村上春樹の小澤征爾

d0085887_2202598.jpg

「まずひとつは・・ほかのどんなことをするよりも 
自分の仕事に没頭してるときが何より幸福だ
そして それに熱中できているという事実が
何にも増して深い満足を与えてくれる

その仕事によって
結果的に何がもたらされるかというのも
もちろん重要ではあるけれど 
それとは別に集中して仕事ができること
その作業に時間を忘れて心から打ち込めること
そういうこと自体が
何ものにも換えがたい貴重な報賞になっている

二つめは・・今でも若い頃と同じハングリーな心を
変わらず持ち続けていることだ
いや これくらいでは足りない
もっと奥まで追求したい
もっと前に向かって進んでいきたい
というのが仕事をする上での
また生きる上での重要なモチーフになっている

三つめは・・頑固なことだ
辛抱強くタフで そして頑固だ
自分がやろうと思ったことは 誰が何と言おうと
自分が思い描くようにしかやれない・・」


この本の冒頭・・
「始めに・・小澤征爾さんと過ごした午後のひととき」
と題して村上さんが書いてる一節がこれだ

都合六回の対談で・・村上さんは
文学と音楽の違いはあるが
私と小澤さん・・つまり村上春樹と小澤征爾には
幾つかの・・生き方として共通するものがある
それが上述の三点だという

いささかはばかる気持ちを承知で書けば
この三点は・・同じ海の浅瀬でのたわごとなれど
我が身にもまた・・まさに同感と深く感じるものがある
さあればあれ願わくば・・と願い続けることである

多分この三点で・・人生損するものもあるはずだ
だがその損とは・・「童心」の代賞じゃなかろうか

既にマエストロの領域にいるふたりであれば
損得など些細なことでしかないが
構わず生きられる今は・・圧倒的な量と質でこなし続けた
文学と音楽の仕事が・・なさしめたことである

徹することでの報賞・・それは金でも物でもなく
ふたりの言葉に散りばみた金彩銀彩の深い光沢だ
音楽を・・ここまで深くそれでいて軽やかに・・
言うまでもなく・・引きこまれて読み続けている

その昔・・中学生くらいだったころ
同じベートーヴェンの交響曲が
フルトヴェングラーとトスカニーニの指揮で比べると
数分も長さが変わってしまうのは・・何故?
そんなことを真面目に考えたことも・・この本を読みながら
「まんざらアホな疑問ってわけでもなさそう・・?」
そんな思いにかられるほど・・洒脱な語り口で楽しませてくれる

年末にアマゾンで注文しておいたこの一冊
正月休みでも届けてくれた・・仕事始めまであと一日
読み終えちゃうかも・・である



人気ブログランキングへ応援してくださる方・・クリックしてネ!
[PR]
by touseigama696 | 2014-01-06 23:00 | ●エッセイ | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード