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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

余情残心

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夕方から少し冷え込んで・・火をつけた
震災以降・・すこぶる人気商品らしい
電気要らずの・・灯油ストーブ
一番アナログで・・だからずっと以前から使ってる
時期がくれば・・コトコトとおでん鍋を乗せたりもする

夜の9時半に・・教室は終わった
みんなが引きあげて・・独りになった
さっきまでのざわめきが消え
静かだが・・少し淋しい
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自分のために・・茶を点てた
濃いめに・・二服
そして・・さっきまでの賑わいを思い返した

同時に・・
井伊直弼の書いた一節が・・頭をよぎる
原文の意訳だが・・こんな意味合い

「茶席のあるときは
主客ともに名残り惜しさを感じつつ
別れの挨拶を済ませたら
客は茶室を出て帰ることになるが
そのときは
客も決して大声を出して騒ぎながら帰るのではなく
心静かに露地を出て・・そして
亭主は客の姿が見えなくなるまで
門の外に出て見送りなさい

更に・・客が帰ったあと
中くぐり・・猿戸・・その他戸障子などを
いち早く閉めたてなどするのは不興千万
一日持てなしたことが全て無に帰してしまう
客が遠くに見えなくなっても
後片付けを急いではならない

やがて
静かに茶席に戻って・・炉の前に座り
あの客ともう少しお話のしたかったものを
今頃・・どの辺を歩いておいでだろうか
今日一期一会済んで・・もう再び
お目にかかることがないかもしれないことなど考えながら
ひとり自分のために茶をたて・・これを味わいながら
去って行った客のことを偲ぶ

これ・・一会極意の習いである
こうした瞬間に語ろうものとては
炉前の釜一口でしかないが
この釜と語りあうひとときこそ
茶の湯の極意である・・・」


井伊直弼著
茶の湯一会集 
独座観念より「余情残心」


若いころ・・決して好きではなかった茶の湯だが
今・・実に不出来な弟子だが・・細々と稽古を続けている
師匠の温情がなければ・・とうに破門に違いない

心境に変化をもたらしたのが・・この一文
老境に茶をたしなんだ・・亡父が寄こした本だった
武辺の直弼からは想像しにくい・・もてなしのこころ

独りで茶を点て・・賑わいを思い返すのも
それも一期一会と・・心得ているつもりなのだ
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一服で・・疲れを
二服で・・眠気を払い
今夜もまた・・糸を貼って過ごした



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by touseigama696 | 2011-11-11 00:36 | ●エッセイ | Comments(4)
Commented by mohariza6 at 2011-11-11 12:59
高校3年生の1年間だけですが、「茶道」をやったことがあります。
憧れの子クラブに居たこともありますが、
茶道の作法は奥深く、作法から精神が醸される気がしました。
さらに歳とったら、「茶道」をやりたくなる心境になるのでしょうか・・・?
今は、余裕が無く、「一会極意」の心境までは行けません。
Commented by はるこ at 2011-11-11 22:53 x
温かそうな灯油ストーブ、、、いいですね〜

こどもの頃、祖母が点ててくれたお臼を、妹とお膝して
いただいたのをなつかしく思い出しています。
私も機会があったら茶道はやってみたいことのひとつです、、

それにしてもお父さまってステキな方ですね!
先生のときの過ごし方が優美、、見習いたいです。
Commented by touseigama696 at 2011-11-12 01:21
mohariza6さん
ありがとうございます
憧れの君・・を偲ぶ
それも一期一会
是非・・茶を点てて極意を味わってください・・笑
Commented by touseigama696 at 2011-11-12 01:24
はるこさん
ありがとうございます
そちらでも・・茶は手に入るのかな?
ドイツのひとに振舞ったら・・
どんな反応なんだろ・・?

頑固な親父でしたよ・・笑
茶もね・・教則本の書き方がなっちゃない・・って
自分で書きなおしていました・・笑
やっぱり・・学校の先生
三つ子の魂・・でした  笑
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