments(2)
Commented by kuma at 2014-09-18 18:54 x
そうですね…小さい頃住んでいた家は、
大阪でも郊外(郊外とは聞こえがいいですが、村の中…笑)
どこからでも入れるような家に住んでました。
まぁ、村の中ですから…見知らぬ人が入ってきたら、
すごく目立つので…などということが無くなりましたね。
昔はうるさいくらい、近所の目が光ってたというか…
今で言う「プライバシーの無い生活」とでも言いましょうか。
最近は田舎でも、隣近所のかかわりがかなり少なく
なって来ているのでしょうね。
日本人の生活全体がドライになってきているのかな…
『鍵』良い部分もあり悪い部分もあるというところでしょうか…
Commented by touseigama696 at 2014-09-19 05:58
kuma さん
ありがとうございます
のんきで済んだ時代が懐かしいとはいえ
やはり現実は確かにドライ化した社会
自衛を講じないと安心できないのは
仕方ないんでしょうね
昔は物を取られる物騒でしたが
今は命さえ危ない脅威・・油断できませんね
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