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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

自然と人生

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  家は十坪に過ぎず、庭は唯三坪
誰か云ふ、狭くして且つ陋なりと
家陋なりと雖ども、膝を容る可く
庭狭きも碧空仰ぐ可く
歩して永遠を思ふに足る

   神の月日は此処にも照れば
四季も来り見舞ひ、風雨雪霰
かはるがはる到りて興浅からず
蝶児来りて舞ひ、蝉来りて鳴き
小鳥来り遊び 秋蛩また吟ず
靜かに観ずれば 宇宙の富は
殆んど三坪の庭に溢るゝを覚ゆるなり

       徳富蘆花 「自然と人生」より


徳富蘆花の「自然と人生」の一節
中学のころに読み・・深く心に住みついた
何故だか・・定かではない
この年代の少年には・・いささか渋い
しかし爾来60年・・いまだに暗唱できる

十坪の家とは十畳ふた間・・小さな家だ
庭はただ三坪・・六畳ひと間の庭確かに狭い
でも・・狭いと言っても人ひとりが入れないわけじゃなく
どんな小さな庭でも・・数歩で宇宙に思いを馳せることもできる
そんな意味である

この蘆花の言葉は・・
住まいの狭陋を嘆いているわけじゃない
平たい言葉で言い換えれば・・
「・・ボロは着てても・・心は錦・・」
三坪の庭にだって・・宇宙の富が集まってることに気づく
それこそが・・ひとのこころの豊かさだと言いたいのだ

錦を着ていながら・・こころはボロ
近頃・・そんなひとが多いな・・

昨日・・建築会社から連絡があって
建築確認が下りたと知らされた

来春を目指して・・隠居所の新築が始まる
昔のひとは・・庵を編むと言ったが
豪壮な庵なんて・・聞いたことないし
それを・・編んでできる筈もない

編んだ庵とは・・
十坪の家で三坪の庭が相場かもしれない
我が家も・・そんなもんだ
過去の九割を捨てて移るつもりなのは
庵に相応しい生き方を・・心がけたいからとでも・・
蘆花の一節が・・ことのほか新鮮に蘇える




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by touseigama696 | 2013-11-03 22:37 | ●エッセイ | Comments(0)
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