2011年 08月 30日
形と模様 |
日本工芸会主催の研究会でのこと・・
審査講評の中で
「・・これって形もきれいだし・・模様もいい・・
でも選外って結論・・こういうこと結構あるんですよ」
「形も模様もどちらもいいんだが・・合ってない
それが選外になった理由だとか・・
別の講評・・
「これで・・もう少しサイズが小さければ
きっと全体が締まった・・だろうな」
どちらも・・
印象的な意見だったから・・忘れない
造形も装飾も・・
誰だって懸命にベストを尽くす
どちらもベストだったとしても・・なお
両者に調和が欠けてはいないか・・?
言い換えれば・・
この紋様を打つに・・この形でいいのだろうか・・?
ともすると・・大きさは
技術のバロメーターでもあって
大きなものが挽けることは
より上位の技術のように思えるが・・
折角の大きさが・・
全体の緊張感を奪ってしまうかもしれない懸念を
吟味しておく必要がある
公募展では・・茶陶を除けば
大抵は・・大きな皿や壺だ
大きさが魅力を引き出すことも多いが
しかし・・なお大きければいい・・
とも言い切れないわけだ
昨日・・外出から戻った夕方から・・↑の三点 彩色しました
つい先日・・伝聞だがこんな意見も聞いた
鑑審査に携わる機会の多い方の話
「広い会場に一杯作品が並んでいる
その中を歩きながら・・ひとつひとつを吟味するけど
真っ先に・・目に映るのは何?・・
と言われれば・・それは・・形だ
作品はすべて立体・・だから
さまざまに工夫した装飾は
姿を借りて・・目に飛び込んでくる
形なしに・・模様が目に映ることはないね
そうしてみると・・当然のことだけど
まずは・・姿・形の良いものを作るべきだ
形が良くないものが・・加飾で良くなる
そりゃ・・まずないだろな」
造形の不満・・欠点を
装飾で隠そうとする姑息を戒めている
「形良きものに・・加飾すべからず」
古い教えだが・・同じ意味だ
自作を・・冷静に客観的に見つめる
決して簡単なことじゃない
形と模様の関係は・・
毎年の課題であり・・
永遠の課題なのかもしれない
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by touseigama696
| 2011-08-30 07:30
| ○陶芸雑感
|
Comments(2)
勉強になるいい言葉がたくさん聞けますね、、、
作家が、短編ばかり書いていると、締まりがなくなってきて、
長編に取り組むと。また取り戻せるとか、、
写真も絵画もアップとロングで、、、
、、陶芸はまず形なのですね。
作家が、短編ばかり書いていると、締まりがなくなってきて、
長編に取り組むと。また取り戻せるとか、、
写真も絵画もアップとロングで、、、
、、陶芸はまず形なのですね。
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by
touseigama696 at 2011-08-31 03:05