ギヤー・チェンジ

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このエピソードもまた・・遠い昔の話
1960年代の終わりころのことである
まだ出来たばかりの富士スピードウェイで
正確な記憶じゃないけど・・確か
富士スピードウェイ24時間耐久レースというのがあって
カメラマンと一緒に取材にでかけたことがある

今でこそ・・オンボード・カメラというのがあって
マシーンに取りつければ・・自動的に見た目が撮れる
でもあの頃は・・事前にカメラマンを同乗させて撮影したもんだ

何周か私も同乗した・・ビックリすることだらけだったが
一番驚いたのは・・ドライバーのギア―・チェンジだった
数分で走る一周の間・・数秒に一度の割合でチェンジする
めまぐるしいこと夥しかった

前進7~8段だったろうか
走ってる速度に合わせてギアーを選ぶ
それが数秒に一度なのだ・・カーブの多いコースだから
トップギアなど・・直線のほんのちょっとの間だけ
それ以外は・・クラッチとギアは殆ど切り替えっぱなしだった
スピードに応じたギアの選択・・間違えば最後まで走れない
ギアーボックスが壊れてしまうのだ
スピーディーだが・・実にデリケートな所作
高速でレースするとは・・そういうことなのだと教えられた
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勿論・・ろくろをレースだと思ってるわけじゃない
しかし・・私はろくろを回すとき
結構・・回転速度を微妙に変化させる

アクセルを踏んだり戻したりだが
今やってる作業に応じた適当な速度
これになるべく神経を使うようにしてる

ろくろの回転数と手の動き・力加減
壺ひとつ・皿一枚を挽くにせよ
造形の途中は・・様々な組みあ合わせで
使い分けることが必要なのだ

ろくろの回転が生む遠心力
その遠心力に逆らって・・手で土を押し戻す求心力
この二つのベクトルを・・無段階で使い分ける
理屈で言えば・・ろくろはそういう道具だと思う
だから・・繊細なギア・チェンジは
欲しい形を担保する・・大事な所作ということになる

あのときのレーシング・ドライバーのギア・チェンジ
今となれば・・とても大きなヒントになっている
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仕上げ削りの最終段階である
押さえ土を使ってない湿台は
回転をあげると・・飛んでしまう

だから・・左手で
遠心力に相当する対抗力で湿台をバランスさせ
その上で・・出来るだけ高速で廻しながら
右手のカンナは・・軽い力でゆっくり上下させる
こうすると・・表面は破綻なく柔らかなシルエットになるってわけだ
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粗削り1回・・仕上削り2回
どうやら8個・・全部を仕上げた



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by touseigama696 | 2014-01-15 23:24 | ●工房便り | Comments(2)
Commented by kuma at 2014-01-16 11:12 x
茶碗の削り、興味深く拝見いたしました。
シッタのことやカンナのこと、勉強になることがいっぱいです。
私はずっとカキベラで削っていますが、カンナも使えるようにしたいと思います。
ただ、滑り止めの上のシッタはちょっとレベルが高そうです(汗)
Commented by touseigama696 at 2014-01-16 22:58
kumaさん
ありがとうございます
お役に立つことがあるなら・・それは嬉しいことです
どんな難しそうなことも・・飽きずに繰り返してれば
かならず出来るものだと・・信じることにしています・・笑
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