2012年 03月 11日
桃始笑の日に・・ |
桃始笑の日・・3月10日
肌寒い雨上がりの夕刻・・工房教室の仲間14人が
かねてから楽しみにしてきた・日本料理 一凛に集まった
春はまだ浅いが・・かすかに啓蟄の土の匂いに
旬の息吹を嗅ぎとってみたい思いで・・集まった
店主橋本幹造氏の計らいでか・・
この夜他に相席もなく・・気がねなく宴を待った
それぞれの・・作務衣を脱いで
それぞれに・・待春の装い
その華やぎが・・目にも眩しい
絵唐津輪花小鉢に盛られた・・
平ら貝と白うどの木の芽和え・・で始まった
わかさぎ・・たらの芽・・蕗の搭
雪解けに・・春が匂ってきた
このふたりも・・
料理屋さんとは立場は違え・・食の専門家
この日を楽しみにしてくれていた
八寸の盆に・・啓蟄の豆皿
山海の春が・・芳醇な酒に仄かに紅く染まる
ここで使う・・豆皿・・豆小鉢
試作しているのは・・きっとこのため
まだ大き過ぎるようだ・・
すぐ後ろの板場で・・
包丁を握る番長こと橋本幹造さん
彼の岳父が・・私の高校時代の旧友
その縁で・・
おつきあいができて3~4年になろうか
NHKのあさイチでお馴染みだが
ここでは無口・・表情も硬い
ここは仕事場・・戦場なのだ
ミシュラン星ふたつ・・は
彼の弛まざる精進の結果に違いない
次の向こうづけ・・
鯛・・初鰹・・赤貝の作りに余念がない
料理・・とりわけ日本料理に
季節は・・不即不離
その分・・つきあい方も難しかろう
自然も季節も・・あるがままに
隠しも・・誇張もしない
味もまた・・きっと同じ
季節を写すがとごく・・しかし写しではない
火や熱をくぐらせながら・・それでも
仄かなものが・・仄かに匂う
容易なことじゃないが・・食材と語り合って・・
望むがまま・・欲するがままの境地
作ることは・・やはり至福の時だと思う
やきものとて・・同じじゃなかろうか
八寸の盆で・・酒を酌み交わせば
そこはもう天下国家・・談論風発
おとこの世界につき合わされた奥のKさん
困ったら逃げておいで!・・そうからかったが
最後まで面倒みてくれたらしい
京湯葉の馬鈴薯蒸し
京都で修業を積んだ番長の・・
懐かしみでもあろうか
湯葉は大好きな食材・・実に美味
誰かが・・ざるからつまみあげたぐい呑みは
以前にご依頼があって・・置いてある私の作品
それも・・店主の気遣い
酒を満たせば・・ほんのり御本に染まる粉引きだが
仲間の手前・・いささか気がひけるテレでもあろうか
小さな四方鉢・・吸いものと一緒に
鯛のちらし寿しが・・腹にしっかと据わった
最近・・少し歳とって
別腹ができた私にも
丹波の芋きんとんの甘みが・・心地よい
一夜の贅沢を・・甘く溶かして終宴となった
記憶で覚えられる数ではない
忙しいのに無理言って・・しながきを書いてもらった
署名落款で・・銘々に配られたがこれも一期一会・・
至福を腹に・・空いてる夜道を帰路についた
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by touseigama696
| 2012-03-11 21:35
| ●エッセイ
|
Comments(4)
さすがの私も 緊張して胃が痛くなってきました。
心して、ご一緒させていただきます・・・
先に酔っ払っちゃた者勝ちということで・・・
心して、ご一緒させていただきます・・・
先に酔っ払っちゃた者勝ちということで・・・
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touseigama696 at 2012-03-13 00:40
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tami-potter at 2012-03-14 10:22
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touseigama696 at 2012-03-15 00:30