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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

コムサ!

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私が知ってる唯一の実用フランス語は・・「コムサ」だった
「だった」と言うのは・・遠い昔のことだから・・
1960年代・・20代だった

予算がないって理由で・・通訳を雇えない私は
自分で何とかしろ!・・の社命で何とかしてた
観光とグルメなら・・手振り身振りでどうにでもなる
だが撮影取材となるとそうもいかない・・フランスでは困った
今はどうか知らぬが・・英語の嫌いな人が多かった
撮りたいものを・・言葉で解ってもらえない

「普段と同じように・・自分のデスクで仕事しててくださいな
いつもそうしてるなら・・珈琲飲んだり勿論結構ですよ」

これフランス語でどう言やいいのさである
何度かの苦境の挙句に・・学んだ一言が「コムサ」だった

コムサは・・英語ならlook like thisみたいなもの
つまり・・「こんな具合に」とでも
私は・・被写体の人物のデスクに座り
ペンを持って書類に向かい・・傍らのマグを手に取る
そこで「コムサ!」・・同じようにしてくださいねというわけだ
救世主のような言葉だった・・これで大抵のシーンは撮れたからだ

だが・・後に駐日フランス大使夫妻を
日本のフランス大使館で撮影することになったとき
さすがに「コムサ」ってわけにはいかない
勿論英語でいいのだが・・何せこのフランス大使は
後に本国で外務大臣まで務められた伯爵の称号を持つお方
今度は・・自分の英語のいい加減さを恥じる羽目になった

言葉は・・現場で否応なしに覚えるものだが
同時に・・磨きをかけるにはきちんとした勉強が必要
当時そう思ったが使わなきゃ忘れる・・情けないことだ
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「新しい工房・・どんな具合?」
そう聞かれたらこれをご覧に入れよう・・「コムサ!」である
結構ドッちらかってきた・・仕事してる証拠?

私の教室のコンセプトは・・思えば「コムサ主義」ともいえる
のべつまくなしに・・カリキュラム通り教えるということはない
思い通りにならない様子を遠くで眺めながら・・ある日ある一瞬に
「今かも」と感じて・・私の手で同じことをやって見せる
そのタイミングが間違ってなければ・・
私のする手つきを見つめて・・目からうろこが起こる
「そういうことなんだ!」・・直後には出来るようになってる

上手くゆかない理由への問題意識が生まれたころに
まさにそこをやって見せてあげて・・「コムサ!」
饒舌よりも・・遥かに説得力があるようだ



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by touseigama696 | 2014-09-12 05:54 | ●エッセイ | Comments(2)
Commented by kuma at 2014-09-12 13:36 x
「見て覚える…」悪い言葉で言えば「技術を盗む…」
これは得意です。
父親がやっていた時計の修理…
小さな頃から見ていただけですが、
いつの間にか、真似事くらいは出来るようになっていた…
しかし、陶芸はそういうわけにはいきません。
真似事から1つ上、オリジナルに進まなければならないから…笑

Commented by touseigama696 at 2014-09-13 06:15
kumaさん
ありがとうございます
そうですね・・独創への彷徨い
一番苦しいけれど・・見つかれば嬉しいこと
誰にも頼れませんからね・・やるしかないこと
頑張りましょう!!
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