江戸のいき

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糸抜きの技法で・・波紋の器を作りだして10数年
きっかけは・・江戸小紋の「いき」だった

遠目には無地だが・・近寄れば極細の紋様
その「いき」が好きで・・無数に極細の糸を貼りめぐらすと
それが波に見えて・・ならもっと波らしく・・
そのための10年だったと言える

目立たないことに・・細心の気配りをする
重箱の隅を・・重箱のど真中のつもりになる
その見栄みたいな意地に・・江戸を見てるのかも
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戦後間もない・・昭和27~8年のころ
親友のO君の尊父が・・一緒に連れてってやろうと
蔵前の国技館のマス席で・・相撲を見た
タニマチだった尊父は・・羽振りのよい実業家だった

その帰り道・・寿司屋に寄って
つけ台で・・寿司を食べた
桶で食ったことはあったが・・
「好きなもん・・注文しろ!」
どうしていいか判らないほどに・・びっくりした

つけ台の寿司は・・極上の贅沢くらいは
こども心にも・・理解できた
江戸前のにぎり・・ここにも江戸があった
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子どものころから・・どういうわけか
俗に言う「ひかりもの」が好きで
とりわけ・・コハダには目がない

コハダは・・寿司ネタでは雑魚のうち
誰かにご馳走になっても・・
こればかり食べてりゃ・・嫌がられることもない
好きだから・・こちらもそれで大満足
ご馳走になる仁義・・これだっていきじゃないと・・
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マグロは・・醤油につけてづけにすれば江戸前
酢で〆るか・・焼くか煮るか・・醤油につける
屋台で食うのが当たり前だった時代に
生まが売りのトロなんざ・・無粋だったかも

京の絢爛に対峙して・・江戸のいき
憧れも含めて・・意地に生きる江戸が好きだ

回転寿司が定着した
まるで・・寿司は昔からこうだったみたいだ
屋台っぽさで・・庶民の食い物に戻った

勘定が気になって・・ろくすっぽ食った気がしなかった
あの高級つけ台のイメージは消えた

「・・寿司食いにゆくか・・?」
仕事を終えてから・・妻と二人ででかけた
「ふたりで3千円だって・・!」
食える皿数も大幅に減ったからだ
ここでも・・少し老けた

江戸のいき・・ちったぁ見栄張って
もうひと皿ふた皿・・食えねばなるまいか





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by touseigama696 | 2012-08-30 01:28 | ●エッセイ | Comments(2)
Commented by はるこ at 2012-08-30 22:56 x
江戸っ子哲っちゃん!
先生の姿、服装を見ても「こだわり」がありますね。。。
強いポリシーを感じます,
そこにユーモアも含まれてます。
こはだ,,,光りものの好きな人はコレステロールもたまらないし,糖尿病にもなりにくいですね。
Commented by touseigama696 at 2012-08-30 23:27
はるこさん
ありがとうございます
ほんとうの江戸っ子ってわけじゃありませんが
下町育ちでもあるから・・江戸っ子が好きです

いい意味での江戸っ子気質みたいなものが
段々になくなってゆくようで・・さびしいです

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