年賀状の宛先

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聞いて・・びっくりした
その子は・・自分の担任の先生に送る年賀状は
自宅ではなく・・学校宛てなのだという
その子だけじゃない・・みんなそうらしい

暮れのうちに・・絵を描いてみたりして
工夫して出した年賀状
先生は・・正月にこれを読むことはないのだそうだ

休みが明けて出勤した教員室で読み
届くとすれば・・返事はそれからってことになる

個人情報保護・・子どもたちは先生の住所を知らない
もしかしたら・・
モンスター・ペアレンツの襲撃を恐れてのこと?

どこに住んでいるかも知らず
先生の家に招かれることもない
私が子どもだったころを思い返せば
師弟の関係は・・極めて一面的のようだ

つまり・・教室では師弟であって
教師としての務めは果たすが
教室を離れたら・・その限りではない
そういうことのようだ

時代錯誤と言われれば・・それまでだが
師弟を結ぶ絆は・・全人格的に多面で
寝ても覚めても師弟だった実感はないのだろう

そうして見れば・・今起きている様々な事件
理解できるような気がする
教室外のできごとは・・責任の埒外だと・・
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子どもたちは・・技術的な教科の学習で育つわけじゃない
学習を通して・・師弟の絆が深まり
人格的な影響を受けて・・ひとりの人間に育つ
職業訓練としてのマニュアル教育などとは・・まるで別のこと
尊敬と憧れと親しさの・・大きな懐の中で育つと考えてきた

時代を反映する「個人情報」が保護されればされるほど
教師の懐は・・小さく狭いものになる
そういう時代なのだと言われれば・・それまでだが
いささかの寂しさは・・禁じえない

親と教師の間に漂う・・不穏な不信
どちらにも言い分があって・・
そのどちらにも・・非がある
愛情よりも・・責任に傾いた関係
もしそこにこだわるなら・・不毛な関係だ

親の目と・・教師の目は別のもので
・・どちらも大事な目である
どちらかに絞っていいものではない

二つの目で・・二つの方向から
子どもたちを見つめるからこそ
そして・・その目が
責任ではなく・・愛情に満ちていてこそ
子どものこころに・・安心が芽生える

「安心」が・・情緒の安定を育み
他者への労わりを含め・・社会性の土壌ともなる
教科の学習は・・その補強であればいい

望ましい教育環境とは・・
子どものこころに「安心」を育む
そのための全方位な信頼にあると・・思うのだが
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「何してんの・・?」
「腹減ったから・・おやつ」
「おやつって・・何を?」
「うん・・ウニ採って食ってる!」

50数年前・・旅先での私と
行きずりの土地のこどもたち
ちょっとの時間で・・仲良くなって
何となく好きな写真が・・残った

見ず知らずの不信もなく
表情は・・どこまでも自然で人懐こい
私の肩に置かれた・・手
私の手が乗った・・肩

教師でも生徒でもない関係だが・・
その上・・この一瞬以外
二度と会うことのない関係だったが
忘れられない潮の香りが・・残っている

「食べる・・?」 「ほらっ~!」
きっとあのウニの塩味に違いない

今もどこかで元気だろな
50数年・・もしかしてこの子らも還暦?

あぁ~~またもや老いを感じてしまうではないか






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by touseigama696 | 2012-07-20 07:14 | ●エッセイ | Comments(4)
Commented at 2012-07-20 20:40
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by はるこ at 2012-07-20 21:20 x
わぁ 若い頃の先生ですね〜
優しいお兄さんタイプなんですね。
こども達がホントに自然で伸び伸びして幸福そうです。
キラキラしてます!!

小学校の頃は先生がどこに住んでいられるのか
みんな知っていて、遊びに行きました。
先生も母たちとお喋りして、仲良しのおつきあいでしたよ、、、
今は変わってしまったんですね。
Commented by touseigama696 at 2012-07-21 06:34
鍵コメさん
ありがとうございます
あなたも・・
驚異的な現実にたまげておいでなのでしょうね
ご苦労が判るような気がします
Commented by touseigama696 at 2012-07-21 06:37
はるこさん
ありがとうございます
田舎の海辺のこどもたち
贅沢はできなくても
くったくなく伸び伸びと育っていたような・・
社会の仕組みが・・人間を変えてしまうようです
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